33 / 37
第三章 偽聖女の初陣
目覚め
しおりを挟む
エレノアが目を覚ましたのは、寝泊まりに借りていた村長宅の部屋だった。
ゆっくりとベッドから上体を起こし記憶を辿ると、爆心地でグレイに会い、そう経たない内に意識が途絶えた事を思い出した。
身に付けていたのは、泥だらけになった術師服ではなく、寝間着に借りていた白無地のゆったりとしたワンピース。顔にかかった長い黒髪を撫でると泥汚れは綺麗に落とされているのが分かる。
ベッドのすぐ近くでは小さな丸椅子に座り、うつらうつらとしているリリアの姿。衣服の着替えや身体中の泥汚れを落としてくれたのは彼女かもしれない。
「ああ……エレノアさん、良かった」
エレノアの覚醒に気付いたリリアの瞳には涙が溜まっていた。そして、そのままエレノアの胸に縋りつくようにした。
「リリア。貴女が私の身なりのお世話をしてくれたの?」
「はい。身体の汚れはグレイさんが水魔法で」
「そう……ありがとう。本当にごめんなさい。私が悪かったわ」
エレノアはリリアの頭をあやすように撫でながら優しい声で囁いた。慌てて飛び出した結果、彼女に心配をかけてしまい、そしてまたもや世話を焼いてもらってしまったようだ。本当に感謝してもしきれない。
「あっ、喉が渇いていますよね。……お水、飲んでください」
リリアは傍らの机に置いてあった水差しから水を注ぐと、両手でコップを差し出した。
エレノアはコップに注がれた水をゆっくりと飲むと、寝起きのぼやけた頭が少しずつ覚醒していくのがわかった。口の端から僅かに溢れた雫を、リリアが丁寧に口拭きで拭った。
「お腹は空いていませんか?」
「大丈夫……今、何時かしら」
「今は夜明け前です。窓開けますね。朝食は胃に優しいものにしますから」
リリアが席を立ち、窓を半分開けると空が白んでいた。作戦決行が昼過ぎと考えると、かなり長い時間寝ていた事になる。
魔法力が枯渇寸前だった事を考えると無理もないかもしれない。
「エレノアさん」
ノックの音と共に優しげな声が聞こえた。三秒ほどのちに扉が開く。
姿を現したのは私服姿のグレイだった。どうやら部屋の前の廊下で待機していて、声の様子からエレノアが目覚めた事を察したらしい。
「あっ……私、失礼しますね。二人でゆっくりお話してください!」
二人に気を使ってか、リリアは慌てた様子で外に出てしまった。それはそれで気まずい思いがあったが、強く引き留める理由も思い付かず、そのまま見送った。
リリアが退出し、空いた椅子に座ったグレイがエレノアを見つめた。エレノアも自ら話題を切り出す事はなく、じっとグレイの言葉を待っていた。
「エレノアさん。作戦が上手くいったのは貴女のお陰だ。ありがとう。……そして僕の行動で危険な目に遭わせてしまった。本当に済まない」
グレイの第一声は、お礼と謝罪だった。
単独行動によりエレノアを巻き込む形になって申し訳ないと思っているのだろう。だが、エレノアとしても、すんなりと謝罪を受け入れられない理由があった。
民兵団を勝利に導いた戦術は、強引なものだったが成功に終わったので素直に称賛を受け取れた。だが、エレノアが慌ててグレイの元に向かった事は、結果論ではあるが蛇足だったのである。
「いいえ。貴方は自力で生き延びていた。私が駆けつけた意味はなかったみたいね。……グレイを信じて村で待っていれば、スマートな形で万事解決だったって事みたいだし」
「意味はあったよ」
グレイは、エレノアの言葉を否定するように強い一言を告げたが、どんな意味があったかは口にしなかった。
救出に向かったエレノアは、ミイラ取りがミイラになる形で小鬼の集団にあわやという処を、間一髪のタイミングで駆け付けたグレイによって救出された。
その後は、念願かどうかは分からないお姫様だっこされる形でグレイに運んで貰った事を、朦朧とした意識の中でうっすらと覚えている。
生まれて始めて抱えられる側になったという事になるが、全身雨水で重さが増した上に泥化粧で、色気もロマンスの欠片もない、あんまりな状態だったのは想像に難くない。さらに、すぐさま意識を失ってしまい、それなりに距離のある村まで運ばせて、グレイにかなりしんどい思いをさせた筈である。ただ彼は移動をサポートする風魔法を使えるはずなので、その辺りは何とか出来たかもしれない。
