25 / 33
悪い事
しおりを挟む
「ああ、頭が痛い・・・・・・」愛美は二日酔いらしく頭を抱えている。
「調子に乗ってカルアミルクを何杯も飲むからよ」馬淵は彼女の隣で持参の弁当を食べている。昼休み、2人は会社の屋上にある休憩場所に並んで腰かけている。昨晩の事が無ければ、このように愛美と馬淵が話をする事など無かったであろう。
「でも、まさか篠原と淳ちゃんが知り合いなんてね」言いながら箸でウインナーを掴んで口に入れた。彼女が食事をする姿を見て、愛美は少しえづきそうになった。
「馬淵さんは、いつもお弁当なの・・・・・・・・?」食べ物をみるとなんだか気持ちが悪くなるので目を逸らす。
「ええ、お金がもったいないからね。ずっと自炊よ。篠原は外食派?優雅ね」二人は同期入社で、どちらも取り立て出世している訳でもないので、給料なんてほぼ同じであろう。きっと、実家通いの愛美の方が、自由に使えるお金に余裕があるという事であろう。
それにしても、昨晩の店での煌びやかな姿の馬淵からは、想像もつかない質素な感じであった。ただ、今の彼女の方がとっつきやすいと愛美は思った。
「あの、私の事、愛美って呼んでもらった方が、嬉しいかな。苗字だとなんだか型ぐるしくって・・・・・・・」愛美は少し遠慮気味に言ってみる。
「ええ、それじゃあ、私の事も明美って呼んでよ。会社で話せる人って特に要らないかって思ってたんだけど、最近ちょっとつまんなくてね」弁当を食べおわると弁当箱のふたを閉めた。
「わかったわ、明美」なんだかグッと距離が縮まったような気がした。
「そういえば、あんた田川と付き合ってるんじゃなかったけ?」おやつ用なのかビニール袋からミカンを二つ取り出して、一つを愛美に渡した。なんだか、ミカンは美味しそうに見えたのでありがたく頂戴する事にした。
「うーん、いいかなって思った時もあったんだけど・・・・・・・、なんだか、やる事だけが目的みたいな感じが・・・・・・・・、ねえ」愛美は少しだけ顔を赤くしながら言った。
「なに言っているのよ、男なんてみんなそれが目的なんじゃないの」明美は膝の上にハンカチを置きその上でミカンを剥く。
「えー、そうなのかな・・・・・・・、刈谷さんはそんな感じじゃないけどな・・・・・・・・」愛美も同じようにミカンの皮を剥くと口の中に一房放り込む。「甘ーい!」二日酔いには瑞々しいミカンがより甘く感じるようであった。
「ああ、淳ちゃんね・・・・・・・、いい人なんだけどね。鈍感だから、あの人。結構モテるのにね」明美はニヤリと笑った。
「えー、そうなの!?ま、まさか明美ちゃんも!でも、明美ちゃんこそ、嘉彦さんの事が好きだって・・・・・・・」愛美は横に目を逸らす。
「はあ!?やめてよ!私、ああいう奴が一番嫌いなのよ!」明美は猛烈な嫌悪感を顔に浮かべる。
「えっ、でも・・・・・・・」先輩の美和から聞いた言葉を思い出していた。明美が嘉彦に気があるようだと。
「私、社員の給与計算してるから、どの社員がどれくらいの給料をもらっているか知っているのよ。もちろん愛美、あんたの給料も知っているわ」そういわれると愛美は正直あまりいい気はしなかった。「あの田川の給料で、あの車・・・・・・・・レクサスや服は異常だわ。なにか悪い事してなければいいのだけれど・・・・・・・」明美は残ったミカンを一気に放り込む。片方の頬がハムスターのように膨らんでいる。
「悪い事・・・・・・・・・」正直、愛美にはピンとこなかった。
「調子に乗ってカルアミルクを何杯も飲むからよ」馬淵は彼女の隣で持参の弁当を食べている。昼休み、2人は会社の屋上にある休憩場所に並んで腰かけている。昨晩の事が無ければ、このように愛美と馬淵が話をする事など無かったであろう。
「でも、まさか篠原と淳ちゃんが知り合いなんてね」言いながら箸でウインナーを掴んで口に入れた。彼女が食事をする姿を見て、愛美は少しえづきそうになった。
「馬淵さんは、いつもお弁当なの・・・・・・・・?」食べ物をみるとなんだか気持ちが悪くなるので目を逸らす。
「ええ、お金がもったいないからね。ずっと自炊よ。篠原は外食派?優雅ね」二人は同期入社で、どちらも取り立て出世している訳でもないので、給料なんてほぼ同じであろう。きっと、実家通いの愛美の方が、自由に使えるお金に余裕があるという事であろう。
それにしても、昨晩の店での煌びやかな姿の馬淵からは、想像もつかない質素な感じであった。ただ、今の彼女の方がとっつきやすいと愛美は思った。
「あの、私の事、愛美って呼んでもらった方が、嬉しいかな。苗字だとなんだか型ぐるしくって・・・・・・・」愛美は少し遠慮気味に言ってみる。
「ええ、それじゃあ、私の事も明美って呼んでよ。会社で話せる人って特に要らないかって思ってたんだけど、最近ちょっとつまんなくてね」弁当を食べおわると弁当箱のふたを閉めた。
「わかったわ、明美」なんだかグッと距離が縮まったような気がした。
「そういえば、あんた田川と付き合ってるんじゃなかったけ?」おやつ用なのかビニール袋からミカンを二つ取り出して、一つを愛美に渡した。なんだか、ミカンは美味しそうに見えたのでありがたく頂戴する事にした。
「うーん、いいかなって思った時もあったんだけど・・・・・・・、なんだか、やる事だけが目的みたいな感じが・・・・・・・・、ねえ」愛美は少しだけ顔を赤くしながら言った。
「なに言っているのよ、男なんてみんなそれが目的なんじゃないの」明美は膝の上にハンカチを置きその上でミカンを剥く。
「えー、そうなのかな・・・・・・・、刈谷さんはそんな感じじゃないけどな・・・・・・・・」愛美も同じようにミカンの皮を剥くと口の中に一房放り込む。「甘ーい!」二日酔いには瑞々しいミカンがより甘く感じるようであった。
「ああ、淳ちゃんね・・・・・・・、いい人なんだけどね。鈍感だから、あの人。結構モテるのにね」明美はニヤリと笑った。
「えー、そうなの!?ま、まさか明美ちゃんも!でも、明美ちゃんこそ、嘉彦さんの事が好きだって・・・・・・・」愛美は横に目を逸らす。
「はあ!?やめてよ!私、ああいう奴が一番嫌いなのよ!」明美は猛烈な嫌悪感を顔に浮かべる。
「えっ、でも・・・・・・・」先輩の美和から聞いた言葉を思い出していた。明美が嘉彦に気があるようだと。
「私、社員の給与計算してるから、どの社員がどれくらいの給料をもらっているか知っているのよ。もちろん愛美、あんたの給料も知っているわ」そういわれると愛美は正直あまりいい気はしなかった。「あの田川の給料で、あの車・・・・・・・・レクサスや服は異常だわ。なにか悪い事してなければいいのだけれど・・・・・・・」明美は残ったミカンを一気に放り込む。片方の頬がハムスターのように膨らんでいる。
「悪い事・・・・・・・・・」正直、愛美にはピンとこなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる