竜達の番

mokia

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飢えを癒す者

魂の成長を促す栄養

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 カイはテンヴィルに頭を撫でられ、誉められ、抱き締められて、安心してテンヴィルに身を預ける。

 カイは自分から何かをすることがほとんど無かった。家では糸紬をしているのを見た従弟が喜んだから、カイが糸紬をすることにした。カイは器用だったから直ぐに糸紬を任せられるようになった。従弟が横で見ていたからカイは糸紬を苦痛に思わなかった。

 しかし治癒を受けてからカイはテンヴィルがしている事をじっと見た後、テンヴィルのやっている事をしたがるようになった。
 最初は自身で服を着て、次は食事を自分で食べ、時々はテンヴィルに食べさせたり。
 カイは自分でできる事が増えて行くのが楽しかった。前はただ言われた事をしているのが殆どだったけど、自ら行動するようになった。

「テンヴィル、出来た。」

「ようやった。カイ。上手に出来てる。」

 テンヴィルはいつも誉めてくれた。そして頭を撫でてくれる。時々頭に口付けもくれる。
 カイは嬉しくて、他にも出来る事を増やして行った。

 時々従弟に会った。従弟は会うたびに背が高く成って行った。

「カークス、背が伸びたね?」

「うん、カイが頑張ってるからね。」

 従弟が良くわからないけど、カイを誉めてくれた。従弟は成長痛に悩まされて居るらしく、あまり沢山は会えなかった。

「テンヴィル、成長痛って何で?」

「うん?成長痛は背が伸びる時に骨が伸びるのが速くて起きるんだ。」

「カークスは背が伸びてるから成長痛が起きてるの?」

「そうだ。」

 カイの質問にもテンヴィルは丁寧に答えた。カイは時々答えに困るような質問をした。

「ねえ、テンヴィルは俺の番って言ってたけど、飼い主とは違うの?」

「テンヴィルは俺に命令しないの?」

「テンヴィルは俺のお尻を使わないの?」

 カイは今まで過ごした知識を確認するようにテンヴィルに質問した。

 カイは親以外と過ごしたのは商人だったせいでかなりおかしな知識を持っていた。カイはそれを当たり前と思って居たので質問の度にテンヴィルが困った顔をして、自分は悪いことをしていたのでは?と思い至った。
 
「俺悪いことしてた?」

「テンヴィル、俺悪いことしたからムチ打ちする?」

「テンヴィル俺悪い子だから捨てる?」

 これにはテンヴィルも困ってしまった。今までの生活との違いを教えなければ行けない。しかし、今までが悪いことと教えるのはとても難しい。

「カイこの質問の答えは少し待ってくれ。」

 テンヴィルはカイの従弟に相談することにした。

「ナイアスの番、カイが…」

「分かりました。俺がカイに説明する。こう言うのは身内の方が良い筈だ」
 
 カイは従弟から飼い主とはペットと主人の関係だから飼い主ではない。番とは父と母のような夫婦の関係であることだから命令をするのではなくお願いをしたりされたりする関係であること。
 お尻はいずれ使うと思うけどそれはカイがどうしてその行為をするかを学んでからであること。カイが悪いことをしていたのは従弟とカイ自身にであって、ムチ打ちはされないこと。番は捨てるのは不可能な事を教えた。

「お尻を使うのは気持ち良いからじゃないの?」

「それは番に聞いた方が良いかな」

子供のように首をかしげるカイに従弟は困った顔した。

 商人は気持ち良いからするって言ってたけど、他に理由があるの?

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