8 / 26
いざ、学校へ。
しおりを挟む
「…………ふぅ」
「ふふっ、そんな緊張しなくていいじゃん、ハイノ。別に、初めてってわけじゃないんでしょ?」
「……まあ、それはそうだけど……でも、今から行くところは初めてだし……」
それから、数日経て。
そう、少しからかうように言うエルナ。ぼくらが今いるのは、赤褐色の大きな建物――今日からエルナと共に通うこととなる、ギムナジウムという学校の前で。
ところで、ギムナジウムとは主に大学への進学を目指す人が通うヨーロッパの学校で、その期間は基本的に10歳から18歳まで。とあるアジアの国でたとえると、いわゆる中高一貫校に近いらしくて……うん、なんでとあるアジアの国で例えたんだろうね。
「――ぼ、ぼくはハイノといいます。よ、よろしくお願いします……」
それから、数十分後。
教室の壇上で、おどおどと自己紹介をするぼく。だけど、そんなぼくに先生も、そして生徒のみんなも暖かく拍手をしてくれて……うん、良かった。ありがとう、みんな。
その後、先生の優しい指示を受け窓際の方へと歩いていく。そして、一つだけ空いている前から四番目の席へと腰を掛け――
「ふふっ、お疲れさまハイノ。すっごく緊張してたね」
「……うん、ありがとエルナ」
すると、すぐ前の席から少しおかしそうに――それでも、柔らかな笑顔でそう口にする可憐な少女。……もしかして、先生はぼくに気を遣ってこの席を……いや、流石に偶然かな? もともとここに生徒がいたなら、無理に移動してもらうわけにもいかないし。
「――今日はどうだった、ハイノ?」
「うん、すっごく緊張はしたけど……でも、すっごく楽しかった。みんな、すっごく優しかったし」
「ふふっ、良かったねハイノ」
それから、しばらくした放課後のこと。
帰り道、軽やかな足取りで隣を歩くエルナがそう問い掛ける。……うん、ほんとに楽しかった。上手くしゃべれないぼくに、みんな気さくに話しかけてくれて……うん、ありがとうみんな。そして――
「……ありがとう、エルナ。今日、少しでもぼくがみんなとお話できたのは、エルナのお陰だから」
「……別に、わたしはなにもしてないけどね。でも、どういたしまして、ハイノ」
そう伝えると、柔らかく微笑み答えるエルナ。もちろん、みんなにも感謝している。それでも、最も感謝をすべきはやっぱりエルナしかいなくて。と言うのも、ぼくがみんなと話せるようにエルナが色々と気を遣ってくれていて……うん、ありがとうエルナ。
「……でも、授業はほとんど分からなかったな。先生にも気を遣わせちゃったし、申し訳ないなぁって」
「ううん、それはしょうがないよ。だって、ずっと学校に行ってなかったんでしょ? そんなの、ハイノが悪いんじゃないし」
「……エルナ」
その後、帰路を進みつつそう口にする。すると、優しく微笑み答えてくれるエルナ。……うん、ありがとうエルナ。
でも、授業はほんとに分からなくて。エルナの言うように、ずっと学校に行ってなかったのでそもそもぼくらくらいの歳の水準を知らないんだけど……うん、あんなに難しいんだね。……よし、頑張ろう。
……ただ、それはそれとして――
「……あのさ、エルナ。その、なんか……ううん、なんでもない」
「ふふっ、なにそれ」
自分で言って引っ込めたぼくに、おかしそうに微笑むエルナ。……まあ、そうなるよね。……ただ、それはそうと……やっぱり気のせい、かな?
「ふふっ、そんな緊張しなくていいじゃん、ハイノ。別に、初めてってわけじゃないんでしょ?」
「……まあ、それはそうだけど……でも、今から行くところは初めてだし……」
それから、数日経て。
そう、少しからかうように言うエルナ。ぼくらが今いるのは、赤褐色の大きな建物――今日からエルナと共に通うこととなる、ギムナジウムという学校の前で。
ところで、ギムナジウムとは主に大学への進学を目指す人が通うヨーロッパの学校で、その期間は基本的に10歳から18歳まで。とあるアジアの国でたとえると、いわゆる中高一貫校に近いらしくて……うん、なんでとあるアジアの国で例えたんだろうね。
「――ぼ、ぼくはハイノといいます。よ、よろしくお願いします……」
それから、数十分後。
教室の壇上で、おどおどと自己紹介をするぼく。だけど、そんなぼくに先生も、そして生徒のみんなも暖かく拍手をしてくれて……うん、良かった。ありがとう、みんな。
その後、先生の優しい指示を受け窓際の方へと歩いていく。そして、一つだけ空いている前から四番目の席へと腰を掛け――
「ふふっ、お疲れさまハイノ。すっごく緊張してたね」
「……うん、ありがとエルナ」
すると、すぐ前の席から少しおかしそうに――それでも、柔らかな笑顔でそう口にする可憐な少女。……もしかして、先生はぼくに気を遣ってこの席を……いや、流石に偶然かな? もともとここに生徒がいたなら、無理に移動してもらうわけにもいかないし。
「――今日はどうだった、ハイノ?」
「うん、すっごく緊張はしたけど……でも、すっごく楽しかった。みんな、すっごく優しかったし」
「ふふっ、良かったねハイノ」
それから、しばらくした放課後のこと。
帰り道、軽やかな足取りで隣を歩くエルナがそう問い掛ける。……うん、ほんとに楽しかった。上手くしゃべれないぼくに、みんな気さくに話しかけてくれて……うん、ありがとうみんな。そして――
「……ありがとう、エルナ。今日、少しでもぼくがみんなとお話できたのは、エルナのお陰だから」
「……別に、わたしはなにもしてないけどね。でも、どういたしまして、ハイノ」
そう伝えると、柔らかく微笑み答えるエルナ。もちろん、みんなにも感謝している。それでも、最も感謝をすべきはやっぱりエルナしかいなくて。と言うのも、ぼくがみんなと話せるようにエルナが色々と気を遣ってくれていて……うん、ありがとうエルナ。
「……でも、授業はほとんど分からなかったな。先生にも気を遣わせちゃったし、申し訳ないなぁって」
「ううん、それはしょうがないよ。だって、ずっと学校に行ってなかったんでしょ? そんなの、ハイノが悪いんじゃないし」
「……エルナ」
その後、帰路を進みつつそう口にする。すると、優しく微笑み答えてくれるエルナ。……うん、ありがとうエルナ。
でも、授業はほんとに分からなくて。エルナの言うように、ずっと学校に行ってなかったのでそもそもぼくらくらいの歳の水準を知らないんだけど……うん、あんなに難しいんだね。……よし、頑張ろう。
……ただ、それはそれとして――
「……あのさ、エルナ。その、なんか……ううん、なんでもない」
「ふふっ、なにそれ」
自分で言って引っ込めたぼくに、おかしそうに微笑むエルナ。……まあ、そうなるよね。……ただ、それはそうと……やっぱり気のせい、かな?
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる