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息を継ぐ者
狭い世界
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グライオスは産まれてから10歳に成るまでは幸せだった。父を見たことは無いけど、母は自身を大切にしてくれたし、乳母や母の使用人達は皆優しかった。
「母様、ここから先は何が有るの?」
「グライオス、そちらに行っては行けないわ。」
グライオスの世界は家とそれを囲う塀のなかで存在していた。塀の外からは色々な声が聞こえて来た。騒がしい声、何かの爆発音、音楽もたまに。母は外の世界のことは大きくなったら分かるとしか言わなかった。
母の表情はなぜか悲しげだったが。
乳母がこっそり教えてくれた、外の世界は危険だからここから出ては行けないと。だからグライオスは忠実に言い付けを守り続けた。なぜか知っていたのだそう言われた時に守らなければひどい目に合うと。
グライオスは屋敷に有る本は全て呼んだ、母が読むはずの無い軍記などもあったが、何が自身の糧になるか解らなかったから。文字は母から習い、書けるようにも読めるようにも5歳の時には成っていた。乳母はグライオスの事を天才等と言っていたが他にすることがない。本を読み始めてからはストレッチもするようになった。体が柔らかい方が良いと書いていたから。
グライオスは屋敷の中に有った知識は全て吸収していった。暇に明かせて母の得意な刺繍さえも出きるように成った。
グライオスが10になる頃母の元気が段々無くなって行った。いつも悲しげにグライオスを見る。何も母は言わなかったが、グライオスは何故か別れが近付いて居るように思えた。
「母様」
「グライオス、ごめんなさい」
誕生日があと少しで来る頃、母がグライオスに謝罪した。
「何」
「ごめんなさい」
母は謝るばかりで答えはくれなかった。グライオスはどうすればいいか解らず、ただ母を抱き締めた。
そして、グライオスの誕生日が来た。
「グライオス、お誕生日おめでとう。」
「母様、ありがとう。」
「グライオス様、おめでとうございます。」
「皆、ありがとう。」
屋敷の皆に誕生日をお祝いされた午後、グライオスの思わぬ人物がやって来た。
「息災かエレーヌ、5番目も」
「当主様、息災にございます。」
母が頭を下げたので、グライオスも頭を下げた。
誰だ、この人?
「5番目、あー、名前は」
「グライオスにございます。」
「ではグライオス、お前は今日から我が軍の養成所に入って貰う。母と別れを告げよ。」
グライオスは驚いたが声を上げなかった。母が最近謝って居たのはこのためかと納得した為だ。
「グライオス」
「はい、母様」
呼ばれて母を振り返る。
「息災で、後、今日から母上と呼んで頂戴ね。」
「はい、母上。母上も息災で。」
グライオスは当主様と呼ばれた男を見た。自分と同じ色を持つ男は多分自分の父親なのだろうと。しかしグライオスは父親の存在を知らなかったので、母と同様に当主様と呼ぶことにした。
「当主様、お、私はどこに行けば良いのでしょうか?」
「お前は我が辺境伯家自慢の騎士隊の育成施設に入って貰う。15である程度の力が着けば騎士団入団後後継者候補に入る。」
「母様、ここから先は何が有るの?」
「グライオス、そちらに行っては行けないわ。」
グライオスの世界は家とそれを囲う塀のなかで存在していた。塀の外からは色々な声が聞こえて来た。騒がしい声、何かの爆発音、音楽もたまに。母は外の世界のことは大きくなったら分かるとしか言わなかった。
母の表情はなぜか悲しげだったが。
乳母がこっそり教えてくれた、外の世界は危険だからここから出ては行けないと。だからグライオスは忠実に言い付けを守り続けた。なぜか知っていたのだそう言われた時に守らなければひどい目に合うと。
グライオスは屋敷に有る本は全て呼んだ、母が読むはずの無い軍記などもあったが、何が自身の糧になるか解らなかったから。文字は母から習い、書けるようにも読めるようにも5歳の時には成っていた。乳母はグライオスの事を天才等と言っていたが他にすることがない。本を読み始めてからはストレッチもするようになった。体が柔らかい方が良いと書いていたから。
グライオスは屋敷の中に有った知識は全て吸収していった。暇に明かせて母の得意な刺繍さえも出きるように成った。
グライオスが10になる頃母の元気が段々無くなって行った。いつも悲しげにグライオスを見る。何も母は言わなかったが、グライオスは何故か別れが近付いて居るように思えた。
「母様」
「グライオス、ごめんなさい」
誕生日があと少しで来る頃、母がグライオスに謝罪した。
「何」
「ごめんなさい」
母は謝るばかりで答えはくれなかった。グライオスはどうすればいいか解らず、ただ母を抱き締めた。
そして、グライオスの誕生日が来た。
「グライオス、お誕生日おめでとう。」
「母様、ありがとう。」
「グライオス様、おめでとうございます。」
「皆、ありがとう。」
屋敷の皆に誕生日をお祝いされた午後、グライオスの思わぬ人物がやって来た。
「息災かエレーヌ、5番目も」
「当主様、息災にございます。」
母が頭を下げたので、グライオスも頭を下げた。
誰だ、この人?
「5番目、あー、名前は」
「グライオスにございます。」
「ではグライオス、お前は今日から我が軍の養成所に入って貰う。母と別れを告げよ。」
グライオスは驚いたが声を上げなかった。母が最近謝って居たのはこのためかと納得した為だ。
「グライオス」
「はい、母様」
呼ばれて母を振り返る。
「息災で、後、今日から母上と呼んで頂戴ね。」
「はい、母上。母上も息災で。」
グライオスは当主様と呼ばれた男を見た。自分と同じ色を持つ男は多分自分の父親なのだろうと。しかしグライオスは父親の存在を知らなかったので、母と同様に当主様と呼ぶことにした。
「当主様、お、私はどこに行けば良いのでしょうか?」
「お前は我が辺境伯家自慢の騎士隊の育成施設に入って貰う。15である程度の力が着けば騎士団入団後後継者候補に入る。」
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