「助けてくれてありがとう。村まで運んでくれた事も。泥まみれな上に無駄に重くて大変だったでしょう。私はお姫様なんて柄じゃないのよ」
「……本当に取り返しが付かない処だった。君に対し、どのような償いもするつもりだ」
感謝を伝えてもグレイは謝る一方で、落ち着いた碧眼の瞳が微かに揺れ動いているようにも見えた。ちくちくと胸が痛む。エレノアは彼の気落ちした表情を、これ以上見ていたいとは思わなかった。
「キリがないから、お互い様という事にしましょう。私も急に飛び出したせいで皆に迷惑をかけてしまったわ。……状況から察するに小鬼王が自爆したみたいね。貴方は火魔法を使えないと言っていたから」
「ああ。だけど小鬼王の意思ではない」
「そうなの。……よく生きてたわね。水魔法か風魔法で爆発から難を逃れられた感じかしら」
「風魔法の加速化で緊急退避してから、飛んできた爆風の前面に水魔法の水障壁を張って何とかね」
「……両方の魔法を使えたとしても、咄嗟に判断して行動に移すのは簡単ではないと思うけど。凄い才能だわ」
「紙一重だよ。……それに生き残れはしたが、しくじったと言っていい。僕の詰めが甘かったせいだ。すぐ戻れなかったのは、山火事にならないよう水魔法で消火活動をしていた。……急に降って来た強い雨に救われたよ」
「……殊勝な事だわ。火事は怖いものね」
生き延びたにも関わらずグレイは随分と落胆した様子だった。結果として小鬼王を仕留める事には成功したが、仕留める事が目的ではなかったのだろう。彼曰く、小鬼王は自らの意思ではない自爆を強いられている。エレノアも、そこから何かを察する事が出来た。
「……貴方の剣と外套が落ちていたから驚いたわ。もう駄目なのかと思ったの」
「外套は炎が燃え移って破棄するしかなかった。魔法を使う為に手放したロングソードは高熱を帯びていて、すぐに回収出来る状態ではなかった」
「……なるほど。理詰めで考えれば推測できなくはなかったわね」
エレノアは一拍置き、さらに続ける。
「今、どうして小鬼王がああなったのかは何となく想像が付いたわ。……きっと人間の協力者が居たのね。そして、情報を漏洩したら発火するような火魔法の呪縛が施されてた。主犯は……憶測になるからこれ以上は言わないけど」
エレノアの呟きに対し、グレイがゆっくりと頷いた。
「流石エレノアさん。……先の事はどう転ぶか分からないが、真相が明るみになれば、長年続いた三国協定に亀裂が入るかもしれない。君の出身地である聖王国はこの件に一切関係ないが、心の内に留めて置いて欲しい」
聖王国はこの件に関係ないと言いつつ、三国協定に亀裂が入るというグレイの物言いは、消去法で暗に砂王国が主犯である事を匂わせていた。
エレノアは顎に手を当てて思考を廻らせる。
(小鬼は熱砂に適応できないから砂王国には攻め入れない。砂王国も三国協定でノーラス山岳地帯には表立って干渉できない。……そう仮定すると、御互い協力関係を築ける関係ではあるわね)
そんな構想がエレノアの頭に浮かんだが、グレイが直接的な物言いを避けたという事は、今は掘り下げて欲しい話題では無いのだろう。
エレノアは別の話題を用意していた。グレイと出会いを果たしてからずっと気になっていた事である。
「グレイ、どんな償いでもすると言ったわね」
「ああ」
「じゃあ貴方の正体を教えて。気になるの」
「エレノアさん……それは」
「私の正体は薄々気付いているのでしょう? ……ただとは言わない。知った事に対し責任を負うわ」
エレノアはグレイに強い眼差しを向けた。暫しの沈黙。
やがて、グレイが久しぶりに微笑みを見せた。
「……わかった。まず、本名から。グレイシャルというのが僕の本当の名だ」
「グレイシャル? それじゃあグレイって偽名じゃなくて、殆どあだ名じゃないの」
「そうだね。以前エレノアさんが、良い術師は初めの名前を大切にすると言っていただろう。……半分残したのは僕も半分は術師だからかな。いや、こじつけか」
グレイが冗談っぽく笑った。そして続けて出てきた言葉は、エレノアを驚かすものだった。
「剣王国、現剣王ファルクⅦ世。僕の実父に当たる人だ」
