竜達の番

mokia

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癒す者

目覚めの準備

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 ルシフェルが任務を終え、戻った後もルーカスは眠り続けていた。

 奴隷になった後、いや、家を出た後からルーカスが本当に安心できる事はなかった。冒険者は大柄な男が多く、宿にも冒険者が沢山居るなかで、部屋を閉めたとしても本当に安心は出来なかった。奴隷に成ってからはさらに緊張状態が続いた為、何故か安らげるルシフェルのベッドで、深い眠りについていた。
 
 任務を終え戻った後もなかなか目を覚まさないルーカスに、ルシフェルは癒しの魔法をかけた。それでもなかなか目覚めない為、闇の力を持つ隊長に助けを求めた。

「隊長、番が目を覚まさないんです。助けて下さい。」

「ルシフェル?いつの間に番が出来たんだ。」

「前の任務の前に見つけました。取りあえず見てください。」

 闇の属性である隊長を連れて自室に入り、眠るルーカスを見せた。

 様子を見た隊長はルシフェルを連れて部屋を出る。

「ルシフェル、彼は安心して眠って居るだけだ。多分極度の緊張が長く続いたんだろう。しばらくは眠り続けているだろう。」

「食事とかはどうすれば。」

「取りあえず水分は出来るだけ取らせてやれ、体が回復すれば食事を取れるようになる。お前はしばらく彼の世話だな。」

 それからルシフェルはルーカスに定期的に水分を与え、着替えをさせ、時々体の向きを変えた。こんこんと眠るルーカスが動いたのはそれから3日後の事だった。
 ぼんやりと目を開けて何かを探すように視線を動かす。ルシフェルを見つけるとふにゃりと笑みを浮かべた。

 その後も時々目を開けるがぼんやりとしたまま眠る日が数日続いた。ルシフェルは目を開ける時に柔らかい物や水分を取らせた。

 ルシフェルの献身のお陰か、7日程してからルーカスは目覚めた。

「あれ?ここは?」

「目覚めた!?、私の愛しい番、目が覚めた?」

「あ、番。はい、おはようございます。」

 ルーカスは目の前の美しい人が自分の事を番と言って助けてくれた事を思い出した。絶望の中助けを求め、やっと救いだして貰えた。そして自分が会いたかった、名前も顔も知らぬ誰かが彼だと言うことがわかった。
 それが番という事かは分からないけど。

「あの、僕はルーカスと言います。あなたの名前を聞いても良いですか?」

「ああ!すまない。私はルシフェルという。竜騎士隊、通称ドラゴンナイトの所属で種族はドラゴンだ。」

 ドラゴンナイト、この国に偶々やって来たドラゴンが人の中で番を探すために作った騎士隊、ドラゴンの中では番を探すために一番最初に所属する場所である。人間からすると恐ろしく頼もしい部隊だが、実質婚活部隊なのである。

 つまり、この部隊では番探しが任務より優先される。ルシフェルは番を見つけ、番を癒すために任務からは外されている。

「ルシフェル様、あの、僕は、奴隷に成ってしまってだから、あの」

「ああ、それはもう大丈夫、奴隷紋は消したから。それとも借金奴隷だった?それなら借金を返すよ」

「え、消した?え?」

 本来、奴隷紋はそう簡単には消えない。簡単に消えたら魔力が強かったり、力が強いものを縛れ無いからだ。その奴隷紋を消したと言われた。混乱するルーカスにルシフェルはにっこり笑って簡単だったよと言う。

 ドラゴンとは魔法的にも力的にも人間では到底及ばない力を持つ。そしてルシフェルは光属性の竜である。魔術を打ち消すなど指を鳴らすだけで終わる。

 ルシフェルはルーカスが7日も寝ていた事、食事をまともに取れて居ない事を伝えた。ルーカスは自身が7日も寝ていた事に驚いたけど、妙にスッキリした目覚めはこのためかと納得した。

「取りあえずルーカス、しばらくはこの宿舎で住んで貰うから、君のものを色々準備しないといけない。何か彼処に置いてきたものは?」

 首を振るルーカスにルシフェルは準備するから待っててと言って、部屋を出て行ってしまった。取りあえず待つしかないルーカスは部屋を見回した。

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