5 / 49
癒す者
光が差す
しおりを挟む
誰か、助けて。
ルーカスの助けを呼ぶ声が求める者にやっと届いた。
家が崩れる音と共に壁が外れた。外からプラチナブロンドの美しい人が現れる。
「誰だ!ここが誰の屋敷か知って居るのか!」
欲望をぶつけるのを邪魔された主人は侵入者に怒鳴る。
「さぁ、誰か知らないけど、竜の番に手を出して無事で居られると思わないでねぇ」
美しい人がそう言うと主人が消えた。
消えた。
ルーカスは驚きで涙が引っ込んだ。ぽかんと口を開けて侵入者を見つめるルーカスに侵入者は近づく。
「ああ、やっと会えた。私の愛しい番。」
「番。」
「そう、私が君の番だ。取りあえずこれを外すね。」
壁から簡単に枷ごと外され、鉄で出来た枷が手で割られた。
またもぽかんと侵入者を見つめる。
「ん?」
さらりと流れるプラチナブロンドを持つ美しい人が首を傾げてルーカスを見る。ルーカスはこの美しい人が手で鉄を割った事が信じられず、自身の手首と美しい人に視線も顔も行ったり来たり。
「おい!ルシフェル!こっちじゃねえし、人様の家壊してんじゃねえよ!」
「仕方ないでしょう、番の助けを求める声が聞こえたんだから」
「はあぁ!番ぃ!」
赤い髪の大きな人が美しい人に抱えられているルーカスを見た。
目を見開き叫ぶ。
「おい!裸じゃねえか!」
「も~、サルマンうるさい。私の愛しい番。取りあえずこれを着てね。」
美しい人が着ていた上着を渡される。大きい。ぶかぶかの上着を着て美しい人に抱えられた。
「サルマン、ちゃんと追い掛けるから先に行ってて。」
じゃ。とルーカスは美しい人に抱えられて訳もわからぬまま、飛んだ。
浮遊感に思わずしがみつく。美しい人は王城の端にある大きな建物の一室のベッドにルーカスを寝かせる。大きくてふかふかのベッドと上着から香る安心する匂いにルーカスの力が抜け、うとうとしていた。
「私の愛しい番。私は任務が有るから少し出てくるけど、ここにいてね。」
こくりと頷いてルーカスは目を閉じた。奴隷に成ってからずっと緊張していた心と体が休息を求めていた。
眠りに付いたルーカスを慈しむ眼差しで見つめる。そしてルーカスの胸元を憎々しい目で見た後、指を鳴らした。
ルーカスが無くなった奴隷紋に気付くのはいつの事だろう。
そして二人がまだお互いに名前を知らぬままだと言うことに気付いただろうか?
これは不幸を味わって傷付いた者を慈しみで癒し魂を慰める物語。
すみません、唐突にギャク入りました。ルシフェルの性格はスパダリの予定だったのに。
第一章 癒す物 導入部 終
ルーカスの助けを呼ぶ声が求める者にやっと届いた。
家が崩れる音と共に壁が外れた。外からプラチナブロンドの美しい人が現れる。
「誰だ!ここが誰の屋敷か知って居るのか!」
欲望をぶつけるのを邪魔された主人は侵入者に怒鳴る。
「さぁ、誰か知らないけど、竜の番に手を出して無事で居られると思わないでねぇ」
美しい人がそう言うと主人が消えた。
消えた。
ルーカスは驚きで涙が引っ込んだ。ぽかんと口を開けて侵入者を見つめるルーカスに侵入者は近づく。
「ああ、やっと会えた。私の愛しい番。」
「番。」
「そう、私が君の番だ。取りあえずこれを外すね。」
壁から簡単に枷ごと外され、鉄で出来た枷が手で割られた。
またもぽかんと侵入者を見つめる。
「ん?」
さらりと流れるプラチナブロンドを持つ美しい人が首を傾げてルーカスを見る。ルーカスはこの美しい人が手で鉄を割った事が信じられず、自身の手首と美しい人に視線も顔も行ったり来たり。
「おい!ルシフェル!こっちじゃねえし、人様の家壊してんじゃねえよ!」
「仕方ないでしょう、番の助けを求める声が聞こえたんだから」
「はあぁ!番ぃ!」
赤い髪の大きな人が美しい人に抱えられているルーカスを見た。
目を見開き叫ぶ。
「おい!裸じゃねえか!」
「も~、サルマンうるさい。私の愛しい番。取りあえずこれを着てね。」
美しい人が着ていた上着を渡される。大きい。ぶかぶかの上着を着て美しい人に抱えられた。
「サルマン、ちゃんと追い掛けるから先に行ってて。」
じゃ。とルーカスは美しい人に抱えられて訳もわからぬまま、飛んだ。
浮遊感に思わずしがみつく。美しい人は王城の端にある大きな建物の一室のベッドにルーカスを寝かせる。大きくてふかふかのベッドと上着から香る安心する匂いにルーカスの力が抜け、うとうとしていた。
「私の愛しい番。私は任務が有るから少し出てくるけど、ここにいてね。」
こくりと頷いてルーカスは目を閉じた。奴隷に成ってからずっと緊張していた心と体が休息を求めていた。
眠りに付いたルーカスを慈しむ眼差しで見つめる。そしてルーカスの胸元を憎々しい目で見た後、指を鳴らした。
ルーカスが無くなった奴隷紋に気付くのはいつの事だろう。
そして二人がまだお互いに名前を知らぬままだと言うことに気付いただろうか?
これは不幸を味わって傷付いた者を慈しみで癒し魂を慰める物語。
すみません、唐突にギャク入りました。ルシフェルの性格はスパダリの予定だったのに。
第一章 癒す物 導入部 終
10
あなたにおすすめの小説
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
【短編】初対面の推しになぜか好意を向けられています
大河
BL
夜間学校に通いながらコンビニバイトをしている黒澤悠人には、楽しみにしていることがある。それは、たまにバイト先のコンビニに買い物に来る人気アイドル俳優・天野玲央を密かに眺めることだった。
冴えない夜間学生と人気アイドル俳優。住む世界の違う二人の恋愛模様を描いた全8話の短編小説です。箸休めにどうぞ。
※「BLove」さんの第1回BLove小説・漫画コンテストに応募中の作品です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる