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初めての
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「……その、ほんとにありがとね深影さん。いつもより相当高いのに、こうしていつも来てくれて」
「いえ、お気になさらないでください、鈴珠さん。少しでも鈴珠さんのお役に立てているのなら、僕は甚く嬉しいです」
「……深影さん」
その日の宵の頃。
客室にて、改めて深く感謝を告げる。すると、いつものように表情には乏しくもちゃんと温もりの伝わる声音で答えてくれる深影さん。そんな彼に、ホッと胸が温かくなる心地がする。
さて、何のお話かと言うと……まあ、説明するまでもないのかな。普段から幾度も来てくれてるけど、とりわけ紋日には必ず来てくれていて。それも、どうしても時間がない日はなんと代金だけを支払いに来て……遊女なのに何もしないでお代金だけもらうなんて駄目、なんて言っておいてこういう時はちゃっかり甘えてる自分に少し嫌気が差しちゃうけども……うん、いつか何らかの形でお返ししなきゃね。
「……えっと、どうかな?」
「……はい、とても気持ち良いです」
「……うん、それなら……うん、まあいっか。いつものことだし」
それから、数十分ほど経て。
そう、お馴染みのやり取りを交わすも途中で言葉を止める。うん、気持ちいいなら是非とも表情なり声なりで存分に表現してほしいところだけど……うん、まあいっか。いつものことだし。
ともあれ、その後も色々として今は紅葉合わせ――両方の胸で陰茎を挟んで刺激するという、数多のお客さまから人気のあの技の最中なのだけれど……うん、やはり手応えはない。やはり、私だけが気持ちいいという何とも由々しき事態で……いや、固くなってはいるんだけどね。一応、固くなってはいるんだけども……でも、一ヶ月以上も経過しているけれど、その間ただの一度も――
――ビュッ。
「…………へっ?」
刹那、思考が止まる。……あれ、今の……大いに驚きつつ見ると、逞しい陰茎を挟んだ両の乳房にべっとりと広がる白い液体。……これって、もしかして――
「……その、申し訳ありません……」
すると、ほどなく顔を逸らし呟くように謝意を告げる深影さん。……いや、何も謝る必要はないんだけど。そもそも、そういう行為をしてるんだし。
……まあ、それはともあれ……そう、なかなかに信じ難いことではあるけれど、これまで彼は今までただの一度も出していなくて。ただ、どうしてそんな申し訳なさそうな……それこそ、罪悪感さえ窺える表情をしているのかは全く以て分からない。……それでも、一つ分かることは――
「……そんなに、気持ちよかったんだ?」
「……はい」
そう、じっと見つめ尋ねる。きっと、自分でも引くほどに意地の悪い笑みを浮かべながら。そう、一つ分かることは……どうしてか罪悪の念は抱きつつも、彼の表情には間違いなく快感の色が浮かんでいて。そして、その端麗な顔は夕日にでも照らされたように真っ赤に染まっていて……やばい、可愛いすぎる。
すると、そっと視線をこちらに向ける深影さん。その何とも恥ずかしそうな表情に身体の奥がよりいっそう熱くなる。そして、その真っ赤な頰にそっと手を添え問い掛ける。
「――ねえ、深影さん。まだ出せるよね?」
「いえ、お気になさらないでください、鈴珠さん。少しでも鈴珠さんのお役に立てているのなら、僕は甚く嬉しいです」
「……深影さん」
その日の宵の頃。
客室にて、改めて深く感謝を告げる。すると、いつものように表情には乏しくもちゃんと温もりの伝わる声音で答えてくれる深影さん。そんな彼に、ホッと胸が温かくなる心地がする。
さて、何のお話かと言うと……まあ、説明するまでもないのかな。普段から幾度も来てくれてるけど、とりわけ紋日には必ず来てくれていて。それも、どうしても時間がない日はなんと代金だけを支払いに来て……遊女なのに何もしないでお代金だけもらうなんて駄目、なんて言っておいてこういう時はちゃっかり甘えてる自分に少し嫌気が差しちゃうけども……うん、いつか何らかの形でお返ししなきゃね。
「……えっと、どうかな?」
「……はい、とても気持ち良いです」
「……うん、それなら……うん、まあいっか。いつものことだし」
それから、数十分ほど経て。
そう、お馴染みのやり取りを交わすも途中で言葉を止める。うん、気持ちいいなら是非とも表情なり声なりで存分に表現してほしいところだけど……うん、まあいっか。いつものことだし。
ともあれ、その後も色々として今は紅葉合わせ――両方の胸で陰茎を挟んで刺激するという、数多のお客さまから人気のあの技の最中なのだけれど……うん、やはり手応えはない。やはり、私だけが気持ちいいという何とも由々しき事態で……いや、固くなってはいるんだけどね。一応、固くなってはいるんだけども……でも、一ヶ月以上も経過しているけれど、その間ただの一度も――
――ビュッ。
「…………へっ?」
刹那、思考が止まる。……あれ、今の……大いに驚きつつ見ると、逞しい陰茎を挟んだ両の乳房にべっとりと広がる白い液体。……これって、もしかして――
「……その、申し訳ありません……」
すると、ほどなく顔を逸らし呟くように謝意を告げる深影さん。……いや、何も謝る必要はないんだけど。そもそも、そういう行為をしてるんだし。
……まあ、それはともあれ……そう、なかなかに信じ難いことではあるけれど、これまで彼は今までただの一度も出していなくて。ただ、どうしてそんな申し訳なさそうな……それこそ、罪悪感さえ窺える表情をしているのかは全く以て分からない。……それでも、一つ分かることは――
「……そんなに、気持ちよかったんだ?」
「……はい」
そう、じっと見つめ尋ねる。きっと、自分でも引くほどに意地の悪い笑みを浮かべながら。そう、一つ分かることは……どうしてか罪悪の念は抱きつつも、彼の表情には間違いなく快感の色が浮かんでいて。そして、その端麗な顔は夕日にでも照らされたように真っ赤に染まっていて……やばい、可愛いすぎる。
すると、そっと視線をこちらに向ける深影さん。その何とも恥ずかしそうな表情に身体の奥がよりいっそう熱くなる。そして、その真っ赤な頰にそっと手を添え問い掛ける。
「――ねえ、深影さん。まだ出せるよね?」
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