灯火

暦海

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……でも、なんでだろう。

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「……その、ありがとエリス」
「……それはもう、何度も聞いたって。それより、あんたが喜んでくれたなら俺も嬉しいし」


 それから、しばらくして。
 朱色あか青色あおが織り成す綺麗な空の下を、ほのぼのとそんなやり取りを交わしゆっくりと歩いていく。そして、私の腕の中には先ほどエリスが買ってくれたあの可愛い衣服ふくの入った白い袋が。あっ、ドクロの方じゃないよ?

 あの後、再び十数分ほど店内を回り、その後は豊かな自然に彩られた大きな公園でゆったりと過ごして。以前から、エリスがよく一人で来ていたとのことだけど……うん、知らなかったな。ずっと住んでいた街のはずなのに、あんな素敵な公園ところがあったなんて。

 
 ……ところで、それはそれとして――

「……ん? どうしたソフィ」
「あっ、いや、なんでも……」

 そう、不思議そうに尋ねるエリス。と言うのも、隣を歩く彼を私がじっと見上げていたから。まあ、なにか用件があるわけじゃないんだけど……チラと、辺りを見渡す。すると、今もあちこちから視線が……まあ、私というよりエリスにだけど。

 ……やっぱり、目を惹くんだ。あの服屋さんでも、その前のカフェでもどこでも、周りに人がいる時は常にエリスにはが注がれているのが当の本人でなくても十分に感じ取れて。まあ、当然と言えば当然。私だって、最初見た時思わず息を呑んだくらいの美男子で――

 ……でも、なんでだろう。こんなことに……こんな当然のことに、こんなにも嫌な気持ちになってしまうのは。


 

 

 
 

 
 
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