78 / 172
Ⅱ.籠れぬ冬
なんてね。本当はちょっと違うの
しおりを挟む
人の家で時を待つのは退屈でしかたがなかった。それも俺から言い出したことなので覆すこともできない。
起きては飯を食い、部屋にこもってまた時間になれば飯を食うだけの生活は、今すぐにでも不健康になりそうだった。
「監獄かここは」
よくよく晴れた青空を眺めながら俺はそう口にした。
「王の用事はすぐに終わると踏んでいたのにもう丸二日だ。実は用事なんかではなく、事件にも巻き込まれてるんじゃないか?」
傍でシーツをたたんでいるカイセイが否定する。
「もしそうだとしたら皆さん落ち着きすぎですよ。それに事件なら我々にも伝えられるはずです」
そうだよなとは思うが、俺は青空に睨みをきかせている。
窓の下は庭の隅であり、仕事途中の使用人たちが和気あいあいと会話を弾ませているのが見下ろせる。面白い話でもして笑い声が湧き上がると、この上の階にまでも届いてきた。
平和な日常だ。俺はこんなところで何をしているのだろうと考えてしまう。
「ちょっとこれ運んできますね」
カイセイはシーツを持っていくようである。
俺は部屋を出ていくカイセイを見ずに手だけ振って送った。建て付けの悪い扉がギュインと物騒な音を立てながら閉まった。
部屋に俺だけになると一層静かになり、下の使用人たちの話し声がよく聞こえてくる。
耳を澄ますと休日の話題で盛り上がっているようである。週末、家族と共にケーキを焼いて失敗したなんて話は別に俺としては面白くも何ともない。
諦めて遠くの方に目を移した。
すぐ隣の敷地にはこの豪邸よりも背の高い建物があり、その周りも数々の家で埋め尽くされていた。いわゆる住宅街という場所であった。
その中でひとしきり手がかかったとされる建物が見えていた。新しそうな建物だ。レンガで組まれた三角屋根の上には信仰のシンボルを掲げている。
「宗教か……」
あれは俺の国では大して広まっていない。
今日は平日なので人気は少なく、数人の女性が働いてホウキで地面を掃いたり、花壇に水をやったりする様子がそこにあった。
そういえばネザリアにも聖堂があったことを思い出す。最後は火を付けて国仕舞いを図った者がいたが、その後はどうなったんだろうなどと考えた。
考えたがすぐ飽きた。
その後も俺はずっと窓の外を見続けた。家に入っていく者を追い、家から出ていく者を追った。すると、やっぱり俺はこんなところで何をしているんだろうと思うのであった。
「遅くないかあいつ」
振り返ると扉は閉まったっきりである。まさか俺が人間観察にあまりに集中しすぎて気付かなかったなんてもこともあるまい。
「道にでも迷ったか?」
はぁ。とため息を吐き、ようやく移動する。
カイセイを探すべく俺は部屋の外に出た。
あまりウロウロと歩き回りたくは無い。あいつはシーツを運んで行ったから、きっと使用人のいる場所だと目星をつけている。
ちょうど同じ階の一番奥にある部屋に女性の使用人が入って行くのが見えた。
俺はそこへ向かうことにした。床がミシミシ唸り声を上げており、歩くだけで危なっかしい。
途中で床が抜けるアクシデントも無く到着だ。扉の形は俺が居た部屋と似たようなものだが、ここはいったい何の部屋なんだろうか。ノックをして開けてみる。
だが目が合ったのは女性ばかりであった。それも下着姿のな。
「キャアアア!!」
俺はびっくり箱をねじ伏せる勢いで扉を閉めた。
部屋の中は荒れる女性達の叫び声が鳴り止まない。あそこは更衣室だったのだ。
「すまん! 知らなかったのだ! 誰かカイセイを知らんか! 俺はあいつを探していただけなんだあああ!!」
他人の家はうろつくものではないな。どっと疲れた俺はトボトボと階段を下っている。
あの後の使用人は落ち着いて話を聞いてくれ、玄関のところで見たという情報をくれたからだ。
もちろん被害者は彼女らであるが、俺としてもショックである。叱られ、叩かれた上に更衣室を覗いたとシャーロットに伝われば、あいつは俺のことをミジンコを見るような目で見てくることだろうな……。
彫刻細工で掴みにくい手すりを頼りに進み、階段の踊り場に出る。
すると話し声が聞こえた。あまりにぼーっとしていたせいで、危うく登場してしまうところであった。
俺は慌てて静止してその場の床へゆっくりと腰を降ろす。手すりの影になる場所でそっと耳をすませた。
「そっちの国はどうなの? お兄様との連絡は付いている?」