ゆっくりとベッドから上体を起こし記憶を辿ると、爆心地でグレイに会い、そう経たない内に意識が途絶えた事を思い出した。
身に付けていたのは、泥だらけになった術師服ではなく、寝間着に借りていた白無地のゆったりとしたワンピース。顔にかかった長い黒髪を撫でると泥汚れは綺麗に落とされているのが分かる。
ベッドのすぐ近くでは小さな丸椅子に座り、うつらうつらとしているリリアの姿。衣服の着替えや身体中の泥汚れを落としてくれたのは彼女かもしれない。
「ああ……エレノアさん、良かった」
エレノアの覚醒に気付いたリリアの瞳には涙が溜まっていた。そして、そのままエレノアの胸に縋りつくようにした。
「リリア。貴女が私の身なりのお世話をしてくれたの?」
「はい。身体の汚れはグレイさんが水魔法で」
「そう……ありがとう。本当にごめんなさい。私が悪かったわ」
エレノアはリリアの頭をあやすように撫でながら優しい声で囁いた。慌てて飛び出した結果、彼女に心配をかけてしまい、そしてまたもや世話を焼いてもらってしまったようだ。本当に感謝してもしきれない。
「あっ、喉が渇いていますよね。……お水、飲んでください」
リリアは傍らの机に置いてあった水差しから水を注ぐと、両手でコップを差し出した。
エレノアはコップに注がれた水をゆっくりと飲むと、寝起きのぼやけた頭が少しずつ覚醒していくのがわかった。口の端から僅かに溢れた雫を、リリアが丁寧に口拭きで拭った。
「お腹は空いていませんか?」
「大丈夫……今、何時かしら」
「今は夜明け前です。窓開けますね。朝食は胃に優しいものにしますから」
リリアが席を立ち、窓を半分開けると空が白んでいた。作戦決行が昼過ぎと考えると、かなり長い時間寝ていた事になる。
魔法力が枯渇寸前だった事を考えると無理もないかもしれない。
「エレノアさん」
ノックの音と共に優しげな声が聞こえた。三秒ほどのちに扉が開く。
姿を現したのは私服姿のグレイだった。どうやら部屋の前の廊下で待機していて、声の様子からエレノアが目覚めた事を察したらしい。
「あっ……私、失礼しますね。二人でゆっくりお話してください!」
二人に気を使ってか、リリアは慌てた様子で外に出てしまった。それはそれで気まずい思いがあったが、強く引き留める理由も思い付かず、そのまま見送った。
リリアが退出し、空いた椅子に座ったグレイがエレノアを見つめた。エレノアも自ら話題を切り出す事はなく、じっとグレイの言葉を待っていた。
「エレノアさん。作戦が上手くいったのは貴女のお陰だ。ありがとう。……そして僕の行動で危険な目に遭わせてしまった。本当に済まない」
グレイの第一声は、お礼と謝罪だった。
単独行動によりエレノアを巻き込む形になって申し訳ないと思っているのだろう。だが、エレノアとしても、すんなりと謝罪を受け入れられない理由があった。
民兵団を勝利に導いた戦術は、強引なものだったが成功に終わったので素直に称賛を受け取れた。だが、エレノアが慌ててグレイの元に向かった事は、結果論ではあるが蛇足だったのである。
「いいえ。貴方は自力で生き延びていた。私が駆けつけた意味はなかったみたいね。……グレイを信じて村で待っていれば、スマートな形で万事解決だったって事みたいだし」
「意味はあったよ」
グレイは、エレノアの言葉を否定するように強い一言を告げたが、どんな意味があったかは口にしなかった。
救出に向かったエレノアは、ミイラ取りがミイラになる形で小鬼の集団にあわやという処を、間一髪のタイミングで駆け付けたグレイによって救出された。
その後は、念願かどうかは分からないお姫様だっこされる形でグレイに運んで貰った事を、朦朧とした意識の中でうっすらと覚えている。
生まれて始めて抱えられる側になったという事になるが、全身雨水で重さが増した上に泥化粧で、色気もロマンスの欠片もない、あんまりな状態だったのは想像に難くない。さらに、すぐさま意識を失ってしまい、それなりに距離のある村まで運ばせて、グレイにかなりしんどい思いをさせた筈である。ただ彼は移動をサポートする風魔法を使えるはずなので、その辺りは何とか出来たかもしれない。
「助けてくれてありがとう。村まで運んでくれた事も。泥まみれな上に無駄に重くて大変だったでしょう。私はお姫様なんて柄じゃないのよ」
