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第17羽 Let's フィッシング
しおりを挟む上空を翼竜に押さえられていた状況から一転、私が上を取り魚の対処を押しつける事に成功しました。
翼が傷ついた翼竜は満足に飛ぶこともできません。少し大変ではありますが逃げることも可能でしょう。
ですが目的が生まれたのでこのまま戦います。
さっそく翼竜が攻撃をしかけてきました。単純なブレスです。
……せっかくなので試してみましょうか。
飛んでくるブレスを避けることなく――足で優しく衝撃を吸収し、刺激しないように一回転して明後日の方向へと蹴り飛ばしました。
これには流石に翼竜もポカンとしています。
やったことは単純です。私は飛ぶときに風の力を補助として使っています。その補助を足に回して、火傷をしないようにベールのように保護。後は火球を足で受けたときに、爆発しないようにすれば対処は簡単です。
よし、これなら大丈夫そうですね。
ふむ、どうやら私が火球を対処したのを見てブレスを使うのをやめましたね。
無駄撃ちをやめて様子を見ることはできるようです。
せっかくなので練習も兼ねて《カマイタチ》を使ってみましょう。
羽ばたくと同時に発生する風に鋭さを追加。風の刃となってパラパラと襲いかかります。……弱いですね。
翼竜の鱗に弾かれて全くダメージが入っていません。鬼の力は物理方面に偏っているので、これが本当の素の力になります。魔法方面の前世が解放できればまた変わるのでしょうが……。
カンカンカンカン弾かれている《カマイタチ》ですが、フルプレートメイルの上から小石を投げられているくらいの威力はあるはずです。はっきり言って玩具ですね。
相手をイラつかせる程度のことはできます。現に翼竜が火球を放ってきました。今回は打ち返さず余裕を以て避けます。
相手をイラつかせるのは鬼眼の方がコスパ良くできますが、これは練習なので別に良いです。
タイミングも良いのでもっかいやります。
《カマイタチ》をパラパラふりかけます。ほれほれ~。
相手は爬虫類なので表情なんてわかりませんが、何となくイラついている気がします。口からも炎が洩れてますし。
あ、ブレス吐きました。結構沸点低いですね。熱くなりやすいのでしょうか。
まあ、そのせいで下から飛び跳ねてきた魚に気づかなかった訳ですが。今更気づいたところでブレスを吐いて硬直した体では避けることなんてできません。
このままだと魚のエサになるわけですが……、今回は運が良かったですね。
翼竜がまともに動けないでいる間に、火球を受け流しの要領でサッカーボールのように絡め取り、飛んできていた魚の口にシューッ!!!
空中でまともに動く術のない魚は避けることなんてできません。
おまけで口を塞ぐように風の玉を投げつけてやれば、威力が逃げることなく、体内で大爆発を起こします。
ただでさえ火が苦手な魚はなすすべもなく。
結果しめやかに爆発四散。私の勝ちです。
と、そこで比較的大きな魚の切り身(?)が飛んできたのでキャッチしました。そのまま口に運びます。
あ、やっぱり美味しい。ジューシーな魚の旨みがギュッと詰まっていて、身がほろほろと崩れていきます。口に運ぶのが止まりません。
いえ、翼竜が魚に捕まってブレスを何度も吐いたときがあったじゃないですか。あのときですね、こう、ものすごく良いにおいが漂ってきまして……。ちょっと狙ってたんですよね、翼竜を使って焼くの。私は火を使えないので。
……なんですか、まともなもの食べてないんだから仕方ないじゃないですか!!お腹すいてるんですよ!!
誰にともなく言い訳をしていると翼竜がじっとこちらを見つめていました。なのでにらみ返します。
なんですか。これはあげませんよ。もぐもぐ。
これ食べるのに忙しいので帰ってくれません?もぐもぐ。あ、美味しい。
戦撃を使うとかなりエネルギーを使うのでお腹が空くんですよ。ゴクン。
しばらくにらみ合っていましたが……。
おや?翼竜が背を向けて飛び去っていきました。……本当に帰りましたね。
うーん、結果的に翼竜を助ける形になりましたから、引いてくれたのかも知れません。あのままやっても私の勝ちでしたが。
不用意に戦わなくて良いならそちらの方がありがたいですので。
魚を焼くのは必要だったので仕方ないですが。仕方ないですが。
この場に留まっても良いことはありませんのでさっさと移動しましょうか。陸地に着いたらある程度離れた場所で休みましょう。今日は疲れました。
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