声はシャーロットである。それに答えるのはカイセイだ。
「いいえ。こちらから連絡する手段も無く……」
「ほんっとにもう。兄弟揃って何を考えているのよ」
どれだけ経っても怒り冷めやらない様子を想像した。
「シャーロット様は、どうしてバル様がよろしいのでしょうか」
「え?」
カイセイからの質問はシャーロットも意外だったのだろう。声をひっくり返して驚いているようだった。
カイセイは「僭越ながら」と一言告げた上で続きを言う。
「たしかにバル様は他の王とは違い、地位や立場にこだわりを持つ方ではありません。ですのでシャーロット様がバル様とご結婚されれば、ある程度の自由は許されるのだと想像は出来ます。しかしお相手が例えばメルチ王国のリュンヒン王であれば、ニューリアンは今以上に安定することでしょうし、何より彼は向上心に蓋をしない人物です。きっとシャーロット様のお望みを後押ししてくださると思いますが」
我が側近はまことにナイスなことを口にした。
ここは俺も固唾を飲んで答えを待つことにする。シャーロットがどう返すのか俺も知りたいところだ。
シャーロットは少し悩んでいるのかも知れない。少し沈黙の間が続いていた。
やがて彼女の中で答えが出たらしく、俺の方にも「そうね」と小さく聞こえた。
「そのリュンヒン様が良い人ならそれも良いかもしれないわね。でもわたくしが心の底からお慕えしているのはバル様なのよ?」
まさかシャーロットがここでも俺に本気で惚れているという解答を出した。
本音を期待した俺は、彼女がいつものシャーロットで変わりなく若干ホッとする。しかしそれも束の間。次には「なんてね。本当はちょっと違うの」と言うのである。
「バル様のことは大好きよ。きっと結婚してもわたくしは彼の事をずっと好きで居られる気がするわ。でも実はわたくし、いくらバル様をお慕えしていたとしても本心はずっと独身でいたいのよ」
「えっ!? そ、それはどういう意味ですか?」
カイセイの戸惑う声がする。
それは上級階級に生まれて嫁がない姫など存在しないからである。
「皇族女性が結婚を望まれないというのは……」
「あなたも分かってくれないのね。カイセイ」
シャーロットの声は虚しそうであった。
「……女性は結婚するもの。子供を宿して夫に尽くすもの。家同士を繋ぐもの。わたくしもそう教えられてきたけれど、それでわたくしは幸せになれるのかしらとずっと悩んできたのよ。周りはわたくしのことを国の献上品としか思っていない。でもわたくしは人間なの。自分で考えて自分の行動ぐらい選択できるわ。ただ、その自由を許さないのが結婚だということ」
少し沈黙が出来た。
きっとカイセイも俺と同じように考えを巡らせている。
「難しい顔をしないで。別に大したことじゃないわ。私の人生において結婚することはあまり重要じゃないだけ。自分の行動でどんなことが出来るのか試してみたいの」
そう言い切ると、シャーロットは子供のような明るい笑い声を廊下に響かせた。
「自分のことを話すと少し恥ずかしいわね」
照れ笑いだったようだ。
するとバタバタと掛ける足音がこちらへやって来た。
使用人だろうか。たった一言「女の子でした」とだけ聞こえる。一体何の話かは分からん。
「……そう。分かったわ。すぐに行く」
シャーロットはカイセイに別れを告げる。
「あなたとスイナが結ばれるのも時間がかかると思うわ。是非スイナのことを色々知ってから考えてちょうだい」
それから駆け足が遠ざかっていった。
「よう」
「盗み聞きですか」
「まあな」
踊り場までやってきたカイセイと鉢合わせになる。別に俺は悪いとも思っていないのでその場にずっと居た。
カイセイも別に驚いた様子は無かった。それよりもシャーロットや自分のことを考えるので手一杯のようであった。
そのまま一緒に部屋へと向かうことになるが、お互い何も話し出さずに無言のままだ。横並びに階段を上がって行き、部屋に入っても背中を向けてだんまりであった。
……自分の行動でどんなことが出来るのか試してみたい。そんな美しい動機で今に至るまで生きてきたことが無い。見習うべきかもしれんと俺も考えていた。
「ただしそうするには婦人という足枷が邪魔になる……か」
身勝手で横暴な権力者なら山のようにいる。そんな男のもとへ嫁いでしまえば最後だろう。
俺はそのような事をしない。むしろ無関心だったりもする。
……なるほど。シャーロットが執拗に俺と結婚したがる理由がだんだん分かってきた。
