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君と役作り
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「昌子さん!私のコンサートを見に来てくれてたんですね!」美桜が飛ぼ上がるように喜んでいる。
「ええ!凄い素敵なコンサートだったわ!私、感動しちゃって涙が出ちゃった!」昌子のテンションも高めである。二人は抱き合いそうな勢いであった。俺が昌子の気に障るような事を言ってしまったようであったが、コンサート中の悲しそうな顔は、MIONの歌に感動したものだったのかと改めて気が付いた。
「俺も感動したよ!美桜ちゃんの歌はカラオケでも聞いたけれど、昨日のコンサートが鳥肌がたったわ」俺は両腕をさすった。その仕草を昌子が少し冷めたような顔をしてみている。「なんだよ・・・・・・・?」横目で昌子を見る。
「別に・・・・・・・」美桜に対する態度とは明らかに違う反応であった。
「亮介さんも来てくれたんですよね。私、亮介さんのおかげで、また歌えるようになりました。ありがとうございます」今度は美桜が泣き出しそうな顔をしている。やはり女の涙は苦手なものである。
「いや・・・・・・・、俺は別に・・・・・・・・」言いながら昌子の様子を確認する。昌子はソファーの上で胡坐《あぐら》をかくような恰好をして唇を少し尖らしている。
「いや、本当に亮介君のおかげだよ。前にも増してMIONの歌はレベルアップした。恋をする気持ちが解ったよいうことかな?」綾が階段から降りてくる。昨日のコンサート後の打ち上げで、結構飲んだようで少し二日酔いのようである。ラフな格好で頭のセットも出来てないようである。
「お水いれましょうか?」昌子が立ち上がる。
「ありがとう。昌子君・・・・・・・、君は良い奥さんになれるよ」何気なく言った綾の言葉に一瞬昌子の動きが止まったような気がした。それは俺の勘違いだったのかもしれない。昌子は冷蔵庫から冷水を出すとコップに注ぎ、綾の前に差し出した。綾はコップを手に取ると口へと運んだ。
「美味しい・・・・・・」なんだか、その仕草がすごく色っぽい大人の女性を感じさせた。いやいや、何を考えとるんだ。俺は見えないように自分の太ももの辺りを抓《つね》った。
「私・・・・・・・、恋を知ったなんて・・・・・・、ただ、自分の気持ちを歌うつもりで・・・・・・・」なぜか美桜は赤い顔をして俺の顔を見る。まさか・・・・・・・、好きな男でも出来たのか?軽い嫉妬のような気持ちが頭を持ち上げてくる。
「そうだ、昌子君の試合ももうすぐだよね。不本意ではあるけれど映画のヒロインの気持ちも解るかもしれないからね」結局、演技の勉強のつもりで通ったプロレスの道場の久保有紀に気に入られて、昌子はリングネーム『黒猫』でデビューすることになった。相手も新人レスラーだそうだ。まあ、エキシビジョンマッチといったところであろう。
「本当に大丈夫なのか?」俺には昌子がプロレスをするなんて、この間の久保有紀との試合を見るまで想像もつかなかった。まさか、おれの知っている彼女がプロレスなんて・・・・・・。
「ふーん、私の事も心配はしてくれるんだ・・・・・・・」なぜか棘のあるような言葉ではあった。なにが原因かは解らないが、まだ怒っているようだ。
「そうだ、亮介君。君にも神山監督から注文があってね。この空手道場に入門して技を身に付けて来て欲しいそうだ」言いながら胸のポケットから二つ折りした紙を手渡してきた。
「空手道樹心館?あまり聞いたことの無い道場ですね」高校生までは、空手道場で修行をしていたので有名どころの空手流派、道場はたいてい知っているつもりではあったが、その道場の名前は聞いた事が無かった。
「神山監督の映画に出てくる空手のイメージが、その空手だそうだ。私にはよく解らないけれどオーディションの時に君が見せた空手が似ていたそうだよ」オーディションとは、あの覆面ドライバーの・・・・・・・・、今考えると、あのアニーズの白川と仕事をしないで済んだ事を幸運と思うべきかもしれない。
「映画の撮影開始は、半年後に決まったそうだ。二人とも、それまでに役作りお願いするよ。あっ、昌子君はプロレスはほどほどにね」綾は昌子に釘をさす。
