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ご無沙汰?
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ともあれ、何とも楽しいリアクションをしてくれる青年と共に浜辺を歩いていく。えっと、たぶんまだ須磨にいるはずだけど――
「…………ん?」
「……ん、どうかなさいましたか紫の君さま」
「……あ、ううん」
ふと声を洩らす私に、少し首を傾げ尋ねる惟光。そして、そんな彼に軽く首を横に振り……いや、うん、まさかね。まさか、流石にこんな遠くにまで――
「――お~久しぶりじゃの~パープル~」
「そのまさかだったよ!!」
相も変わらずふらふらやって来る酔っ払いもどきへ声を上げる私。いや何処にでも来るんかい!! あと、誰がパープルだよ。
「……あの、如何なさいましたか君さま。突然、奇声などお発しになって」
「へっ? あっ、いや何でもな……あれ、いま奇声とか言った?」
唐突にも程がある私の叫びに、呆然とした表情で控えめに尋ねる惟光。……いや、奇声とか言わないで? 急に叫んじゃったのは申し訳ないけど。
……ただ、それはともあれ――
(……ねえ、神様。おおかた分かってはいたけど、やっぱり……)
そう、声を潜め話し掛ける。……いや、もはや何の意味もないんだけどね。分かってはいるけど……まあ、それでも気持ち的に。
ともあれ……声が届いたのか何となく察したのか、納得したような笑みを浮かべる神様。そして――
「――ああ、もちろんわしの姿はお主以外には見えておらんし、当然のこと声も聞こえとらん。つまり、惟光にはお主が急に虚空へ叫んだように見えてるだけじゃから安心して良――」
「すっごい嫌なんだけど!!」
……まあ、それはともあれ――
「……でも、大丈夫なの? こう、懲りもせず私に会いに来て」
そう、前回を思い出しつつ尋ねる。隣から何とも言えない視線をひしひしと感じるけど……うん、もう今更だしね。
「ああ、もちろんじゃ! なにせ、今日は地元の仲間と天女会に行っておっての。じゃから、帰るのはきっと夜になるのじゃ!」
「……うん、まあ良いなら良いけど」
すると、私の問いに喜色満面で答える神様。……いや、まあ私は別に良いんだけど。あと、天女会って何するんだろ。ちょっと参加してみた……いや、そうでもないか。
……ところで、それはそうと――
「……ねえ、神様。それで、もう一つ聞きたいんだけど……その、あれからどうなったの?」
そう、恐る恐る尋ねてみる。お仕置き――そう、天女様は言っていたけど……果たして、どんな恐ろし――
「……ああ、あの後じゃが……今までにわしが告げた愛の言葉を三日三晩、一字一句洩らさず国全土へと流され続け――」
「思った以上にえげつねぇ!!」
いや思ったよりえげつねぇ!! 国全土ってつまりは全国民にだよね!? 私だったら軽く……いや、だいぶトラウマに――
……ところで、神様もだけど……いや、国民もだいぶ地獄じゃん、それ。
……まあ、それはそれとして――
「……あのさ、神様。すっごい悶えてるとこ悪いんだけど、私ちょっと用事が――」
「え~つれないのうほのみん。わしゃさみしいじょ~」
「子どもかよ」
そう、駄々をこねる神様にすかさずツッコむ。いや、構ってあげたい気もなくはないが……ただ、今はともかく先を――
「…………ん?」
ふと、声が洩れる。見ると、直前とは打って変わって真っ青の神様。……うん、今回は私にも分かったよ。この、何とも禍々しい雰囲気は――
「――ご機嫌よう、沢山さん。本日も、主人が甚くお世話になっております」
「…………ん?」
「……ん、どうかなさいましたか紫の君さま」
「……あ、ううん」
ふと声を洩らす私に、少し首を傾げ尋ねる惟光。そして、そんな彼に軽く首を横に振り……いや、うん、まさかね。まさか、流石にこんな遠くにまで――
「――お~久しぶりじゃの~パープル~」
「そのまさかだったよ!!」
相も変わらずふらふらやって来る酔っ払いもどきへ声を上げる私。いや何処にでも来るんかい!! あと、誰がパープルだよ。
「……あの、如何なさいましたか君さま。突然、奇声などお発しになって」
「へっ? あっ、いや何でもな……あれ、いま奇声とか言った?」
唐突にも程がある私の叫びに、呆然とした表情で控えめに尋ねる惟光。……いや、奇声とか言わないで? 急に叫んじゃったのは申し訳ないけど。
……ただ、それはともあれ――
(……ねえ、神様。おおかた分かってはいたけど、やっぱり……)
そう、声を潜め話し掛ける。……いや、もはや何の意味もないんだけどね。分かってはいるけど……まあ、それでも気持ち的に。
ともあれ……声が届いたのか何となく察したのか、納得したような笑みを浮かべる神様。そして――
「――ああ、もちろんわしの姿はお主以外には見えておらんし、当然のこと声も聞こえとらん。つまり、惟光にはお主が急に虚空へ叫んだように見えてるだけじゃから安心して良――」
「すっごい嫌なんだけど!!」
……まあ、それはともあれ――
「……でも、大丈夫なの? こう、懲りもせず私に会いに来て」
そう、前回を思い出しつつ尋ねる。隣から何とも言えない視線をひしひしと感じるけど……うん、もう今更だしね。
「ああ、もちろんじゃ! なにせ、今日は地元の仲間と天女会に行っておっての。じゃから、帰るのはきっと夜になるのじゃ!」
「……うん、まあ良いなら良いけど」
すると、私の問いに喜色満面で答える神様。……いや、まあ私は別に良いんだけど。あと、天女会って何するんだろ。ちょっと参加してみた……いや、そうでもないか。
……ところで、それはそうと――
「……ねえ、神様。それで、もう一つ聞きたいんだけど……その、あれからどうなったの?」
そう、恐る恐る尋ねてみる。お仕置き――そう、天女様は言っていたけど……果たして、どんな恐ろし――
「……ああ、あの後じゃが……今までにわしが告げた愛の言葉を三日三晩、一字一句洩らさず国全土へと流され続け――」
「思った以上にえげつねぇ!!」
いや思ったよりえげつねぇ!! 国全土ってつまりは全国民にだよね!? 私だったら軽く……いや、だいぶトラウマに――
……ところで、神様もだけど……いや、国民もだいぶ地獄じゃん、それ。
……まあ、それはそれとして――
「……あのさ、神様。すっごい悶えてるとこ悪いんだけど、私ちょっと用事が――」
「え~つれないのうほのみん。わしゃさみしいじょ~」
「子どもかよ」
そう、駄々をこねる神様にすかさずツッコむ。いや、構ってあげたい気もなくはないが……ただ、今はともかく先を――
「…………ん?」
ふと、声が洩れる。見ると、直前とは打って変わって真っ青の神様。……うん、今回は私にも分かったよ。この、何とも禍々しい雰囲気は――
「――ご機嫌よう、沢山さん。本日も、主人が甚くお世話になっております」
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