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第51羽 ブルーファルク
しおりを挟む朝、起きて確認したステータスがこちらです。
―――――――――――――――――――――
名前 メルシュナーダ 種族:ブルーファルク
Lv.1 状態:魔素後遺症(軽微)
生命力:6219/6483
総魔力:1211/1482
攻撃力:1501
防御力: 516
魔法力: 677
魔抗力: 504
敏捷力:4126
・種族スキル
羽ばたく[+飛翔・強風の力・カマイタチ・射出・急降下]・つつく[+貫通力強化]・鷲づかみ[+握撃]・空の息吹[+蒼気]
・特殊スキル
魂源輪廻[+限定解放(鬼)・(吸血鬼)・(呪人)]・人化
・称号
輪廻から外れた者・魂の封印・格上殺し・穢れ払い
――――――――――――――――――――――――
猛禽類の仲間になったからか攻撃力の上がり幅が大きいですね。敏捷力も4000を突破しましたが、相変わらず紙装甲で悲しいです。
種族スキルは『飛行』が『飛翔』に変化していました。効果は飛ぶのが更に速くなることと、体力の消費が抑えられる事です。
『急降下』が新しく追加。読んで字の如く、ハヤブサらしく急降下。そのときにかなり速度が上がります。奇襲するときに有効かもしれません。ただ地面に激突すると普通にシミになるだけなので注意が必要です。
『空の息吹』に追加されていた『蒼気』は意識すると鮮血の様に赤かった闘気が蒼くなります。闘気の扱いが体に最適化されたのか生成の速度、量、質が上がっており、氣装纏鎧《エンスタフト》の維持もスキルの補助効果のおかげか、かなり楽になりました。
おかげで今日の演武でイメージの師匠に勝つことができました。素手は無理ですが、槍でならたまに勝てます。魔術を使われると無理ゲーになりますが。
「ふう……」
宿屋『萌えドラ』の庭での朝の訓練を終え、構えていた槍を下ろす。
昨日は朝起きて直ぐに移動して、そのまま過ごしたので槍を振る機会がなくで少々物足りませんでした。やはり、朝の日差しが降り注ぐ中、一番に槍を振るうのは気持ちいいです。
コアイマ戦ではぶっつけ本番でしたが、かなり久しぶりに槍を使うので錆落しも兼ねています。訓練中の自分の動きを反芻《はんすう》していると、近づいてくる存在が。フレイさんだ。
「はい、お疲れ様」
「あ、ありがとうございます」
ひんやりと冷たいタオルを渡してくれたフレイさんにお礼を返します。動き回って火照った体に気持ちいいです。
ありがたくタオルを使っていると、ジッと見つめていたフレイさんが口を開いた。
「あんた……大きくなってない?」
「あ、気づきました?」
キッズスワローから進化してブルーファルクになった影響か、人化後の姿に変化が現れていた。単純に身長が高くなっただけですが。幼女から少女くらいの変化です。
「成長期なんですよ」
「いや、そんなレベルじゃないと思うよ?」
ごもっともです。
元の姿に戻った方がわかりやすいですかね。槍をマジックバックにしまい、人化を解除する。
「うわ、かなり大きくなったね……。こんなスワロー種見たことないけど……」
膝丈くらいだった大きさが、太ももの真ん中くらいまで高くなりました。フォルムも全体的にハヤブサっぽくなってます。
「いや、もしかしてあんたファルク種になったの?」
「ええ、ブルーファルクと言うらしいのですが知りませんか?」
人化し直して聞けば、フレイさんは知らないという。
「相当珍しいか……ユニーク種かもね」
「ユニーク種……ですか?」
「そう、鳥の魔物で青い奴って言ったらスワロー種くらいのものだからね。その姿の魔物はあんたが初めてかもね」
「そうなんですね」
「ファルク種は肉食だから初対面の冒険者には警戒される可能性があるけど……。青はスワロー種って認識があるから大丈夫か。多分少し大きいスワロー種って思われるよ」
元の姿が冒険者に警戒されることまでは考えていませんでした。だとするとまだスワロー種で良かったでしょうか。今更変えることはることはできませんが。
そんなことを考えているとフレイさんが確かめるように首筋を撫でてきた。
「……ん」
「汗は……かいてないみたいだけど、折角だしシャワー浴びてきなよ」
「そうですか?わかりました」
種族の事について考えていた私は、生返事で部屋へと向かった。そしてそれを後悔することになる。風呂場の中で。
「来ちゃった♪」
ドアが開く音で我に返る。振り返ればフレイさんが満面の笑み。だから、なぜ??
「昨日と間違え探ししないとね」
「ま、待ってください!!意味分から……いやぁ!?」
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
朝から疲れました……。反面横を歩くフレイさんはなぜかツヤツヤして良い笑顔です。体力吸い取られたのかな?
ともかく状態異常は魔素後遺症(微弱)が残っているだけ。疲労状態は回復しました。今日の体調は昨日の時点では、回復しても5割くらいだろうと思っていたのですが実際には7割くらい。他に何もないので唯一関連性がありそうな進化のおかげかもしれません。
この調子ならSランク冒険者であるワールさんとも戦えます。
「来たね」
「お待たせしました」
「いや、俺も今来たところだから」
それはタイミングが良かったと思ったら、ムスッとしたフレイさんにチョップされた。なぜ??いや、ホントになぜですか??
「あれ?身長伸びた?」
「ええ、成長期なんです」
「一日でわかるほどの変化は成長ってレベルじゃないよね……」
やっぱりそう思います?苦笑いしたワールさんと審判役を務めるといったヤガスさんも一緒に階段を降りていく。
ギルドの地下に存在するちょっとした訓練施設で向かい合えばギルドマスターであるヤガスさんが口を開いた。
「ルールは簡単。どちらかが降参するか、戦闘続行不可能と儂が判断するまで。もちろん殺しはなし」
「そっちから良いよ」
「では……」
「!!!!」
先ずは一歩。踏み込んで両手に持った槍を突く。
軽い一撃。容易にカウンターが可能なそれをやはり返された。私は迫る剣に――更にカウンターを返す。
そこからラリーのように一息の間に十を超える攻防を繰り返す。拮抗しているように見えて有利なのは私です。間合いで勝る私が少しずつ押し込んでいく。
このままだと押し負けると思ったのかワールさんが押し返そうと攻撃のギアをあげてきた。私も応じるようにあげていけば、有利は覆らない。
何度目かの打ち合いでワールさんが無理矢理、槍に強打をぶつけた衝撃で距離を作り出した。仕切り直しですね。
「まいったな……」
口元を引きつらせてワールさんが冷や汗を垂らした。
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