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かん子の天敵朝居正也 その7
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かん子は3年生になった。
かん子は高校受験をすることにしていた。かん子の入った学校は、中高一貫校でほぼ全員がそのまま高等部に進学する。
しかしかん子は、大学教授である父の影響か文学特に古典に興味がわいてきた。できればそちらをもっと掘り下げて勉強したくなった。
そのためには、出来れば高校からそのための道を切り開いていきたかった。
「受験したいんだけど」
「いいんじゃない。がんばってね!」
「かん子が決めたことならいいんじゃないか!」
「お~お、かん子受験するのか?」
家族は、みなかん子の意見を尊重してくれた。
そうしてかん子は、中学校生活最後の年を部活と受験勉強をがんばることになった。
7月になって、中学最後の試合を控えたある日のこと。
西の空が少しずつ赤くなり日が暮れてきた。さっきまで吹いてきた熱い風が、少し涼しくなったように感じる。
かん子は、いつものようにグラウンドでボールを追っていた。ボールをとるとき、地面に指をこすってしまい擦り傷を作ってしまったようだ。
みんなにいってから、指を洗うため水飲み場に向かった。
水をつける手が冷たくて気持ちいい。喉も乾いていたので水を飲んでいた時だ。
「おいっ!高校受験するのか?」
ふいにすぐ近くで声がして、かん子はびくっとしてしまった。
声のした方をみれば、すぐ近くにあいつ正也がいた。
(久しぶりだなあ~。こいつの顔見るの)
かん子は、正也の顔をつい顔をまじまじと見てしまった。
「おまえ!どうなんだよ!」
正也は、顔をしかめて返事を催促しているようだ。
「あんたになんでいわなきゃあいけないのよ!その話誰に聞いたのよ!」
「やっぱりそうか、受験するんだな!なんで受験するんだよ。お前がここにいるから俺来たのに...」
正也の声は、後にいくほど小さくなっていき、かん子にはよく聞こえなかった。
何を言っているのだろうと、正也の顔を見て驚いた。
正也が、これ以上ないというようなせつなそうな顔をしていた。
それを見たかん子までなぜか胸が苦しくなった。
思わず声をかけようかと思ったぐらい、正也の顔は悲しそうに見えた。
「おれっ、絶対お前のことあきらめないからなー!」
かん子が何のことかと声をかけるまえに、正也は回れ右をして駆けて行ってしまった。
かん子はあっという間の出来事に、ただ呆然として突っ立っているだけだった。
ただそれからもふとした時に、正也のあの表情がなぜか思い浮かんだ。
それを思い出すたびに胸が何となく苦しくなったりわけのわからないもやもやした気持ちがわいてきた。しかしそれが何なのか考えることを頭の中で拒否していた。
それから正也とは会うことがなくかん子も部活が終わり、受験勉強にいそしんだため、あっという間に中学校生活を終えたのだった。
かん子は念願の高校に合格することができた。
まさかあのせつなそうな表情を、また見ることになるとは思いもしていなかった。
かん子は高校受験をすることにしていた。かん子の入った学校は、中高一貫校でほぼ全員がそのまま高等部に進学する。
しかしかん子は、大学教授である父の影響か文学特に古典に興味がわいてきた。できればそちらをもっと掘り下げて勉強したくなった。
そのためには、出来れば高校からそのための道を切り開いていきたかった。
「受験したいんだけど」
「いいんじゃない。がんばってね!」
「かん子が決めたことならいいんじゃないか!」
「お~お、かん子受験するのか?」
家族は、みなかん子の意見を尊重してくれた。
そうしてかん子は、中学校生活最後の年を部活と受験勉強をがんばることになった。
7月になって、中学最後の試合を控えたある日のこと。
西の空が少しずつ赤くなり日が暮れてきた。さっきまで吹いてきた熱い風が、少し涼しくなったように感じる。
かん子は、いつものようにグラウンドでボールを追っていた。ボールをとるとき、地面に指をこすってしまい擦り傷を作ってしまったようだ。
みんなにいってから、指を洗うため水飲み場に向かった。
水をつける手が冷たくて気持ちいい。喉も乾いていたので水を飲んでいた時だ。
「おいっ!高校受験するのか?」
ふいにすぐ近くで声がして、かん子はびくっとしてしまった。
声のした方をみれば、すぐ近くにあいつ正也がいた。
(久しぶりだなあ~。こいつの顔見るの)
かん子は、正也の顔をつい顔をまじまじと見てしまった。
「おまえ!どうなんだよ!」
正也は、顔をしかめて返事を催促しているようだ。
「あんたになんでいわなきゃあいけないのよ!その話誰に聞いたのよ!」
「やっぱりそうか、受験するんだな!なんで受験するんだよ。お前がここにいるから俺来たのに...」
正也の声は、後にいくほど小さくなっていき、かん子にはよく聞こえなかった。
何を言っているのだろうと、正也の顔を見て驚いた。
正也が、これ以上ないというようなせつなそうな顔をしていた。
それを見たかん子までなぜか胸が苦しくなった。
思わず声をかけようかと思ったぐらい、正也の顔は悲しそうに見えた。
「おれっ、絶対お前のことあきらめないからなー!」
かん子が何のことかと声をかけるまえに、正也は回れ右をして駆けて行ってしまった。
かん子はあっという間の出来事に、ただ呆然として突っ立っているだけだった。
ただそれからもふとした時に、正也のあの表情がなぜか思い浮かんだ。
それを思い出すたびに胸が何となく苦しくなったりわけのわからないもやもやした気持ちがわいてきた。しかしそれが何なのか考えることを頭の中で拒否していた。
それから正也とは会うことがなくかん子も部活が終わり、受験勉強にいそしんだため、あっという間に中学校生活を終えたのだった。
かん子は念願の高校に合格することができた。
まさかあのせつなそうな表情を、また見ることになるとは思いもしていなかった。
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