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女王の命は誰の手に?
セルジオ軍兵のやり方2
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『リピン侯爵。これはいくら何でも弾み過ぎるのではありませんか』
『何を仰るのか、アルメダ殿。これでも分割しての額だ。大金が行き来すると国管理の者がうるさくなる。ほんの前金の2倍額じゃないか』
『そうよ、あなた。侯爵様は国をお継ぎになるのですから。うちの葡萄畑も可愛がっていただかなくっちゃ』
『し、しかし……』
盗聴音声を垂れ流して聴きながら、俺は腹ごしらえを済ませている。会話で読み取れない関係性なんかはマリウスが詳しく話した。
「リリュード産の王室御用達ワインです。このアルメダ夫妻が管理している葡萄畑のワインなんですが、半年ほど前から違う商売を始めたみたいなんです」
「違う商売? 酒以外を売り出したとか」
「いいえ。酒蔵の管理権利を売ってるんですよ」
ふーんと思う。
「……権利を買って、毒を混ぜたワインを王室に送り出してんの?」
「クロスさんご明答です!! って。テレシア女王がヒントを出してましたもんね」
「……」
正解を当てても別に嬉しくないが、あの女王からのヒントもあったと言われると、より一層気分も悪い。
くあーと口を開けて、木皮みたいな魚の煮物を食おうとしたら皿に落とした。フォークの刺さりが甘かったというより、マリウスがテーブルに寄りかかったせいで天板が足ごと傾いたからだ。
「テレシア女王の護衛になるんですか?」
テーブルから身を乗り出して急に言われる。
そうだった。マリウスには盗聴されていたわけで。女王が俺に突きつけた『個人的な願い』ってやつを知っているんだったな……。だが答えは決まり切っている。
「よその国の知らない王族をなんで俺が護衛するんだ」
呆れてものを言ったが、マリウスは「そんなの簡単です」と即答をした。
「明日か今晩にでも、テレシア女王は誰かに殺されてしまうからです」
同時期、垂れ流しの会食会話でもこう言った。
『早いに越したことはない。むしろ我々はもっと急ぐべきだ。女王の死が何者かに持ち去られてしまえば私の投資が無駄になる。この作戦も台無しになってしまうからな。最も警戒をしていた昨夜の誕生祭では何事も無かったようだが。もしかすると、すでにセルジオの暗殺部隊が館内に侵入してるかもしれん……』
静かになる会食だったが、そこでエルメダ婦人の笑い声が場を刺した。
『だとしたら。今頃、毒に伏した女王を起こすのに涙目ですわね』
『なんと! ご婦人は未来を見るのがお上手だ!』
ワハハ、オッホッホと二人の笑い声が止まらない。
盗聴されているなんて知らずに、この小さな個室にも長く響いた。
「……と、いうことみたいです」
「へえ。未来が見える婦人か。……それは聞き逃せないな」
するとまた急にテーブルが大きく揺れる。弁当は空だったから無事だが、起きっぱなしのジョッキが二、三個床に落ちた。それを拾う気配のないマリウスは、やる気十分みたいだ。
「案内します!!」
立ち上がった勢いのままシャカリキに動いて、すぐに扉のところで俺の出発を待っている。
リリュード山の葡萄畑へは半日どころか数時間もかからない。「すぐ近くですよ」と、歩きながらマリウスが言った通り、駐屯地から歩いてすぐのところだった。
斜面の一角がワイン作りのための葡萄畑で面積は狭小。王族御用達ということは高い単価で売れているんだろう。生産量や副産物には力を入れてなさそうだ。
アルメダ夫婦が住む建物は至って平凡なもの。しかしそんな質素な暮らしに合わない馬車がひとつ止まっている。たぶん上級貴族リピン侯爵を連れてきたものなんだろうな。
「今時まだ馬で走らせてるんだな」
「おとぎ話みたいですよね」
敷地の一角で首を振る馬を、俺もマリウスも二人して珍しがって眺めている。「見せ物じゃないぞ」と、馬の番人に払いのけられた。
番人は自分の仕事を全うしてるだけなんで、俺たち客人がセルジオの軍兵だってことには気づかなかったみたいだな。おかげで命拾いが出来て何より……。
さっそく家屋のベルを鳴らす。
思いがけない来客だっただろうから少し中がバタついた。扉が開いて出迎えたのは畑の所有者ではなく住み込みで働いている男だ。
「すみません、今、立て込んでい……て」
それが彼の最後の言葉だった。
気を失っていてもバタリと倒れないようマリウスと二人がかりで支え、そっと玄関に横倒しにしておく。別に静かに殺さなくてよかったのか……職業病か。
足音は隠さないと決めて、部屋の中を進んで行った。客人を出迎えさせた男と、リビングへやってくる靴音が違うからすぐに異変を察知しただろうか。
「な、何かね君たちは!! ……ひいっ!?」
全員椅子から立ち上がっていた。装飾品を身につけた男が部屋の隅で身を震わせる。それがリピン侯爵。別のところで抱き合う二人がアルメダ夫妻だな。
彼らに銃口が向いている。全部で三つの銃口だ。おかしいじゃないか。俺の拳銃はリピン侯爵に。マリウスの散弾銃はアルメダ夫妻の方へ。
夫妻の方は、案の定婦人の方が窓からでも逃げようとしたらしかった。しかしそうはいかない。
「これは何のイタズラですの!?」
突然出てきた銃口は、咄嗟に動いた婦人を逃げられなくした。
それは税理士として会食に同席していた男でいて、その素性はセルジオ軍兵のひとりだったから出来たことだ。……よく見てみると、証拠にパン屋のマークがついたピンバッチを付けてる。あれも盗聴器入りか?
「セルジオ……。お、お前たちがここで何をしている!?」
リピン侯爵が声を上げている。仕方がないから俺が答えてやろう。
「何をって言われると困っちゃうんですけど。ちょっとウチに不利な匂いがしたもんですから。どんなもんかな~と思って」
そろそろと近付いてテーブルの上にある用紙を見た。
「ふーん。この金額で国が買えると思うと安いな」
大金は現場にて手渡し。トランクケースが四つもテーブルの上にあった。
「お前たちに私の金を奪う権限は無いはずだぞ!!」
俺の目が金に向いたことで、リピン侯爵はひどく不安にかられたみたいだ。
「大丈夫ですよ。俺たちが奪いたいのは金じゃないです」
「……!!」
さすが未来が見える婦人だ。察しがついて息を呑んだ。俺が正解を教えて、より確信付けてあげよう。
「今すぐ俺が殺すんじゃありません。ウチの国でよくよく取り調べをされてからです」
「ふざけるな!!」
リピン侯爵の叫び。しかし直後の銃声の方が音は大きい。
「いやああああ!!」
急所を外して少し撃っただけだ。血が出てぐったりしても死にはしない。それなのにアルメダ婦人は金切り声で叫び出す。困ってしまうな。平和ボケを起こした国ではもう少し手加減した方がよかったのか……。
「三人とも連れていく」
「はいっ!」「はっ!」
屋外へ出ると馬と番人と馬車が見当たらない。その代わりに連行用の車が停まっている。帰したのか処分したのか、後から駆け付けたセルジオ兵士がどちらかで対応してくれたんだろう。
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『何を仰るのか、アルメダ殿。これでも分割しての額だ。大金が行き来すると国管理の者がうるさくなる。ほんの前金の2倍額じゃないか』
『そうよ、あなた。侯爵様は国をお継ぎになるのですから。うちの葡萄畑も可愛がっていただかなくっちゃ』
『し、しかし……』
盗聴音声を垂れ流して聴きながら、俺は腹ごしらえを済ませている。会話で読み取れない関係性なんかはマリウスが詳しく話した。
「リリュード産の王室御用達ワインです。このアルメダ夫妻が管理している葡萄畑のワインなんですが、半年ほど前から違う商売を始めたみたいなんです」
「違う商売? 酒以外を売り出したとか」
「いいえ。酒蔵の管理権利を売ってるんですよ」
ふーんと思う。
「……権利を買って、毒を混ぜたワインを王室に送り出してんの?」
「クロスさんご明答です!! って。テレシア女王がヒントを出してましたもんね」
「……」
正解を当てても別に嬉しくないが、あの女王からのヒントもあったと言われると、より一層気分も悪い。
くあーと口を開けて、木皮みたいな魚の煮物を食おうとしたら皿に落とした。フォークの刺さりが甘かったというより、マリウスがテーブルに寄りかかったせいで天板が足ごと傾いたからだ。
「テレシア女王の護衛になるんですか?」
テーブルから身を乗り出して急に言われる。
そうだった。マリウスには盗聴されていたわけで。女王が俺に突きつけた『個人的な願い』ってやつを知っているんだったな……。だが答えは決まり切っている。
「よその国の知らない王族をなんで俺が護衛するんだ」
呆れてものを言ったが、マリウスは「そんなの簡単です」と即答をした。
「明日か今晩にでも、テレシア女王は誰かに殺されてしまうからです」
同時期、垂れ流しの会食会話でもこう言った。
『早いに越したことはない。むしろ我々はもっと急ぐべきだ。女王の死が何者かに持ち去られてしまえば私の投資が無駄になる。この作戦も台無しになってしまうからな。最も警戒をしていた昨夜の誕生祭では何事も無かったようだが。もしかすると、すでにセルジオの暗殺部隊が館内に侵入してるかもしれん……』
静かになる会食だったが、そこでエルメダ婦人の笑い声が場を刺した。
『だとしたら。今頃、毒に伏した女王を起こすのに涙目ですわね』
『なんと! ご婦人は未来を見るのがお上手だ!』
ワハハ、オッホッホと二人の笑い声が止まらない。
盗聴されているなんて知らずに、この小さな個室にも長く響いた。
「……と、いうことみたいです」
「へえ。未来が見える婦人か。……それは聞き逃せないな」