「……本当に取り返しが付かない処だった。君に対し、どのような償いもするつもりだ」
感謝を伝えてもグレイは謝る一方で、落ち着いた碧眼の瞳が微かに揺れ動いているようにも見えた。ちくちくと胸が痛む。エレノアは彼の気落ちした表情を、これ以上見ていたいとは思わなかった。
「キリがないから、お互い様という事にしましょう。私も急に飛び出したせいで皆に迷惑をかけてしまったわ。……状況から察するに小鬼王が自爆したみたいね。貴方は火魔法を使えないと言っていたから」
「ああ。だけど小鬼王の意思ではない」
「そうなの。……よく生きてたわね。水魔法か風魔法で爆発から難を逃れられた感じかしら」
「風魔法の加速化で緊急退避してから、飛んできた爆風の前面に水魔法の水障壁を張って何とかね」
「……両方の魔法を使えたとしても、咄嗟に判断して行動に移すのは簡単ではないと思うけど。凄い才能だわ」
「紙一重だよ。……それに生き残れはしたが、しくじったと言っていい。僕の詰めが甘かったせいだ。すぐ戻れなかったのは、山火事にならないよう水魔法で消火活動をしていた。……急に降って来た強い雨に救われたよ」
「……殊勝な事だわ。火事は怖いものね」
生き延びたにも関わらずグレイは随分と落胆した様子だった。結果として小鬼王を仕留める事には成功したが、仕留める事が目的ではなかったのだろう。彼曰く、小鬼王は自らの意思ではない自爆を強いられている。エレノアも、そこから何かを察する事が出来た。
「……貴方の剣と外套が落ちていたから驚いたわ。もう駄目なのかと思ったの」
「外套は炎が燃え移って破棄するしかなかった。魔法を使う為に手放したロングソードは高熱を帯びていて、すぐに回収出来る状態ではなかった」
「……なるほど。理詰めで考えれば推測できなくはなかったわね」
エレノアは一拍置き、さらに続ける。
「今、どうして小鬼王がああなったのかは何となく想像が付いたわ。……きっと人間の協力者が居たのね。そして、情報を漏洩したら発火するような火魔法の呪縛が施されてた。主犯は……憶測になるからこれ以上は言わないけど」
エレノアの呟きに対し、グレイがゆっくりと頷いた。
「流石エレノアさん。……先の事はどう転ぶか分からないが、真相が明るみになれば、長年続いた三国協定に亀裂が入るかもしれない。君の出身地である聖王国はこの件に一切関係ないが、心の内に留めて置いて欲しい」
聖王国はこの件に関係ないと言いつつ、三国協定に亀裂が入るというグレイの物言いは、消去法で暗に砂王国が主犯である事を匂わせていた。
エレノアは顎に手を当てて思考を廻らせる。
(小鬼は熱砂に適応できないから砂王国には攻め入れない。砂王国も三国協定でノーラス山岳地帯には表立って干渉できない。……そう仮定すると、御互い協力関係を築ける関係ではあるわね)
そんな構想がエレノアの頭に浮かんだが、グレイが直接的な物言いを避けたという事は、今は掘り下げて欲しい話題では無いのだろう。
エレノアは別の話題を用意していた。グレイと出会いを果たしてからずっと気になっていた事である。
「グレイ、どんな償いでもすると言ったわね」
「ああ」
「じゃあ貴方の正体を教えて。気になるの」
「エレノアさん……それは」
「私の正体は薄々気付いているのでしょう? ……ただとは言わない。知った事に対し責任を負うわ」
エレノアはグレイに強い眼差しを向けた。暫しの沈黙。
やがて、グレイが久しぶりに微笑みを見せた。
「……わかった。まず、本名から。グレイシャルというのが僕の本当の名だ」
「グレイシャル? それじゃあグレイって偽名じゃなくて、殆どあだ名じゃないの」
「そうだね。以前エレノアさんが、良い術師は初めの名前を大切にすると言っていただろう。……半分残したのは僕も半分は術師だからかな。いや、こじつけか」
グレイが冗談っぽく笑った。そして続けて出てきた言葉は、エレノアを驚かすものだった。
「剣王国、現剣王ファルクⅦ世。僕の実父に当たる人だ」
0
あなたにおすすめの小説
追放された聖女は旅をする
織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。
