二度目の転生は最弱木偶人形!?魔物の世界でも溺愛過保護生活で生き残ります!

堂島うり子

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三巡目の世界:取説

01:覚醒しました。

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「どうしてこんなことになってるんだ!?もう二度目は無いって言ったのに!」
「……」
「今度こそ失敗するかも。そうなったらもう二度と」
「早く手を貸せ。僕らに考えている暇は無いんだ」
「僕らってお前。ほんと、頭おかしいよ……狂ってる」
「頼むよ兄弟」





 普段は居眠りなんてしないのにいつの間にか意識が遠のいていたようで
電源スイッチが入ったようにぱちっと目がさめた。
 何が起こったのかと考えようとしてもどうにも頭がすっきりしない。

 まずは体を動かしてみて起き上がれそうか確認をしたい。

 と、脳は司令を出しているのに肝心の体が何時まで経っても動いてくれない。
 体が押さえつけられているような金縛りにあっているようなそんな感覚。

「……」


 私は 誰 だった? 名前は なんだった? こんな所に居た?

 違う ここは 知らない 場所


 確認しようとしても頭さえも動かない。視線だけ向けると見たことのない謎の洋室。
それもどうやらベッドに寝かされているらしい。だんだんと布団を触った感覚や部屋の匂いが
感じられるようになってきたら徐々に指先が動くようになる。

「目がさめてたんだね。ごめんね側に居なくて」
「……」
「私はサターヌ。森の魔女……ということにしておいて」
「……」

 部屋に入ってきたのは全身を隠すような黒いローブを着た白髪の女性。
見えている顔は絵本で見るようなシワシワのお婆さんではなく青い目で色白の
 西洋的な彫りの深い顔立ちの綺麗な女性。

 格好だけはまさに想像する魔女にそっくりだけど。

「自分の名前が言える?」
「……アー……アーーー」
「いいよ。ゆっくり喋って」

 脳は言葉を発するように指示をするのに唇の動きが追いつかない。
舌も当然うまく動かない。変な発音を続ける時間だけが過ぎていくが
 女性はしっかりと聞き取ろうと耳を傾けてくれていた。


 私は 私 は


「こ……ん……ご……りん…ご……」
「りんご。りんごか。可愛い名前」
「レン……」
「名前が2つあるの?」
「…店……名……レン」
「店は置いといて。じゃありんごは何か欲しいものはある?」

 お店、と聞いて一瞬表情がキツくなったかと思えばすぐに戻り優しい笑みを浮かべる
サターヌという魔女。
 言葉の復活とともに薄っすらと自分自身の記憶を思い出していた。

 ここはおじさんが言っていた今日から仕事をする店なのだろうか。
 だとしたら彼女は先輩?


「…あ…の、か…体…」
「分かってる。少しずつ動くようになるから。喉乾いてない?」
「すこ…し」
「何か持ってくるね」

 優しく微笑んで部屋を出ていく。先輩にしろ経営者にしろこんな待遇が良いものなのか。
それとも最初だから優しくしてくれるのか?
 まともに働いた経験のないりんごには分からないけれど。

 話をしている間も体を動かしていたら彼女の言った通り起き上がれるようになった。

 口の動きも滑らかに。

 指先も。

「……あれ。私の体」

 まるで関節人形のような指。慌てて体を確認すると各パーツを拾ってきて
縫い合わせたようなツギハギのある腕。足。胴体。

 確か自分はこんな肉付きの良い体ではなかった。他の同級生たちに比べて極端に
やせ細って不気味がられるくらいだったのに。

 顔は?顔はどうなってる?

 キョロキョロとあたりを見渡しても部屋にはベッドと机しかないシンプルさ。

「混乱するよね」
「あ」

 事態の異様さに気づき始めた所でサターヌが戻ってきてカップにお茶?を淹れて
目の前に置いてくれた。
 色が黄緑でこういう飲み物もあるのかもしれない、と口にする。

 魔女と言われたがニコッと笑う顔はとても悪い人には見えない。

「もう少ししたら兄弟がくる。話はその時にしようね」

 椅子を持ってきてりんごの隣に座るとちょっと面倒そうに言う。
 鏡をと言おうとしたけど何となくそういう空気ではなくて止めた。
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