「はい・・・・・・」昌子はなぜか上の空のように返事をした。
「ええ!凄い素敵なコンサートだったわ!私、感動しちゃって涙が出ちゃった!」昌子のテンションも高めである。二人は抱き合いそうな勢いであった。俺が昌子の気に障るような事を言ってしまったようであったが、コンサート中の悲しそうな顔は、MIONの歌に感動したものだったのかと改めて気が付いた。
「俺も感動したよ!美桜ちゃんの歌はカラオケでも聞いたけれど、昨日のコンサートが鳥肌がたったわ」俺は両腕をさすった。その仕草を昌子が少し冷めたような顔をしてみている。「なんだよ・・・・・・・?」横目で昌子を見る。
「別に・・・・・・・」美桜に対する態度とは明らかに違う反応であった。
「亮介さんも来てくれたんですよね。私、亮介さんのおかげで、また歌えるようになりました。ありがとうございます」今度は美桜が泣き出しそうな顔をしている。やはり女の涙は苦手なものである。
「いや・・・・・・・、俺は別に・・・・・・・・」言いながら昌子の様子を確認する。昌子はソファーの上で胡坐《あぐら》をかくような恰好をして唇を少し尖らしている。
「いや、本当に亮介君のおかげだよ。前にも増してMIONの歌はレベルアップした。恋をする気持ちが解ったよいうことかな?」綾が階段から降りてくる。昨日のコンサート後の打ち上げで、結構飲んだようで少し二日酔いのようである。ラフな格好で頭のセットも出来てないようである。
「お水いれましょうか?」昌子が立ち上がる。
「ありがとう。昌子君・・・・・・・、君は良い奥さんになれるよ」何気なく言った綾の言葉に一瞬昌子の動きが止まったような気がした。それは俺の勘違いだったのかもしれない。昌子は冷蔵庫から冷水を出すとコップに注ぎ、綾の前に差し出した。綾はコップを手に取ると口へと運んだ。
「美味しい・・・・・・」なんだか、その仕草がすごく色っぽい大人の女性を感じさせた。いやいや、何を考えとるんだ。俺は見えないように自分の太ももの辺りを抓《つね》った。
「私・・・・・・・、恋を知ったなんて・・・・・・、ただ、自分の気持ちを歌うつもりで・・・・・・・」なぜか美桜は赤い顔をして俺の顔を見る。まさか・・・・・・・、好きな男でも出来たのか?軽い嫉妬のような気持ちが頭を持ち上げてくる。
「そうだ、昌子君の試合ももうすぐだよね。不本意ではあるけれど映画のヒロインの気持ちも解るかもしれないからね」結局、演技の勉強のつもりで通ったプロレスの道場の久保有紀に気に入られて、昌子はリングネーム『黒猫』でデビューすることになった。相手も新人レスラーだそうだ。まあ、エキシビジョンマッチといったところであろう。
「本当に大丈夫なのか?」俺には昌子がプロレスをするなんて、この間の久保有紀との試合を見るまで想像もつかなかった。まさか、おれの知っている彼女がプロレスなんて・・・・・・。
「ふーん、私の事も心配はしてくれるんだ・・・・・・・」なぜか棘のあるような言葉ではあった。なにが原因かは解らないが、まだ怒っているようだ。
「そうだ、亮介君。君にも神山監督から注文があってね。この空手道場に入門して技を身に付けて来て欲しいそうだ」言いながら胸のポケットから二つ折りした紙を手渡してきた。
「空手道樹心館?あまり聞いたことの無い道場ですね」高校生までは、空手道場で修行をしていたので有名どころの空手流派、道場はたいてい知っているつもりではあったが、その道場の名前は聞いた事が無かった。
「神山監督の映画に出てくる空手のイメージが、その空手だそうだ。私にはよく解らないけれどオーディションの時に君が見せた空手が似ていたそうだよ」オーディションとは、あの覆面ドライバーの・・・・・・・・、今考えると、あのアニーズの白川と仕事をしないで済んだ事を幸運と思うべきかもしれない。
「映画の撮影開始は、半年後に決まったそうだ。二人とも、それまでに役作りお願いするよ。あっ、昌子君はプロレスはほどほどにね」綾は昌子に釘をさす。
「はい・・・・・・」昌子はなぜか上の空のように返事をした。
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