その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。
国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします
紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド
どこにでも居る普通の令嬢レージュ。
冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。
風魔法を使えば、山が吹っ飛び。
水魔法を使えば大洪水。
レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。
聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。
一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。
「その命。要らないなら俺にくれないか?」
彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。
もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!
ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。
レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。
一方、レージュを追放した帝国は……。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
「人の心がない」と追放された公爵令嬢は、感情を情報として分析する元魔王でした。辺境で静かに暮らしたいだけなのに、氷の聖女と崇められています
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は人の心を持たない失敗作の聖女だ」――公爵令嬢リディアは、人の感情を《情報データ》としてしか認識できない特異な体質ゆえに、偽りの聖女の讒言によって北の果てへと追放された。
しかし、彼女の正体は、かつて世界を支配した《感情を喰らう魔族の女王》。
永い眠りの果てに転生した彼女にとって、人間の複雑な感情は最高の研究サンプルでしかない。
追放先の貧しい辺境で、リディアは静かな観察の日々を始める。
「領地の問題点は、各パラメータの最適化不足に起因するエラーです」
その類稀なる分析能力で、原因不明の奇病から経済問題まで次々と最適解を導き出すリディアは、いつしか領民から「氷の聖女様」と畏敬の念を込めて呼ばれるようになっていた。
実直な辺境伯カイウス、そして彼女の正体を見抜く神狼フェンリルとの出会いは、感情を知らない彼女の内に、解析不能な温かい《ノイズ》を生み出していく。
一方、リディアを追放した王都は「虚無の呪い」に沈み、崩壊の危機に瀕していた。
これは、感情なき元魔王女が、人間社会をクールに観測し、やがて自らの存在意義を見出していく、静かで少しだけ温かい異世界ファンタジー。
彼女が最後に選択する《最適解》とは――。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く
腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」
――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。
癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。
居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。
しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。
小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる