竜達の番

mokia

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飢えを癒す者

満足

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 目が覚めてからカイは一緒に寝ているテンヴィルに抱きついた。

「テンヴィルは俺を愛してくれる?」

 テンヴィルはいきなり抱きつくカイに驚きながらも受け止め、カイを抱き締めた。

「無論だ。」

 カイはテンヴィルの胸に顔を埋める。

「俺は前世で多分、親に愛情を貰え無かった。だからずっと飢えてた。愛情に。それからご飯を貰えないようになった。だからお腹が空いてご飯が欲しいのと、愛情が欲しいのが一緒に成ったんだ。」

 俺はずっと愛情が欲しかった。

「なら、我が沢山カイを愛そう。それにカイは今の両親に愛されている筈だ。」

「うん。今なら分かる。母さんも父さんも俺を愛してくれてる。」

 カイは理解出来た。前の暮らしと今までの暮らしを比べた事によって、今の両親もそして従弟達からも愛情を貰って居たと。
 心配していた。母も父も従弟も叔父達もカイが帰らないようにする前から心配していた。

「俺、一回家に帰りたい。」

「そうか、お前の片割れも一緒が良いだろう。」

「片割れ?」

 カイは従弟が魂の片割れだとわかって居なかった。

「カイの身内だ。」

「カークスの事?」

「その者に聞いて見ると良い。」

 こくりと頷いた、カイはテンヴィルの胸の中でふにゃっと笑う。


 カイは従弟と共に実家に帰った。双子のようになった二人を見て皆驚いて居た。

「母さん、父さん、叔父さん、叔母さん、心配かけてごめんなさい。」  

 頭を下げたカイに、母親は涙を浮かべる。

「お帰りなさい、カイ。」

「ただいま。」

 行方不明の息子が元気に家に帰ってきた、其だけで親孝行に成る。

 カイは今の親に愛されている。

 従弟は詳しくは話さず、事件に巻き込まれて療養していた事、そこで自分達が竜騎士達の番で有った事を話した。
 母達は喜んでいたが、父親達は複雑な表情を浮かべていた。

 帰ってから従弟にこんな事を言われた。

 「カイ、今、満たされてる?」

 だからカイはにっこり微笑みを浮かべ従弟に返した。

「うん。カークスは潤ってる?」

 なぜか従弟には笑われた。

 二人を番に持つ竜騎士達は楽しそうな二人を眩しそうに見ていた。

 二つに分かたれた魂は別々の傷を持って転生し、別の番を得る事によってそれぞれの傷は癒された。

 二人は繋がっている、しかし、二人の物語は別に有る。
 

第四章 飢えを癒す者 浄化編 終
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