するとまた急にテーブルが大きく揺れる。弁当は空だったから無事だが、起きっぱなしのジョッキが二、三個床に落ちた。それを拾う気配のないマリウスは、やる気十分みたいだ。
「案内します!!」
立ち上がった勢いのままシャカリキに動いて、すぐに扉のところで俺の出発を待っている。
リリュード山の葡萄畑へは半日どころか数時間もかからない。「すぐ近くですよ」と、歩きながらマリウスが言った通り、駐屯地から歩いてすぐのところだった。
斜面の一角がワイン作りのための葡萄畑で面積は狭小。王族御用達ということは高い単価で売れているんだろう。生産量や副産物には力を入れてなさそうだ。
アルメダ夫婦が住む建物は至って平凡なもの。しかしそんな質素な暮らしに合わない馬車がひとつ止まっている。たぶん上級貴族リピン侯爵を連れてきたものなんだろうな。
「今時まだ馬で走らせてるんだな」
「おとぎ話みたいですよね」
敷地の一角で首を振る馬を、俺もマリウスも二人して珍しがって眺めている。「見せ物じゃないぞ」と、馬の番人に払いのけられた。
番人は自分の仕事を全うしてるだけなんで、俺たち客人がセルジオの軍兵だってことには気づかなかったみたいだな。おかげで命拾いが出来て何より……。
さっそく家屋のベルを鳴らす。
思いがけない来客だっただろうから少し中がバタついた。扉が開いて出迎えたのは畑の所有者ではなく住み込みで働いている男だ。
「すみません、今、立て込んでい……て」
それが彼の最後の言葉だった。
気を失っていてもバタリと倒れないようマリウスと二人がかりで支え、そっと玄関に横倒しにしておく。別に静かに殺さなくてよかったのか……職業病か。
足音は隠さないと決めて、部屋の中を進んで行った。客人を出迎えさせた男と、リビングへやってくる靴音が違うからすぐに異変を察知しただろうか。
「な、何かね君たちは!! ……ひいっ!?」
全員椅子から立ち上がっていた。装飾品を身につけた男が部屋の隅で身を震わせる。それがリピン侯爵。別のところで抱き合う二人がアルメダ夫妻だな。
彼らに銃口が向いている。全部で三つの銃口だ。おかしいじゃないか。俺の拳銃はリピン侯爵に。マリウスの散弾銃はアルメダ夫妻の方へ。
夫妻の方は、案の定婦人の方が窓からでも逃げようとしたらしかった。しかしそうはいかない。
「これは何のイタズラですの!?」
突然出てきた銃口は、咄嗟に動いた婦人を逃げられなくした。
それは税理士として会食に同席していた男でいて、その素性はセルジオ軍兵のひとりだったから出来たことだ。……よく見てみると、証拠にパン屋のマークがついたピンバッチを付けてる。あれも盗聴器入りか?
「セルジオ……。お、お前たちがここで何をしている!?」
リピン侯爵が声を上げている。仕方がないから俺が答えてやろう。
「何をって言われると困っちゃうんですけど。ちょっとウチに不利な匂いがしたもんですから。どんなもんかな~と思って」
そろそろと近付いてテーブルの上にある用紙を見た。
「ふーん。この金額で国が買えると思うと安いな」
大金は現場にて手渡し。トランクケースが四つもテーブルの上にあった。
「お前たちに私の金を奪う権限は無いはずだぞ!!」
俺の目が金に向いたことで、リピン侯爵はひどく不安にかられたみたいだ。
「大丈夫ですよ。俺たちが奪いたいのは金じゃないです」
「……!!」
さすが未来が見える婦人だ。察しがついて息を呑んだ。俺が正解を教えて、より確信付けてあげよう。
「今すぐ俺が殺すんじゃありません。ウチの国でよくよく取り調べをされてからです」
「ふざけるな!!」
リピン侯爵の叫び。しかし直後の銃声の方が音は大きい。
「いやああああ!!」
急所を外して少し撃っただけだ。血が出てぐったりしても死にはしない。それなのにアルメダ婦人は金切り声で叫び出す。困ってしまうな。平和ボケを起こした国ではもう少し手加減した方がよかったのか……。
「三人とも連れていく」
「はいっ!」「はっ!」
屋外へ出ると馬と番人と馬車が見当たらない。その代わりに連行用の車が停まっている。帰したのか処分したのか、後から駆け付けたセルジオ兵士がどちらかで対応してくれたんだろう。
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