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第3章 ゆるやかな流れの中で
瞬の不安(2)
しおりを挟むここに居た少年達は瞬より後に来た子もみんなとっくに出て行き、今躾けられている子は多分三巡目くらいだと思う。
施設に居る子供達の入れ替わりはよくある事のようで、余り顔を合わせる事が無いようにされてはいても、それはなんとなく伝わってくる。
ここに三年も居れば、周りの景色もだいぶ違って見えるようにもなっていった。
まず明らかに感じた事は、自分だけが他の人より長くここに居るという事と、そして誰よりも特別な扱いをされているという事だった。
子供同士が互いに交流する事は禁じられてはいても、彼らが受けているものと自分の躾けは余りに差があるのだった。
榊にはその子の主人の望むものによって躾けも様々だと言われていたが、だとしたらその堂島が望む『天使』というものの存在が一体なんなのかをはっきり示して欲しかった。
いつもそこだけは曖昧に誤魔化されてしまうのだ。
榊にそれとなく聞こうとしても『瞬なら大丈夫だ』と言われ、そんな時ほど甘やかされてしまう。
そして瞬は何も聞き出せないままズルズルと榊の優しいとしか言いようのない指の動きに翻弄されて意識を飛ばしてしまうのだった。
普段何気なく聞ける雰囲気も無く、聞き出しやすい時は、たいがい瞬が後ろの孔を解されている時になってしまうのだった。
この時の榊は瞬の気を紛らわせる為なのか、いっぱい話をしてくれる。
その流れで瞬が色々質問をしても、何でもたいがいの事は答えてくれるのに、この時だと思って瞬が『天使』とは何かとさりげなく聞き出そうとすると、瞬のそこに忍ばせた指が増やされたり、それがグリンと中で回転したりして意識を逸らされ、そこから先はお喋りどころでは無くなり、気付けば次の日の朝だったという事は何度かあった。
その度に『天使』とは何かを知ってはいけないのかもしれないとは思いつつ、時々不安になりやはり聞きたくなる。
そしてまた後ろの孔の訳がわからないところを押されたり擦られて、気付けば朝だったと言う事を繰り返していた。
榊にはそうやっていつも誤魔化されて来たが、この際はっきり言ってもらった方が瞬にだって心構えが出来る。
もうすぐここを出るかもしれないなら、聞いておいた方がいいに決まっていた。
漠然とした『天使像』のままじゃ主人でありこれから養父になってくれる堂島に気に入って貰えるかも分からない。
今までここまで頑張ってきたのに、また堂島にまで見放されてしまったら、瞬だって今度こそ心が壊れてしまいそうで怖いのだった。
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