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第24羽 進化して②
しおりを挟む激闘の末死した地竜。その上に堆《うずたか》く積まれた瓦礫の前に力なく座り込みます。
しばらく動けそうにありませんのでステータスでも確認しましょうか。
名前 メルシュナーダ 種族:キッズバーディオン
Lv.35 状態:進化可能
生命力:35/1407
総魔力: 6/ 498
攻撃力: 462
防御力: 167
魔法力: 189
魔抗力: 151
敏捷力:1024
種族スキル
羽ばたく[+飛行・風の力・カマイタチ]・つつく[+貫通力強化]・鷲づかみ[+握撃]
特殊スキル
魂源輪廻[+限定解放(鬼)・(吸血鬼)]
称号
輪廻から外れた者・魂の封印・格上殺し
レベルが26から35に上がっていました。かなり上がりましたね。地竜の強さからすると少ないような気もしますが、文句は言っても仕方ないので諦めましょう。
ステータスは軒並み上がって、敏捷力は遂に1000を突破。死にかけなせいで生命力と総魔力の現在値がかなり低くなっています。吸血は効果切れなのでゆっくりですが、双方回復しています。
今回使った『つつく』と『鷲づかみ』に新スキルが追加されました。
『つつく』は『貫通力強化』です。今は試す体力はないので検証はできませんが、吸血の助けぐらいにはなるんじゃないでしょうか。
『鷲づかみ』は『握撃』です。多分握力が強化されたのでしょう。
後は特殊スキルに『吸血鬼』が追加された事でしょうか。
吸血鬼の能力を見ていきましょうか。
・限定解放(吸血鬼)
解放能力 [+夜の支配者:公爵級・血葬・高速再生・飛行適正・空間把握]
「夜の支配者:公爵級」は吸血鬼としての基本能力ですね。夜の間全ての能力に補正が加わって逆に日の下では弱体化します。暗闇でも一定の効果があります。夜目の効果もこれですね。
そして吸血鬼としての能力全てに公爵級としての補正が加算されます。
公爵級と言うのは吸血鬼のランクを表したもので、通常下から男爵・子爵・伯爵・侯爵・公爵があります。
私は公爵級なのでこの中ではトップなのですが、別枠として真祖とか始祖などのバケモノがいるので特別強い方ではありません。
「血葬」は吸血関連能力をまとめたものです。吸血によって全ての能力が上昇します。増血効果あり。自分の血を自在に操る事ができる。遠くからでも血の匂いがわかるようになります。
「高速再生」は傷が速く治る能力です。翼が生えたり、足が生えたりしたやつです。
「飛行適正」は飛ぶのが得意になる能力です。
「空間把握」は自分を中心に一定範囲の事が見ていなくてもわかります。暗闇だとなお良しです。
スキルはこれだけですが吸血鬼は軒並みステータスが高いので素の力がバカ強いです。スキル込みだと鬼の方が攻撃力に関しては上ですが、それ以外は圧倒しています。
まあ鬼の人生は成人する前に死んでしまったことと、吸血鬼が単純に寿命がかなり長いことがかなりの要因を締めているのですが。
そして最後。状態の進化可能です。
進化、しましょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
現在:キッズバーディオン E+
→ビッグバーディオン:D+
→バーディオン:D
→パラキード:D
→キッズスワロー:D
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
進化先は今回は四つ。
前回と比べてスモールバーディオンがなくなり、ビックバーディオンが追加されています。
バーディオンとパラキードはキッズでなくなってしまいました。代わりにキッズのスワローが追加されています。
ビッグバーディオンは大きいバーディオンなのでしょう。お母様の種族はわかりませんが、それに近づくのではないでしょうか。
バーディオンは汎用種、パラキードはインコの成鳥なのでしょう。
キッズスワローはスワローの子供、つまりツバメの子供。
ビッグバーディオンが非常に魅力的ですね。お母様の強さは知っていますし、ミルが言うには帝種という世界最高峰の魔物であることもわかります。行く先がお母様の種族であるなら、強さは約束されていると言っても良いでしょう。
しかしネックが一つ。現状私の強さとこの森の環境から、大きくなることはメリットばかりではありません。ビッグバーディオンがどれほどの強さかはわかりませんが、デメリットの方が大きいような気もしています。私の戦闘スタイルが防御寄りのカウンター狙いなので、小回りが利きにくい種族は相性が良いとは言えません。
とりあえずバーディオンでお茶を濁すのも手です。パラキードはよくわかりませんね。せめてどんな種族なのか教えてくれれば良いんですけど。
キッズスワローはキッズなのにバーディオンと同じランクに区分されているのがポイントですね。確かツバメは渡りをしていたはずなので飛ぶのは得意な筈です。
そう考えるとインコであるパラキードはあまり飛ぶのが得意ではないのかも知れません。野生よりも飼われているイメージの方が強いですからね。
……良し、決めました。成れるかはわかりませんが、ビッグバーディオンは将来に取っておきましょう。
