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天地創造
12.命の実はまさかのアレ
しおりを挟むさて。未だ繁殖行動に明け暮れるゾンビさんたちですが、昼には平和が取り戻されました。
しかし弊害があります。これまで夜とは休む時間でした。それを休まないとなると、ゾンビさんの顔には疲労の色が出始めます。
"適度な加減でやってほしいのに……"
"だって飲まず食わずだから"
愛神さんの一言に私はハッとさせられました。
ゾンビさんたちは食事というものをされていません。そもそも食欲なんて持っていません。
別に養分が無くても過ごせていられた。でもそれは活動を始める前だったからでした。
"どうしたらいいでしょう?"
"任せんしゃい"
自身たっぷりに愛神さんは指を立てました。私にはそれが不幸の予兆にしか思えなかったのですが。私が手を出してしまうと……。なので見守ることに。
"そーーれっ!"
愛神さんが念じています。するとあの欠けた双葉の芽がキラキラと光りだしました。
次の瞬間には根の土が沸騰するみたいにモゴモゴ動き、芽は上へ横へぐんぐんと大きく成長しました。
これも「愛の力」のひとつかもしれません。やっぱりすごいです。本物の神様なんですね。
芽は立派な木にへと成長せずに、ツル科の植物として早い速度で伸びました。
黄色い花を付けています。ツルが絡まることでおそらく受粉をしたのでしょう。すぐに緑の実を実らせました。
"こ、これは!!"
実が熟すと赤くなる。
それは私も見たことがある野菜。
私が勢いで生み出した小さな双葉の芽は、何の変哲もない鈴なりのトマトを実らせたのでした。
ゾンビさんたちはトマトに群がりました。絡まるツタなので、そう高い位置には実らず簡単に収穫できます。
みずみずしいトマトをもぎ取ると、またその場所に黄色の花が咲きます。
トマトの植物は生きていて、常にうにょうにょヘビみたいにツタを動かしており少々不気味。
でも、それによって受粉→結実→収穫→開花……と、休むことなく続けられ、食糧難にはならずに済んだのです。
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どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
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