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かん子の天敵朝居正也 その6
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日曜日のグラウンド。
かん子たちソフトボール部は、今日自分の学校で練習試合がある。
なぜかグラウンドの周りに多くのギャラリーが...。
かん子たちがグラウンドを占領しているので、どうやらサッカー部がグラウンドを使えないらしい。
はじめは別の場所で練習していたようだが、あいにく顧問の先生がいないらしく、練習をやめてサッカー部の人たちがかん子たちの練習試合をみている。
かん子はレフトを守っている。
かん子たちのソフトボール部は、はっきりいってうまくない。むしろ下手なほうだ。
特にかん子は、自分でも認めるほど下手だと思ってる。なのになぜ練習試合に選手として出ているのか。
それはみんながみんな下手なので、かん子でも選手として出ることができるのだ。
かん子は、つい周りのギャラリーが目に入ってしまいブルーな気分になってしまった。
きっとあいつも見ているだろう。はっきりとあいつを見たわけではないが、何となく確信していた。
へまなどしたら、きっといろいろ言うだろう。かん子があこがれているサッカー部の先輩も、見ているかもしれない。
いやだいやだ・・・・。
そんな風に思っていたせいだろうか。
試合が始まってすぐ、かん子のいるレフトにボールが飛んできた。
がちがちに固まっていたせいかミスしてしまった。
相手がうまいせいか、とにかく外野にボールがよく飛んでくる。
かん子は最初ミスしてしまったせいか、あれから何度もミスしてしまった。
みんなが声をかけてくれるが、よけいプレッシャーを感じてしまった。
そうしているうちに試合は終わった。
ぼろ負けだった・・・・・。
かん子はつらかった。自分のミスのせいでこんなに点を取られてしまったのだから。
かん子の周りにみんなが集まり、やっぱり慰めの言葉を次々にかけてくれた。
「気にしなくていいよ!」
「そうだよ」
「かん子ちゃん、よくやったよ」
「ドンマイ!」
そんななか、ギャラリーの中から声がした。
「缶づめかん子ー!なにやってるんだよ!もっとしっかりやれよ!」
気がつけばあいつが、かん子のそばにやってきて言った。
かん子は涙があふれてきた。止まらなくなってしまった。自分が一番思っていることなのに、みんなの前であいつに言われてしまった。
はずかしくてしかたなかった。
あいつ正也が言ったことは、本当のことなのについ顔をあげて、あいつをキッとにらんでしまった。
そこには驚いた顔があった。まさか泣いたとは思わなかったのだろう。
びっくりした表情の後、なんともいえない顔になった。
「朝居君言いすぎだよ。かん子にあやまりなよ」
みなが口々に言ってくれた。
かん子は、それを聞いてよけい泣けてきてしまった。
心の中で自分は卑怯だと思いながら、正也を許せなかったのだ。
かん子が、あまり泣いたからだろう。
「朝居!お前女の子に言いすぎだろ!」
サッカー部の正也の先輩たちも正也にいってくれた。
正也はじっとかん子を見ていたが、ふいに目をそらすとあやまりもせずにどこかに行ってしまった。
「おい!朝居!待てよー!」
サッカー部の男子たちが呼んだが、正也は戻ってこなかった。
「あとであいつには、よくいっておくから」
正也の代わりに、かん子と同じクラスのサッカー部の男子が言ってくれた。
ただその日から、正也の態度が変わった。
かん子とすれ違っても、からかったりしなくなった。
しかも顔をそむけるようにして、行ってしまうようになった。
かん子ははじめびっくりしたが、あの時の正也の態度がゆるせなかったのでほっておくことにした。
そしてかん子の頭の中から、次第に正也のことが消えていったのだった。
心の隅に、わけのわからないもやもやをかかえたまま。
かん子たちソフトボール部は、今日自分の学校で練習試合がある。
なぜかグラウンドの周りに多くのギャラリーが...。
かん子たちがグラウンドを占領しているので、どうやらサッカー部がグラウンドを使えないらしい。
はじめは別の場所で練習していたようだが、あいにく顧問の先生がいないらしく、練習をやめてサッカー部の人たちがかん子たちの練習試合をみている。
かん子はレフトを守っている。
かん子たちのソフトボール部は、はっきりいってうまくない。むしろ下手なほうだ。
特にかん子は、自分でも認めるほど下手だと思ってる。なのになぜ練習試合に選手として出ているのか。
それはみんながみんな下手なので、かん子でも選手として出ることができるのだ。
かん子は、つい周りのギャラリーが目に入ってしまいブルーな気分になってしまった。
きっとあいつも見ているだろう。はっきりとあいつを見たわけではないが、何となく確信していた。
へまなどしたら、きっといろいろ言うだろう。かん子があこがれているサッカー部の先輩も、見ているかもしれない。
いやだいやだ・・・・。
そんな風に思っていたせいだろうか。
試合が始まってすぐ、かん子のいるレフトにボールが飛んできた。
がちがちに固まっていたせいかミスしてしまった。
相手がうまいせいか、とにかく外野にボールがよく飛んでくる。
かん子は最初ミスしてしまったせいか、あれから何度もミスしてしまった。
みんなが声をかけてくれるが、よけいプレッシャーを感じてしまった。
そうしているうちに試合は終わった。
ぼろ負けだった・・・・・。
かん子はつらかった。自分のミスのせいでこんなに点を取られてしまったのだから。
かん子の周りにみんなが集まり、やっぱり慰めの言葉を次々にかけてくれた。
「気にしなくていいよ!」
「そうだよ」
「かん子ちゃん、よくやったよ」
「ドンマイ!」
そんななか、ギャラリーの中から声がした。
「缶づめかん子ー!なにやってるんだよ!もっとしっかりやれよ!」
気がつけばあいつが、かん子のそばにやってきて言った。
かん子は涙があふれてきた。止まらなくなってしまった。自分が一番思っていることなのに、みんなの前であいつに言われてしまった。
はずかしくてしかたなかった。
あいつ正也が言ったことは、本当のことなのについ顔をあげて、あいつをキッとにらんでしまった。
そこには驚いた顔があった。まさか泣いたとは思わなかったのだろう。
びっくりした表情の後、なんともいえない顔になった。
「朝居君言いすぎだよ。かん子にあやまりなよ」
みなが口々に言ってくれた。
かん子は、それを聞いてよけい泣けてきてしまった。
心の中で自分は卑怯だと思いながら、正也を許せなかったのだ。
かん子が、あまり泣いたからだろう。
「朝居!お前女の子に言いすぎだろ!」
サッカー部の正也の先輩たちも正也にいってくれた。
正也はじっとかん子を見ていたが、ふいに目をそらすとあやまりもせずにどこかに行ってしまった。
「おい!朝居!待てよー!」
サッカー部の男子たちが呼んだが、正也は戻ってこなかった。
「あとであいつには、よくいっておくから」
正也の代わりに、かん子と同じクラスのサッカー部の男子が言ってくれた。
ただその日から、正也の態度が変わった。
かん子とすれ違っても、からかったりしなくなった。
しかも顔をそむけるようにして、行ってしまうようになった。
かん子ははじめびっくりしたが、あの時の正也の態度がゆるせなかったのでほっておくことにした。
そしてかん子の頭の中から、次第に正也のことが消えていったのだった。
心の隅に、わけのわからないもやもやをかかえたまま。
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