神様へと祈りを込めて

暦海

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また明日

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「ところで、まだ言ってなかったけど……さっきはありがとね、陶夜とうやくん」
「……へっ?」


 その後、しばし他愛もない話を交わした後ふとそう告げる風奈ふうなさん。でも、言わずもがな感謝をしていただけることなど何もしていない。とは言え、彼女がお世辞を言っているようにも……いや、そもそも感謝にお世辞なんてないか。……ただ、それはともあれいったいどういう…………あっ!


「あの、風奈さん。僕、前世でなにかしましたか?」
「うん、できれば現世で考えて?」

 半ば確信的な僕の問いに、半ば呆れたように微笑み答える風奈さん。……あれ、違った? 正直、これしかないと――


「……ほら、あれだよ。非常階段で、私のこと護ってくれたでしょ? 自分の身を挺してまで」
「……ああ、あれでしたか。ですが、あれは元々風奈さんが僕を助けに来てくれて……それで、結局最後まで風奈さんに護っていただいて……だから、僕は何もしていないも同ぜ――」
「――そんなことない!」
「……へっ?」

 卒然、僕の言葉に大きな声で反意を示す風奈さん。それから、


「……君が何と言おうと、私は君に護られた。私に手を出すな……怖かったはずなのに、あの子にはっきりそう言って私を護ってくれた。私、すっごく嬉しかったんだよ? だから……ありがとね、陶夜くん」




「――またね、陶夜くん。アルバイト頑張ってね、また明日!」
「はい、ありがとうございます風奈さん。また明日です」


 それから、しばらくして。
 和やかに挨拶と共に、笑顔で見送ってくれる風奈さん。そんな彼女に一礼し、神聖な白い鳥居を潜る。すると、ほどなく視界に映るはあの閑散とした住宅街……うん、戻るのはここなんだ。まあ、あの森の中じゃなくて良かったけど。たぶん、あの距離じゃバイトに間に合わないし。……まあ、それはそうと――


「……また明日、か……」


 そう、ポツリと呟く。……うん、着くまでにどうにかしなきゃね。流石に恥ずかしいし、こんな緩んだ顔見られちゃったら。
 



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