竜達の番

mokia

文字の大きさ
19 / 49
温める者

寒の戻り

しおりを挟む
 サルマンが任務に出た後フリージオンは寂しさを隠せなかった。サルマンがくれた魔石はフリージオンを温めてくれた。しかし、フリージオンにくれるサルマンの言葉が聞こえ無くなり、フリージオンはまた心が冷えていくように感じた。
 家族はフリージオンの寂しさに寄り添い側でフリージオンを慰めた。

 その頃サルマンは番を失った氷竜の残した氷塊を溶かし続けて居た。
 本来なら番が最優先、しかし狂った竜の残したトラブルは火竜が不可欠。フリージオンが落ち着いて来たため任務に参加する事にした。
 しかし。

 思った以上に固いな。魔石は持つだろうか。

 氷竜の残した氷塊はとても固かった。サルマンが全力を出せばすぐに溶ける。しかしそれをすれば周囲まで溶けてしまう。それならサルマンが来ずとも死の街に成ってしまうここに来た意味がない。

 竜の番にいったい何をしたんだ。礼儀をしらねぇやつだなぁ

 氷塊を溶かしながらも氷竜を攻めずこのような状態を引き起こした犯人に対し憤りを見せるサルマン。

 やっと氷塊を溶かし終えたサルマンは早急に番の元に帰りたかったが、街の中はまだ冷えきって居る。

 せめて水気を飛ばしてから帰ろう。その前に連絡して置くか。

 フリージオンはサルマンからもうすぐ戻るとの連絡を受け、安心した。魔石の魔力がつきかけて居たのだ。それにサルマンの声が聞きたかった。家族は一緒に居てくれるが、やはりサルマンにしか心の底にある氷が溶けないのだ。

 そこに寒さの要因が戻って来てしまった。

 獣人の元使用人はフリージオンを恨んでいた。自身をそそのかし、両手を奪ったフリージオンが憎かった。そのフリージオンは竜の番に成って暖かなところで愛されている。
 だから獣人の使用人はフリージオンを拐って閉じ込めて、自分を慰める為に使おうと考えた。

 フリージオンの力は竜によって封じられているに違いない。今なら安全に自分のものにできる。

 獣人の元使用人は機会を伺っていた。竜騎士はが出ていってから家族がフリージオンを一人にしなかった。
 しかし、竜騎士が戻る事を告げられたフリージオンは離れで待つことにした。
 家族は離れなら大丈夫だろうと見張りをおいてフリージオンを一人にしてしまった。

 それを獣人の元使用人は待っていた。見張りは獣人の元使用人に協力する使用人で彼をフリージオンに誘拐させるための共謀者だった。

「フリージオン様、私はあなたのせいでこんな手に成ってしまいました。だからあなたは私に償わなければ行けません。」

「え?ジム、どうして?」

「あなたが私の手を凍らせたから!このような醜い手に成ってしまったんだ。」

 手首から先がフックになった手を見せて叫んだ元使用人はフリージオンを縄で縛り、口に布を嵌め込んだ。
 そしてフリージオンはまんまと彼らに捕らえられ、連れ去られた。家族は連れ去られた事を知らず、サルマンの帰りを待っていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

【短編】初対面の推しになぜか好意を向けられています

大河
BL
夜間学校に通いながらコンビニバイトをしている黒澤悠人には、楽しみにしていることがある。それは、たまにバイト先のコンビニに買い物に来る人気アイドル俳優・天野玲央を密かに眺めることだった。 冴えない夜間学生と人気アイドル俳優。住む世界の違う二人の恋愛模様を描いた全8話の短編小説です。箸休めにどうぞ。 ※「BLove」さんの第1回BLove小説・漫画コンテストに応募中の作品です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...