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……では、風奈さん。
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「……ところで、風奈さん。風奈さんって、明城の生徒だったんですか?」
「うん。と言っても、今日からなんだけどね」
「……そう、なのですね」
それから、ほどなくして。
ゆっくりと廊下を歩みつつ、今更ながら少し躊躇いつつ尋ねる僕。そして、そんな僕にニコッと微笑み答える風奈さん。そう、さっきはそれどころじゃなかったけれど……うん、普通にびっくりだよね。よもや、こんなところで風奈さんに会うなんて。
ところで、今日からと言うことは……転校生、ってこと? あくまでイメージだけど、高校での転校生ってなかなかに珍し……いや、まあ何でもいいんだけどね。僕とすれば、こうしてまた会えたことがすごく嬉しいわけだし。
……ところで、それはそれとして。
「……あの、風奈さ……あっ、いえ風奈先輩!」
「……ふふっ、いいよ今まで通りで。むしろ、そうしてほしいし、何なら呼び捨てでも」
「へっ、いえそれは流石に……では、風奈さん。実はあの日以降、一度もあの路地裏を見かけていなくて……」
そう、躊躇いつつ尋ねる。……いや、尋ねられてないか。それでも、言わんとすることは伝わってる……はず。
「……うーん、それはたぶん……うん、でも――」
すると、やはり理解してくれたようで、そっと頤に指を添え思案する様子の風奈さん。そして――
「――でも、まずはお昼ご飯に行こっ?」
「……ふふっ。はい、そうですね」
そう、ニコッと微笑み話す風奈さん。そんな彼女に、思わず声を洩らし頷いた。
――それから、数時間後。
「――いやーやっぱ疲れるねえ勉強は。それに、ほぼ今までやったことないことばっかりだし」
「……へっ、そうなんですか?」
「……あっ、えっと……うん、そう! 前いた学校とはちょっと内容が違ったかなあ、なんて」
「……そう、なのですね」
放課後、帰り道にてそんなやり取りを交わす僕ら。もちろん、学校が違えば学ぶ内容多少なり異なるのだろうけど……でも、そこまで? ほぼ今までやったことないことばかりなんて、いったいどこの高校に――
……いや、まあいっか。それより、目下最も気になるのは――
「……あの、風奈さん。こちらは……」
そう、控えめに尋ねてみる。と言うのも――今、僕らがいるのは郊外に在する小さな森の中で。
「あっ、やっぱり疲れた? ごめんね、長いこと歩かせちゃって」
「あっ、いえ、それは全く以て問題ないです!」
すると、言葉の通り少し申し訳なさそうに尋ねる風奈さん。と言うのも、校舎からここまで40分ほど共に歩いてきて――
……でも、それはいい。歩くの好きだし、風奈さんとなら尚さら……なので、それはいい。いいのだけど……でも、いったいどうして――
「……うん、この辺りでいいかな」
「…………え?」
ふと、呟きを洩らす僕。だけど、それは彼女の言葉に対してではなく――言葉と共にすっと手を伸ばすやいなや、ふっと鳥居が光に包まれ現れたことに対してで。
「うん。と言っても、今日からなんだけどね」
「……そう、なのですね」
それから、ほどなくして。
ゆっくりと廊下を歩みつつ、今更ながら少し躊躇いつつ尋ねる僕。そして、そんな僕にニコッと微笑み答える風奈さん。そう、さっきはそれどころじゃなかったけれど……うん、普通にびっくりだよね。よもや、こんなところで風奈さんに会うなんて。
ところで、今日からと言うことは……転校生、ってこと? あくまでイメージだけど、高校での転校生ってなかなかに珍し……いや、まあ何でもいいんだけどね。僕とすれば、こうしてまた会えたことがすごく嬉しいわけだし。
……ところで、それはそれとして。
「……あの、風奈さ……あっ、いえ風奈先輩!」
「……ふふっ、いいよ今まで通りで。むしろ、そうしてほしいし、何なら呼び捨てでも」
「へっ、いえそれは流石に……では、風奈さん。実はあの日以降、一度もあの路地裏を見かけていなくて……」
そう、躊躇いつつ尋ねる。……いや、尋ねられてないか。それでも、言わんとすることは伝わってる……はず。
「……うーん、それはたぶん……うん、でも――」
すると、やはり理解してくれたようで、そっと頤に指を添え思案する様子の風奈さん。そして――
「――でも、まずはお昼ご飯に行こっ?」
「……ふふっ。はい、そうですね」
そう、ニコッと微笑み話す風奈さん。そんな彼女に、思わず声を洩らし頷いた。
――それから、数時間後。
「――いやーやっぱ疲れるねえ勉強は。それに、ほぼ今までやったことないことばっかりだし」
「……へっ、そうなんですか?」
「……あっ、えっと……うん、そう! 前いた学校とはちょっと内容が違ったかなあ、なんて」
「……そう、なのですね」
放課後、帰り道にてそんなやり取りを交わす僕ら。もちろん、学校が違えば学ぶ内容多少なり異なるのだろうけど……でも、そこまで? ほぼ今までやったことないことばかりなんて、いったいどこの高校に――
……いや、まあいっか。それより、目下最も気になるのは――
「……あの、風奈さん。こちらは……」
そう、控えめに尋ねてみる。と言うのも――今、僕らがいるのは郊外に在する小さな森の中で。
「あっ、やっぱり疲れた? ごめんね、長いこと歩かせちゃって」
「あっ、いえ、それは全く以て問題ないです!」
すると、言葉の通り少し申し訳なさそうに尋ねる風奈さん。と言うのも、校舎からここまで40分ほど共に歩いてきて――
……でも、それはいい。歩くの好きだし、風奈さんとなら尚さら……なので、それはいい。いいのだけど……でも、いったいどうして――
「……うん、この辺りでいいかな」
「…………え?」
ふと、呟きを洩らす僕。だけど、それは彼女の言葉に対してではなく――言葉と共にすっと手を伸ばすやいなや、ふっと鳥居が光に包まれ現れたことに対してで。
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