今回はキッズスワローに進化します。とりあえずのバーディオンで迷いましたが、より長距離が飛べそうなキッズスワローにします。早く帰りたいですからね。
ポチッとな。
あれ……?疲れがでたのでしょうか。なんだか……、眠……気が……。
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
んむ、どうやら寝ていたようです。少し休むだけのつもりだったのですが。進化をすると眠ってしまうのでしょうか。次は気をつけないと行けませんね。
とりあえず進化後のステータスを確認しましょうか。
名前 メルシュナーダ 種族:キッズスワロー
Lv.1 状態:疲労(極度)
生命力:102/1998
総魔力: 52/ 658
攻撃力: 513
防御力: 199
魔法力: 233
魔抗力: 181
敏捷力:1422
種族スキル
羽ばたく[+飛行・強風の力・カマイタチ・射出]・つつく[+貫通力強化]・鷲づかみ[+握撃]
特殊スキル
魂源輪廻[+限定解放(鬼)・(吸血鬼)]
称号
輪廻から外れた者・魂の封印・格上殺し
む、体が重いと思ったらステータスに表示されるほどの疲労ですか。そのせいか生命力も総魔力も全然回復していません。早くここを出て何か食べないとマズいかもですね。残念ながら地竜は瓦礫の下。食料にはできません。掘り起こす体力はないです。
巻いていきましょうか。
伸びたステータスはもう良いでしょう。
スキルの『風の力』が『強風の力』になっています。
『射出』というスキルが追加されました。何だろうと思ったのですが、ふと思い出されたのがお母様が翼竜を羽で蜂の巣にするシーンです。これは多分羽を発射するスキルですね。
他に変化は特にないですね。
ステータスの確認はこれくらいにして扉を見に行きましょう。
傷ぐらいついていてもおかしくないと思っていたのですが、無傷ですね。
扉について思ったのはそんな感想でした。
ドーム状の洞窟が所々崩れていたのにきれいなものです。
しかし残念なことに封印のようなものは健在。開くことはありませんでした。
マズいですね。地竜が門番のように存在していたので倒せば流石に開くと思っていたのですが。
こうなると元来た通路を掘り返すくらいしか手がありません。今の体力では……力尽きるのが先でしょう。
ジワジワと焦燥感が足下から迫ってきました。
焦りで冷静な思考が保てない。
どうする……、どうする……。折角地竜を下したのに、死因が餓死では……。
と、その時僅かな感覚が何かを捕らえました。
これは……風!?
僅か、ほんの僅かですが風の流れを捕らえました。恐らくですが『強風の力』が影響しているのでしょう。今までの『風の力』では捕らえられなかったか細さ。
鳥の姿になった今、風は友のようなものです。風の流れは手に取るようにわかります。助かりました。
風の流れをたどっていくと、私が通ってきた通路の真反対辺りにたどり着きました。
目の前には今にも崩れそうな壁が。蹴り飛ばします。
そこには同じような通路がありました。当たりです。
疲労を圧してできうる限りの速度で急いで飛んでいきます。
レンガで舗装された通路から、岩肌がむき出しの洞窟に変化して行きます。
しばらく飛んだ後突き当たりにたどり着きました。しかし突き当たりの壁からは光が漏れて風が抜けています。
――やった、外です!
再び壁を蹴り飛ばせば……
――ィッヅ!!
壁が崩れて日に当たった瞬間、全身を焼かれるような痛みに襲われました。咄嗟に下がったのでそれだけで済みましたが、危なかったです。
ソウルボードに吸血鬼を設定している時は日に当たると体が焼かれてしまいます。元々の吸血鬼の特性です。長時間そのままでいると普通に死にます。死因:日光浴は避けたいものです。
解放と同時に勝手にメインに設定されていた吸血鬼を外して鬼をメインにします。
するといきなり全身に鉛を埋め込まれたような体の重さに襲われました。思わずふらつきます。
疲労の影響ですね……。吸血鬼の再生力で無理矢理動いていたのが、できなくなったからでしょう。
かといって吸血鬼をセットし直して日が落ちるまでここで待つという選択肢はありません。
何か口にしなければ日が落ちるまでに死にます。
地面に張り付きそうな体を無理矢理動かして前に進む。
意識がはっきりとしない。
どこをどう進んだのかはもう覚えていません。飛んでいたはずがいつの間にか体を引きずるようにして地面を歩いていました。
奇跡的に他の生き物に襲われることはありませんでしたが、食料となる生き物にも会えていないと言うことでもあります。手頃な木の実も見つかりません。
――いたっ。
疲労からボーッとしていたようです。壁に額をぶつけてしまいました。避けようとしますが、どちらにも只管壁が続いています。いえ、これは地面です……。どうやら、倒れ込んでしまったようです。
体に力が入らない。
――マズ……もう……意識が。
徐々に目の前が暗んでいく。
目の前が闇に飲まれる瞬間、じゃりっという土を踏む音が聞こえた気がしました。
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