竜達の番

mokia

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癒す者

光が差す

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 誰か、助けて。

 ルーカスの助けを呼ぶ声が求める者にやっと届いた。

 家が崩れる音と共に壁が外れた。外からプラチナブロンドの美しい人が現れる。

「誰だ!ここが誰の屋敷か知って居るのか!」

 欲望をぶつけるのを邪魔された主人は侵入者に怒鳴る。

「さぁ、誰か知らないけど、竜の番に手を出して無事で居られると思わないでねぇ」

 美しい人がそう言うと主人が消えた。

 消えた。

 ルーカスは驚きで涙が引っ込んだ。ぽかんと口を開けて侵入者を見つめるルーカスに侵入者は近づく。

「ああ、やっと会えた。私の愛しい番。」

「番。」

「そう、私が君の番だ。取りあえずこれを外すね。」

 壁から簡単に枷ごと外され、鉄で出来た枷が手で割られた。

 またもぽかんと侵入者を見つめる。

「ん?」

 さらりと流れるプラチナブロンドを持つ美しい人が首を傾げてルーカスを見る。ルーカスはこの美しい人が手で鉄を割った事が信じられず、自身の手首と美しい人に視線も顔も行ったり来たり。

「おい!ルシフェル!こっちじゃねえし、人様の家壊してんじゃねえよ!」

「仕方ないでしょう、番の助けを求める声が聞こえたんだから」

「はあぁ!番ぃ!」

 赤い髪の大きな人が美しい人に抱えられているルーカスを見た。
 目を見開き叫ぶ。

「おい!裸じゃねえか!」

「も~、サルマンうるさい。私の愛しい番。取りあえずこれを着てね。」

 美しい人が着ていた上着を渡される。大きい。ぶかぶかの上着を着て美しい人に抱えられた。

「サルマン、ちゃんと追い掛けるから先に行ってて。」

 じゃ。とルーカスは美しい人に抱えられて訳もわからぬまま、飛んだ。
 浮遊感に思わずしがみつく。美しい人は王城の端にある大きな建物の一室のベッドにルーカスを寝かせる。大きくてふかふかのベッドと上着から香る安心する匂いにルーカスの力が抜け、うとうとしていた。

「私の愛しい番。私は任務が有るから少し出てくるけど、ここにいてね。」

 こくりと頷いてルーカスは目を閉じた。奴隷に成ってからずっと緊張していた心と体が休息を求めていた。

 眠りに付いたルーカスを慈しむ眼差しで見つめる。そしてルーカスの胸元を憎々しい目で見た後、指を鳴らした。

 ルーカスが無くなった奴隷紋に気付くのはいつの事だろう。

 そして二人がまだお互いに名前を知らぬままだと言うことに気付いただろうか?


 これは不幸を味わって傷付いた者を慈しみで癒し魂を慰める物語。




 すみません、唐突にギャク入りました。ルシフェルの性格はスパダリの予定だったのに。

 第一章 癒す物 導入部 終

 
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