竜達の番

mokia

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息を継ぐ者

息苦しい日々

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「お前は我が辺境伯家自慢の騎士隊の育成施設に入って貰う。15である程度の力が着けば騎士団入団後後継者候補に入る。」

 そう当主様に言われ、辺境伯騎士団育成施設に入ることになった。当主様と高い塀に囲われた無機質な建物の中に入る。案内された場所に一人の大きな男が居た。

「今日からここに入る5番目だ。名を名乗れ」

「はい。グライオスと申します。」

「ここの訓練は厳しい、当主様の息子なら弱音を吐くことは許されません。」

 当主様に引き合わされたのは施設長で有る元辺境伯騎士団団長だった。

「しっかり励め、ではな5番目。」

「はい。」

 当主様はグライオスを施設長に任せてどこかに行ってしまった。

「それではグライオスどの、あなたが今日から住む部屋を案内しましょう。」

「はい」

 連れて行かれたのはベッドだけの何もない部屋だった。殺風景なそこが今日からグライオスの部屋になるらしい。
 次に紹介されたのは食堂で自分で取りに行き、食器は返却場所へ戻す。その次に書庫、娯楽部屋、シャワールーム、そして訓練場に案内されたグライオスは午後からの訓練に参加することになった。

「今日からここで訓練を受けるグライオスどのだ。」

「よろしくお願いします。」

 取りあえずは基礎体力づくりのために走り込みと筋力トレーニングを言い渡された。グライオスを筋力トレーニングをひたすら走らされ、ヘトヘトに成って食事をし、部屋に入ると意識が無くなった。
 グライオスは何も言わず言われた事をこなし続けた。部屋に戻れは意識が無くなる程のきつい訓練は母の謝罪を思い出したが、それを振り切る為にもグライオスは訓練に耐えた。1月もすると慣れて来たの意識を失わなくなった為、柔軟をするようにした。
 訓練場に居る者とは朝の挨拶以外しなかった。グライオスは訓練を真面目にこなし、半年もすれば体力がついて余裕が出てきた。グライオスは出来た余裕を全て読書に費やした。
 グライオスが11になる頃には頑健な体と豊富な知識を手に入れていた。その代わり誰とも話さずただ黙々と訓練をこなすグライオスは周囲から浮いていた。

 グライオスが育成施設に入ってから1年半の月日が経った。そこに新たな当主候補の者が来たらしい。施設長は言った、彼は本妻の子で有るため、丁寧な扱いをせよと。
 グライオスを見ながら言ったその言葉に本妻の息子はグライオスを見つけて優越感を得た表情をした。

 かの本妻の子息は訓練をまともにこなさず娯楽部屋に入り浸った。時々グライオスに声をかけようとしたが、グライオスは面倒が起きると悟って気付かれ無いように避けていた。
 しかし、ご子息はそれに気付いたようだグライオスに避ける隙を作らなくなった。
 それからグライオスの地獄が始まった。

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