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上条賃貸ハウジングの事件簿
事情聴取
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「そんな馬鹿な!君はさっき被害者が死亡したのは少なくとも三年以上前だと言ったじゃないか。俺は三ヶ月ほど前に彼女とあっているんだ・・・・・・!」そこまで言ってから気が付く。「もしかして・・・・・・、警察は俺を疑っているのか?」もしも最後に彼女に会ったのが俺という事なのであれば冷静に考えればそれは当然の発想であろう。
「ええ、一課の中でも上条さんを重要参考人として拘束しろとの意見がありました。でも、それは少し待ってもらえるようにと僕からお願いしておきました」聞きながらこの狩屋という男にそこまでの権限があるのかと疑念を持った。年齢的には三十歳前後の彼の警察内での立ち位置を俺は知らない。
「あとは部屋の鍵か・・・・・・・、如月遥が紛失したと言っていた鍵を死体が握っていた。その鍵を使って俺が部屋に侵入したのではないかと疑っているわけだ・・・・・・・」本当に鍵が無くなっていたかどうかは、俺と如月遥しか知らない事実だ。俺が鍵の一本を拝借して紛失だと言っておけば誰にも分らないであろう。
「それについては既に調べています。上条さんの所の大西君が如月遥の退去後すぐに新しい鍵に交換を業者に依頼されていました。しかし、御社はしっかりしていますね。職業柄、僕らも鍵には詳しいのですけれど、今回交換した鍵は大手メーカーのディンプルキーで複製するには、メーカーに直接発注しないと複製できない商品です。念の為メーカーに複製の記録を確認しましたが、複製をしたという記録はありませんでした。また、交換後の鍵は全て次の入居者にきちんと渡している事を入居者にも確認しています」そろそろ、狩屋の肉が無くなりそうである。
通常、賃貸マンションは入居者の入れ替え時に鍵を交換する。しかし、貸主の判断によってそれを行わない場合もある。
メゾン・ド・リープに関してはキチンと鍵交換を行っていたという事である。
鍵の管理に関しては前々から大西や益留に口を酸っぱくして指導している。以前、どこかの不動産屋で、賃貸契約が成立した単身女性の部屋の鍵を引渡し前に無断で複製した営業マンが部屋へ忍び込み、女性をレイプするという事件もあったほどだ。
何か室内で異変があれば鍵を管理している管理会社や貸主は、その鍵の管理を確認される。いくら鍵を所有しているからといっても無断で賃借人の部屋に立ち入ると不法侵入で訴えられるのが関の山である。
「しかし、俺は現に如月遥と会っているんだ。あの時確かに彼女は生きていた。三年以上も前無くなっていたなんてありえない。そうだ彼女の転居先は確認したのか?退去届に引越し先を記入していたはずだが・・・・・・」退去後に郵便が届いたり、不具合があったりした場合に対応できるように、転居後の住所等は必ず確認をするようにしている。問題が無い場合は連絡をする事は基本無い。
「それも確認しました。記入された住所に訪問してみましたが如月遥とは全く別の住人が居ました。ちなみに彼女の電話番号もすでに解約されていました。」流石に素人が思いつくものは全て調査済という事だろう。
「なんで・・・・・・」
「如月遥に関して調べたのですが、彼女の両親は既に他界していました。それ以外の親族もいなかったようです。彼女の知り合いを探そうと方々駆けずり回ったのですが手掛かりなしです」狩屋は珍しくガッカリしてため息をつくような表情を見せた。いや、もしかして肉が無くなった事に落ち込んでいるのかもしれない。
「良かったら俺の分も食うか?」すでに冷め切ったトンテキを狩屋の皿と交換してやった。
「い、いいんですか!?」彼はまるで少年のように目を輝かせた。
「でも、そんな状況だったら俺は普通、警察に呼び出されて事情聴取をされるんじゃないのか?」
「えっ、今やっているのが事情聴取なのですけれど、何か?」狩屋は惚けた顔をして答えた。ちなみに、本日の二人前のトンテキ代は必要経費で払うそうだ。
「ええ、一課の中でも上条さんを重要参考人として拘束しろとの意見がありました。でも、それは少し待ってもらえるようにと僕からお願いしておきました」聞きながらこの狩屋という男にそこまでの権限があるのかと疑念を持った。年齢的には三十歳前後の彼の警察内での立ち位置を俺は知らない。
「あとは部屋の鍵か・・・・・・・、如月遥が紛失したと言っていた鍵を死体が握っていた。その鍵を使って俺が部屋に侵入したのではないかと疑っているわけだ・・・・・・・」本当に鍵が無くなっていたかどうかは、俺と如月遥しか知らない事実だ。俺が鍵の一本を拝借して紛失だと言っておけば誰にも分らないであろう。
「それについては既に調べています。上条さんの所の大西君が如月遥の退去後すぐに新しい鍵に交換を業者に依頼されていました。しかし、御社はしっかりしていますね。職業柄、僕らも鍵には詳しいのですけれど、今回交換した鍵は大手メーカーのディンプルキーで複製するには、メーカーに直接発注しないと複製できない商品です。念の為メーカーに複製の記録を確認しましたが、複製をしたという記録はありませんでした。また、交換後の鍵は全て次の入居者にきちんと渡している事を入居者にも確認しています」そろそろ、狩屋の肉が無くなりそうである。
通常、賃貸マンションは入居者の入れ替え時に鍵を交換する。しかし、貸主の判断によってそれを行わない場合もある。
メゾン・ド・リープに関してはキチンと鍵交換を行っていたという事である。
鍵の管理に関しては前々から大西や益留に口を酸っぱくして指導している。以前、どこかの不動産屋で、賃貸契約が成立した単身女性の部屋の鍵を引渡し前に無断で複製した営業マンが部屋へ忍び込み、女性をレイプするという事件もあったほどだ。
何か室内で異変があれば鍵を管理している管理会社や貸主は、その鍵の管理を確認される。いくら鍵を所有しているからといっても無断で賃借人の部屋に立ち入ると不法侵入で訴えられるのが関の山である。
「しかし、俺は現に如月遥と会っているんだ。あの時確かに彼女は生きていた。三年以上も前無くなっていたなんてありえない。そうだ彼女の転居先は確認したのか?退去届に引越し先を記入していたはずだが・・・・・・」退去後に郵便が届いたり、不具合があったりした場合に対応できるように、転居後の住所等は必ず確認をするようにしている。問題が無い場合は連絡をする事は基本無い。
「それも確認しました。記入された住所に訪問してみましたが如月遥とは全く別の住人が居ました。ちなみに彼女の電話番号もすでに解約されていました。」流石に素人が思いつくものは全て調査済という事だろう。
「なんで・・・・・・」
「如月遥に関して調べたのですが、彼女の両親は既に他界していました。それ以外の親族もいなかったようです。彼女の知り合いを探そうと方々駆けずり回ったのですが手掛かりなしです」狩屋は珍しくガッカリしてため息をつくような表情を見せた。いや、もしかして肉が無くなった事に落ち込んでいるのかもしれない。
「良かったら俺の分も食うか?」すでに冷め切ったトンテキを狩屋の皿と交換してやった。
「い、いいんですか!?」彼はまるで少年のように目を輝かせた。
「でも、そんな状況だったら俺は普通、警察に呼び出されて事情聴取をされるんじゃないのか?」
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