起きては飯を食い、部屋にこもってまた時間になれば飯を食うだけの生活は、今すぐにでも不健康になりそうだった。
「監獄かここは」
よくよく晴れた青空を眺めながら俺はそう口にした。
「王の用事はすぐに終わると踏んでいたのにもう丸二日だ。実は用事なんかではなく、事件にも巻き込まれてるんじゃないか?」
傍でシーツをたたんでいるカイセイが否定する。
「もしそうだとしたら皆さん落ち着きすぎですよ。それに事件なら我々にも伝えられるはずです」
そうだよなとは思うが、俺は青空に睨みをきかせている。
窓の下は庭の隅であり、仕事途中の使用人たちが和気あいあいと会話を弾ませているのが見下ろせる。面白い話でもして笑い声が湧き上がると、この上の階にまでも届いてきた。
平和な日常だ。俺はこんなところで何をしているのだろうと考えてしまう。
「ちょっとこれ運んできますね」
カイセイはシーツを持っていくようである。
俺は部屋を出ていくカイセイを見ずに手だけ振って送った。建て付けの悪い扉がギュインと物騒な音を立てながら閉まった。
部屋に俺だけになると一層静かになり、下の使用人たちの話し声がよく聞こえてくる。
耳を澄ますと休日の話題で盛り上がっているようである。週末、家族と共にケーキを焼いて失敗したなんて話は別に俺としては面白くも何ともない。
諦めて遠くの方に目を移した。
すぐ隣の敷地にはこの豪邸よりも背の高い建物があり、その周りも数々の家で埋め尽くされていた。いわゆる住宅街という場所であった。
その中でひとしきり手がかかったとされる建物が見えていた。新しそうな建物だ。レンガで組まれた三角屋根の上には信仰のシンボルを掲げている。
「宗教か……」
あれは俺の国では大して広まっていない。
今日は平日なので人気は少なく、数人の女性が働いてホウキで地面を掃いたり、花壇に水をやったりする様子がそこにあった。
そういえばネザリアにも聖堂があったことを思い出す。最後は火を付けて国仕舞いを図った者がいたが、その後はどうなったんだろうなどと考えた。
考えたがすぐ飽きた。
その後も俺はずっと窓の外を見続けた。家に入っていく者を追い、家から出ていく者を追った。すると、やっぱり俺はこんなところで何をしているんだろうと思うのであった。
「遅くないかあいつ」
振り返ると扉は閉まったっきりである。まさか俺が人間観察にあまりに集中しすぎて気付かなかったなんてもこともあるまい。
「道にでも迷ったか?」
はぁ。とため息を吐き、ようやく移動する。
カイセイを探すべく俺は部屋の外に出た。
あまりウロウロと歩き回りたくは無い。あいつはシーツを運んで行ったから、きっと使用人のいる場所だと目星をつけている。
ちょうど同じ階の一番奥にある部屋に女性の使用人が入って行くのが見えた。
俺はそこへ向かうことにした。床がミシミシ唸り声を上げており、歩くだけで危なっかしい。
途中で床が抜けるアクシデントも無く到着だ。扉の形は俺が居た部屋と似たようなものだが、ここはいったい何の部屋なんだろうか。ノックをして開けてみる。
だが目が合ったのは女性ばかりであった。それも下着姿のな。
「キャアアア!!」
俺はびっくり箱をねじ伏せる勢いで扉を閉めた。
部屋の中は荒れる女性達の叫び声が鳴り止まない。あそこは更衣室だったのだ。
「すまん! 知らなかったのだ! 誰かカイセイを知らんか! 俺はあいつを探していただけなんだあああ!!」
他人の家はうろつくものではないな。どっと疲れた俺はトボトボと階段を下っている。
あの後の使用人は落ち着いて話を聞いてくれ、玄関のところで見たという情報をくれたからだ。
もちろん被害者は彼女らであるが、俺としてもショックである。叱られ、叩かれた上に更衣室を覗いたとシャーロットに伝われば、あいつは俺のことをミジンコを見るような目で見てくることだろうな……。
彫刻細工で掴みにくい手すりを頼りに進み、階段の踊り場に出る。
すると話し声が聞こえた。あまりにぼーっとしていたせいで、危うく登場してしまうところであった。
俺は慌てて静止してその場の床へゆっくりと腰を降ろす。手すりの影になる場所でそっと耳をすませた。
「そっちの国はどうなの? お兄様との連絡は付いている?」
声はシャーロットである。それに答えるのはカイセイだ。
「いいえ。こちらから連絡する手段も無く……」
「ほんっとにもう。兄弟揃って何を考えているのよ」
