【完結作品】四人の少女とシンクロ!銀河の運命をかけた闘い!超爆激神モード炸裂!『超・爆・激・神 メタルガイダー』

上条 樹

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ヘブンズロード

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「一体何なんだ!あれは?」パンに手を引かれて祐樹は走り続けていた。パンは走るのが速くて、祐樹は何度も転びそうになった。

「祐!お前を狙っているんだよ!あれは、アンドロメダの奴らだ!」ダンが祐樹に合わせて走る。

「・・・・・・祐樹様をさらって、銀河を手中に治めるつもりなのです」ソラは、マイペースで走る。
上空から再び、声が聞こえた。

「今日から、一週間の猶予を与える。地球人達よ、この男を差し出すのだ。一週間を過ぎて、なにも進展が無い時は、地球を破壊する」無機質な機械のような声が響き渡る。

「なんだ、地球を破壊するって言っているぞ!」いつの間にか、パンに首根っこを掴まれて引きずられていた。

「相手にするなって!」ダンが祐樹を追いかけて走っている。

「で、どこに逃げるんだ・・・・・・ 」祐樹の素朴な質問を受けて、パンは立ち止まった。

「そうですね・・・・・・、どこに逃げましょうか?」パンは頭を抱えている。
 レオは沈黙を守っている。 レオは紫村との戦いから、無口になっていた。シンクロでメタルガイダーの力を発揮出来ていないと言われた事がショックだったらしい。

「俺は逃げるのは嫌だ!戦って皆を守りたい!俺のせいで人が死ぬのを・・・・・・、もう見たくない!」祐樹は両拳を握り締めた。

「頼む!おれの我《が》を許してくれ!シンクロ・フガフガ!」祐樹の口が白い手に塞がれていた。後ろを振り返ると紫村が体に密着した状態で、祐樹の口に手を押し当てていた。

「今、変身して戦うのはまずいわ!私と一緒に来るのよ」紫村の豊満な脹らみに祐樹の後頭部がめり込んでいる。

「なにを言っている。あんたなんて信用できるか!」ダンが紫村の顔に向かって蹴りを放つが、紫村は片手でダンの足を掴む。足を持ったまま話を続けた。


「彼らの狙いは小松原君、君《きみ》なのよ。彼らは一週間の猶予を与えると言った。その一週間の間に策を考えなさい。今戦っても・・・・・・ 」言いながらレオの顔を見た。

「勝ち目は無いわ!」紫村の言葉を聞いてレオは虚ろな表情で下を見た。

「でも・・・・・・、どうすれば、良いのでしょうか?」パンが紫村に問いを投げかける。紫村は掴んでいたダンの足を放り投げた。

「そうね、とりあえず・・・・・・ えい!」紫村が投げキッスのような仕草をすると、祐樹達の目の前に、虹色のアーチが現れた。

「これは・・・・・・?」祐樹は目の前に現れたアーチに目を疑った。

「・・・・・・、ヘブンズロード」ソラが呟く。
祐樹は、その言葉をレオから聞いた事を思い出した。祐樹の父は、これを使用して宇宙の彼方からやって来た事。そして父が破壊したとレオは言っていた筈だった。

「とりあえず、地球から離れるのが得策でしょう。地球にいると、たぶん・・・・・・、地球人に貴方は失望することになるわ」紫村の言葉に、祐樹は首をかしげた。

「なぜ、俺が失望するんだ?」祐樹は言葉の意味が解らなかった。

「このままでは祐樹さんを差し出せば、宇宙人の脅威から逃れられると思う人達が出てくると思われます。最悪の場合・・・・・・、地球人が祐樹さんの敵になることも考えられます・・・・・・」レオが紫村の言葉を補足した。レオは言いにくそうに言葉を発した。
 彼女は言葉を発した後、ギュっと瞳を閉じた。

「そう、彼女の言うとおりよ。こういう状況を苦慮して、私達は小松原君を地球から引き離そうしていたの。貴方がアンドロメダの星人に捕らわれたら銀河は終わりなのよ!」

「・・・・・・」祐樹は沈黙のまま、頭の中で考えを巡らせている様子である。

「レオお姉さま・・・・・・」パンが困惑した表情でレオを見た。レオは相変わらず瞳を閉じたままであった。その両拳を握りしめている。

「よし、行こう! 」祐樹は少し考えてから答えを出した。

「おい、祐樹!本当に良いのか?」ダンが心配そうに祐樹の顔を見つめる。ダンは紫村の言うことが信用できないようである。話をしている間も、ずっと警戒心を解こうとはしなかった。

「・・・・・・罠かも知れない・・・・・・」ソラが感情の無いような言葉で呟いた。ソラも、ダンと同じ考えのようである。ただ、その言葉はいつもの如く感情の起伏が全く無い。

「他に方法は無いだろう?なぁレオ!」祐樹が問いかけると、前に乗り出して、何かを話そうとするがレオは言葉を飲み込んでうなずいた。
 紫村がヘブンズロードに足を踏み入れてから、祐樹達に自分の後について来るように促した。

 レオの様子に違和感を持ちながらも、祐樹は紫村が進む後を歩いていった。ヘブンズロードを抜けると目の前に美しい風景が現れる。森が広がり遠くに海が見える。地球で見るシカに良く似た動物の親子が寄り添って昼寝をしている。

「ここは、一体何処なんだ? 」振り返ると、歩いてきたヘブンズロードが消えている。

「ご主人様、ここは惑星ナユターなのです。銀河統治軍の中心となる星なのです」パンが胸を張って知識を自慢するように星の名を告げた。

「惑星・・・・・・、ナユター!ここは、地球ではないのか? 」祐樹は辺りを改めて見回した。心地よい風が吹き、小鳥が飛んでいる。一匹の小鳥が祐樹の肩の上に止まる。

「人懐っこい、鳥だな、お前は・・・・・・」
「ここの動物達は、狩られる事がないの。だから、人間の事も恐れない。理想郷のような世界よ」紫村は大きく両手を広げて解説をした。

「・・・・・・・祐樹さんが、好きみたい」ソラが小鳥の頭を撫でると、目を細めて気持ち良さそうな顔を小鳥は見せた。

「迎えが来たわ!」紫村が空中を指差すと、丸い大きなシャボン玉のような物がゆっくり落下してきた。
 シャボン玉が目の前まで降りてくると、その中から、小さな虫のようなものが飛び出してきた。その虫を見て祐樹は驚きの声をあげた。それは小さいが虫ではなく、明らかに少女の姿であった。少女の背中には、透明の羽が生えており空中を自由に移動できるようである。可愛らしい笑顔に長い髪。短いスカートを履いており、宙を舞うと目のやり場に困ってしまいそうである。

「お迎え、ご苦労様ニール! 」ニールと呼ばれた少女は、紫村の肩に舞い降りた。一瞬足を滑らせて下に落ちそうになるが、体勢を立て直して落下を免れた。

「お帰りなさいませ!レイ様、それに・・・・・・、お久しぶりです。レオ様」ニールは紫村の事をレイと呼び、続けてレオの名前を呼んだ。レオはうつむいたまま返事はしない。

 祐樹とダン達は、先ほどとは異質の驚きに襲われ、レオのほうに視線を送った。

 レオからその答えは聞くことは出来なかった。


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