竜達の番

mokia

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息を継ぐ者

窒息寸前

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 本妻の子息で当主の六番目は施設に入ると執拗にグライオスを狙うようになった。始めは友好的に接しようとして話掛けようとしていたが、グライオスがつれない態度のために六番目はグライオスを攻撃し始めた。
 最初は少しぶつかる程度、避けて相手が転ぶ事も有った。次に訓練場で攻撃を仕掛けられた。特に問題無く避けて置いた。

「おい、五番目、底辺妻の子の癖に生意気なんだよ。」

「そんな事は知らない。当主様に言われたからここに居るだけだ。」

「はっ、父上とも呼ばせて貰えないやつの癖に」

 自分で勝手に当主と呼んでいるだけだ。

 グライオスは何も言わず、黙り込んだ。

「これだから、育ちの悪い者は困る。私のように貴族に産まれた者の為に働いてこそ誉れな事なのだぞ。」

 その理屈ならグライオスが六番目に何かをする必要はない。それにこの家の当主は実力で勝ち取るもののはず。

「貴様は私をバカにしているのか!?」

 顔に感情が出たのか、何も言わないグライオスに急に怒り出した。

 その日から六番目は訓練にまで口を出すようになった。
 追加されるメニューはグライオスを苦しめた。

「おい、五番目、今日のメニューはこなせなかったようだな、お仕置きだ。」

 訓練が厳しく動けないグライオスを他の者に運ばせ、狭い倉庫に閉じ込めた。

「やっ、やめろ、嫌だ!出せ!ここから出せ!」

 グライオスは自身が狭い場所が苦手だと知らなかった。身動き出来ない場所に何かを思い出しそうになる。

「嫌だ、誰か助けて」

 グライオスは意識を失った。何も言わなくなったグライオスに六番目は他の者に様子を見るように言った。グライオスが気絶している事に気付くと、つまらなそうに外に出してその場に放置した。
 グライオスの涙に濡れた顔に嗜虐心を現した六番目は、グライオスがこなせないメニューを施設長経由しで教師に渡し、グライオスを度々そこに閉じ込めた。
 グライオスはメニューを増やされ、閉じ込められる日々の中で六番目やそれを手助けする者達に恨みを募らせた。
 増やされたメニューのせいかグライオスは施設で一番強くなった。メニューを簡単にこなすようになったグライオスに六番目は手出ししなくなった。
 そして今日、15になるグライオスは卒業試験として施設長と決闘する。

「強く成られましたな。」

「あなた方のお陰でね。」

 含みを込めたグライオスの言葉に施設長はピクリと眉をあげる。決闘はあっさりグライオスが勝った。

 施設を出たグライオスは本邸に入り祝宴のの準備をさせられた。母の身分が低い為母は出席しないそうだ。

「五番目、いや、グライオスおめでとう」

「ありがとうございます、当主様。」

「私のことは父上と呼びなさい。何かお祝いに好きな物をやろう。」

 あれとの血の繋がりを感じる者など、父と呼びたくない。

「では私と決闘を」

「ほう、なら私に少しでも攻撃を当てたら願いを何でも聞いてやろう。」


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