私を調べてどうするつもり?

上条 樹

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ロマンティックな場所

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「知ってますか、心不全の意味・・・・・・」嘉彦の葬儀の帰り道、刈谷がポツリと口を開く。途中で明美とは別れたので、今は二人だけであった。

「えっ、知っているかって・・・・・・・、言葉通り・・・・・・・、心臓の異変、心臓発作とか・・・・・・ですか?」テレビなどのニュースで亡くなった人の死因などでよく聞く言葉ではあったが、その意味を深く考えた事などなかった。

「誰でも亡くなる時、心臓は止まっているんですよ。言うなれば全て人の死因は心不全とも言えます」刈谷は首の後ろの辺りに手を回すと、軽く擦った。ネクタイが気道悪い様子であった。シャツの第一ボタンを外して、ネクタイを緩めた。

「えっ、それじゃあ・・・・・・・」愛美は両手を口を押えると目を見開いた。

「野沢・・・・・・・・、いや警察の話ですと、やはり他殺のようです。それも薬物を利用したようで・・・・・・・、ただ、この事はマスコミにも情報をながしていないそうですので、気軽に人に話してはいけません」刈谷は愛美の顔を見ながら人差し指で自分の口の辺りを押さえた。その割には、簡単に自分に話すのだなと愛美は正直呆れた。

「解りました、誰にも言いません」愛美はコクリと頷く。

「しかし、嘉彦さんはどこから金を引っ張て来ていたんですかね?」口の辺りを右手で覆いながら、彼は考えるような仕草をする。

「お金を・・・・・・・引っ張る?」愛美は見上げるように刈谷の顔を見上げた。愛美の身長は150センチ後半、それに対して刈谷の身長は180センチ程度であろう。近くによるとかなり見上げるような感じになった。

「前にも言いましたが、彼の収入で、あのレクサスの維持や洋服の調達は難しいと思いますよ」刈谷は真っすぐ前を見ている。

「そういえば・・・・・・、そうですよね」愛美は実家暮らしにより、収入面で苦労することは、そんなに無かった。しかし、もし自分も明美のように一人暮らしであれば、日々、お金の苦労をしなければならないのかもしれないとおもっや。

「その辺も、もしかすると今回の殺人事件にも関係あるのかもしれません」刈谷は愛美の目を見る。

「えっ・・・・・・・・!?」突然見つめられて、目が点になる。

「愛美さん・・・・・・・・」

「・・・・・・・」愛美はドキリとして、言葉が出てこなかった。

「肉まん食べたくないですか?」彼が指さした先には、コンビニエンスストアーがあり、店頭に肉まんのポスターが張られていた。

「あ、あはははは、・・・・・・・そうですね・・・・・・・・」この人は食べる事しかないのかと思った。ちなみに、そのチョイスはいつも、女性が同伴だという事を全く考えていないようであった。たまには、ロマンティックな場所に連れて行ってくれないかなと、彼女は胸の奥で願った。
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