どれだけ経っても怒り冷めやらない様子を想像した。
「シャーロット様は、どうしてバル様がよろしいのでしょうか」
「え?」
カイセイからの質問はシャーロットも意外だったのだろう。声をひっくり返して驚いているようだった。
カイセイは「僭越ながら」と一言告げた上で続きを言う。
「たしかにバル様は他の王とは違い、地位や立場にこだわりを持つ方ではありません。ですのでシャーロット様がバル様とご結婚されれば、ある程度の自由は許されるのだと想像は出来ます。しかしお相手が例えばメルチ王国のリュンヒン王であれば、ニューリアンは今以上に安定することでしょうし、何より彼は向上心に蓋をしない人物です。きっとシャーロット様のお望みを後押ししてくださると思いますが」
我が側近はまことにナイスなことを口にした。
ここは俺も固唾を飲んで答えを待つことにする。シャーロットがどう返すのか俺も知りたいところだ。
シャーロットは少し悩んでいるのかも知れない。少し沈黙の間が続いていた。
やがて彼女の中で答えが出たらしく、俺の方にも「そうね」と小さく聞こえた。
「そのリュンヒン様が良い人ならそれも良いかもしれないわね。でもわたくしが心の底からお慕えしているのはバル様なのよ?」
まさかシャーロットがここでも俺に本気で惚れているという解答を出した。
本音を期待した俺は、彼女がいつものシャーロットで変わりなく若干ホッとする。しかしそれも束の間。次には「なんてね。本当はちょっと違うの」と言うのである。
「バル様のことは大好きよ。きっと結婚してもわたくしは彼の事をずっと好きで居られる気がするわ。でも実はわたくし、いくらバル様をお慕えしていたとしても本心はずっと独身でいたいのよ」
「えっ!? そ、それはどういう意味ですか?」
カイセイの戸惑う声がする。
それは上級階級に生まれて嫁がない姫など存在しないからである。
「皇族女性が結婚を望まれないというのは……」
「あなたも分かってくれないのね。カイセイ」
シャーロットの声は虚しそうであった。
「……女性は結婚するもの。子供を宿して夫に尽くすもの。家同士を繋ぐもの。わたくしもそう教えられてきたけれど、それでわたくしは幸せになれるのかしらとずっと悩んできたのよ。周りはわたくしのことを国の献上品としか思っていない。でもわたくしは人間なの。自分で考えて自分の行動ぐらい選択できるわ。ただ、その自由を許さないのが結婚だということ」
少し沈黙が出来た。
きっとカイセイも俺と同じように考えを巡らせている。
「難しい顔をしないで。別に大したことじゃないわ。私の人生において結婚することはあまり重要じゃないだけ。自分の行動でどんなことが出来るのか試してみたいの」
そう言い切ると、シャーロットは子供のような明るい笑い声を廊下に響かせた。
「自分のことを話すと少し恥ずかしいわね」
照れ笑いだったようだ。
するとバタバタと掛ける足音がこちらへやって来た。
使用人だろうか。たった一言「女の子でした」とだけ聞こえる。一体何の話かは分からん。
「……そう。分かったわ。すぐに行く」
シャーロットはカイセイに別れを告げる。
「あなたとスイナが結ばれるのも時間がかかると思うわ。是非スイナのことを色々知ってから考えてちょうだい」
それから駆け足が遠ざかっていった。
「よう」
「盗み聞きですか」
「まあな」
踊り場までやってきたカイセイと鉢合わせになる。別に俺は悪いとも思っていないのでその場にずっと居た。
カイセイも別に驚いた様子は無かった。それよりもシャーロットや自分のことを考えるので手一杯のようであった。
そのまま一緒に部屋へと向かうことになるが、お互い何も話し出さずに無言のままだ。横並びに階段を上がって行き、部屋に入っても背中を向けてだんまりであった。
……自分の行動でどんなことが出来るのか試してみたい。そんな美しい動機で今に至るまで生きてきたことが無い。見習うべきかもしれんと俺も考えていた。
「ただしそうするには婦人という足枷が邪魔になる……か」
身勝手で横暴な権力者なら山のようにいる。そんな男のもとへ嫁いでしまえば最後だろう。
俺はそのような事をしない。むしろ無関心だったりもする。
……なるほど。シャーロットが執拗に俺と結婚したがる理由がだんだん分かってきた。
0
あなたにおすすめの小説
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる