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25 いろいろつながっていました
敦子は、金曜日は、朝からなんだか浮かれて過ごしていたようで、ランチの時に同僚の奈美や結衣に言われしまった。
「 あっちゃん、なんかいいことあった? 」
「 そうだよ、顔に締まりがない~。 」
もうぼろくそである。
しかし今の敦子にとっては、それすらも気にならない。
「 そおぉ~、別に何にもないよ。 」
ただあまりつっこまれるのは、まずいと感じて、なるべくきりっとした表情を作ることにした。
下手に詮索されては、後で面倒だからだ。
玉山と土曜日に出かける約束はしているが、今回だけかもしれない。
まだみんなになんといえばいいのか、自分でもよくわからないので、ばれないに越したことはない。
「 ふふっ、急に神妙な顔つきをしても、ダメだよ。まあ何かあったらまた教えてね~。 」
奈美は、急にまじめな顔つきををした敦子を見て、半分笑いながら言った。
「 そうだよ、あっちゃん。奈美ちゃんの言う通り、いいことあったらまた教えてね。 」
結衣にも言われてしまった。
二人に生暖かく見守られているようで、なんだかなあと思った敦子だった。
こうして午後は、わざとまじめな顔つきで、真剣に仕事をしていたのを見た上司が言った。
「 滝村さん、午前中はなんだか地面から足が5センチぐらい浮いてるような感じだったけど、落ち着いてよかったね。 」
よく見ている上司であった。
やっとのことで、仕事が終わり、帰ることにしたのだが、今日も化粧品売り場に行くことにした。
「 こんばんは。今日は、何をお探しですか。 」
「 今日は、ちょっとクリームがないかと。 」
「 気になるところが、ありますか。 」
「 ちょっとお肌が疲れているようなので。お値段は、あまり高いのは買えないんですけど。 」
「 血行が良くなる栄養クリームはいかがですか。お値段もお手ごろですよ。あまりべトっとしてなくて・・・・。」
店員さんがいろいろ説明してくれたので、敦子は買ってしまうことにした。
少しでも明日、玉山にきれいなところを見てもらいたいと思ってしまったのだ。
もう二度とどこかへ行くことはないかもしれない。けれど明日だけでも、精一杯きれいにしておきたいと思ったのだった。
お会計を済ませたところに、店員さんが言った。
「 いくつかお見本入れておきますので、よかったら使ってみてくださいね。 」
そういってこの秋の新色カラーの見本やら、化粧水やらいろいろ手提げ袋の中に入れてくれた。
そして店員さんが言った。
「 今までありがとうございました。実は、私今月でここを退職するんです。 」
「 えっ、そうなの? 寂しくなるわ。 」
そしてよくよく聞くと、実家はなんと敦子と同じ田舎の出身だった。
敦子の上の学年に、店員さんと同じ苗字の人がいた記憶があるので、聞いてみるとなんとお兄さんとの事で、またまたびっくりしたのだった。
ただ店員の南さん自身は、小学校に上がる前に、父親の転勤で引っ越しをしていたが、ここ何年か前に父親の定年を機に、今も祖父母が住んでいることもあり、家族で戻ってきたとのことだった。
そして今度は、幼稚園で働くことにしたらしい。短大で幼稚園の免許を取っていたのだそうだ。
幼稚園での求人は、母から教えてもらったとのこと。
敦子は言った。
「 びっくりね。こんなところで同郷の人と会うなんて。もしかして幼稚園て小学校の横にある? 」
「 そうです。そこです。 」
「 その小学校に私の同級生の林君て人が働いているの。また会ったらよろしく言っておいてね。 」
「 はい、わかりました。そういえば、この前ネイルをいくつか調べていたお客様がいたって報告があったんですけど、もしかして滝村様でしたか。 」
店員の南は、顧客シートを見ていった。
「 何か、気になることでもありましたか。 」
「 別に、ないんだけど・・・・ 」
「 もしかして異物とかありましたか? 」
「 異物? 南さんも見たの? 」
「 滝村さんも見たんですか? あのキラッと光るもの。 」
「 そうそうそれ。だけど他のには、なかったのよね~。 」
「 そうなんです。私も一度だけ、ボトルの中に何か光ったのもを見た気がしたんですけど、何度確認しても見つからなくて。もしよかったら返品します? 」
「 もう使っちゃったからいいわ。それに私も一度見えた気がしただけだから。 」
とりあえず敦子はそう言った。
どうやらほかのネイルに、光るものはないらしいということがわかった。
「 じゃあ実家に帰ったら、また会えるのね。次のお仕事楽しみね。 」
「 はい! 頑張ります。今までありがとうございました。 」
帰る道々、なぜかあのネイルには、すべてあの神社に関係のある人たちがかかわっていることに思い至った。
幼馴染の大木美代子の姉であり、あのネイルを作っていた化粧品工場で働いていた館山洋子や、あのネイルを売っていた化粧品売り場で働いていた南直子など、二人ともなぜかあの神社周辺に住んでいた人たちだ。
かくいう自分もあの神社周辺に住んでいた一人だ。
もしかしてあのネイルの中の光る何かも、神社に何か関係あるのだろうか。
あとよく見る夢や水に好かれることも、何か関係があるのかもしれない。
とめどなくいろいろ疑問が出てきた。
( 明日は、玉山さんに聞いてもらおう。もしかしたら、何かヒントが見つかるかもしれない。 )
そう考えるとずいぶん気持ちが軽くなるのを感じた。
( 帰ったら、お肌のお手入れしなくちゃあ。まず今日買ったクリームを塗ろう。 )
敦子は、飛ぶように家に帰っていった。
アパートについて、急いで夕飯を食べ、お風呂に入り、お肌の手入れを終えた。
すぐ寝ようとお布団に入る。
しかしなかなか眠れない。
「 せっかくクリーム塗ったのに、早く寝なくちゃあ目の下にクマができちゃう。 」
そんな葛藤のせいで、眠たのは、結局明け方だった。
「 あっちゃん、なんかいいことあった? 」
「 そうだよ、顔に締まりがない~。 」
もうぼろくそである。
しかし今の敦子にとっては、それすらも気にならない。
「 そおぉ~、別に何にもないよ。 」
ただあまりつっこまれるのは、まずいと感じて、なるべくきりっとした表情を作ることにした。
下手に詮索されては、後で面倒だからだ。
玉山と土曜日に出かける約束はしているが、今回だけかもしれない。
まだみんなになんといえばいいのか、自分でもよくわからないので、ばれないに越したことはない。
「 ふふっ、急に神妙な顔つきをしても、ダメだよ。まあ何かあったらまた教えてね~。 」
奈美は、急にまじめな顔つきををした敦子を見て、半分笑いながら言った。
「 そうだよ、あっちゃん。奈美ちゃんの言う通り、いいことあったらまた教えてね。 」
結衣にも言われてしまった。
二人に生暖かく見守られているようで、なんだかなあと思った敦子だった。
こうして午後は、わざとまじめな顔つきで、真剣に仕事をしていたのを見た上司が言った。
「 滝村さん、午前中はなんだか地面から足が5センチぐらい浮いてるような感じだったけど、落ち着いてよかったね。 」
よく見ている上司であった。
やっとのことで、仕事が終わり、帰ることにしたのだが、今日も化粧品売り場に行くことにした。
「 こんばんは。今日は、何をお探しですか。 」
「 今日は、ちょっとクリームがないかと。 」
「 気になるところが、ありますか。 」
「 ちょっとお肌が疲れているようなので。お値段は、あまり高いのは買えないんですけど。 」
「 血行が良くなる栄養クリームはいかがですか。お値段もお手ごろですよ。あまりべトっとしてなくて・・・・。」
店員さんがいろいろ説明してくれたので、敦子は買ってしまうことにした。
少しでも明日、玉山にきれいなところを見てもらいたいと思ってしまったのだ。
もう二度とどこかへ行くことはないかもしれない。けれど明日だけでも、精一杯きれいにしておきたいと思ったのだった。
お会計を済ませたところに、店員さんが言った。
「 いくつかお見本入れておきますので、よかったら使ってみてくださいね。 」
そういってこの秋の新色カラーの見本やら、化粧水やらいろいろ手提げ袋の中に入れてくれた。
そして店員さんが言った。
「 今までありがとうございました。実は、私今月でここを退職するんです。 」
「 えっ、そうなの? 寂しくなるわ。 」
そしてよくよく聞くと、実家はなんと敦子と同じ田舎の出身だった。
敦子の上の学年に、店員さんと同じ苗字の人がいた記憶があるので、聞いてみるとなんとお兄さんとの事で、またまたびっくりしたのだった。
ただ店員の南さん自身は、小学校に上がる前に、父親の転勤で引っ越しをしていたが、ここ何年か前に父親の定年を機に、今も祖父母が住んでいることもあり、家族で戻ってきたとのことだった。
そして今度は、幼稚園で働くことにしたらしい。短大で幼稚園の免許を取っていたのだそうだ。
幼稚園での求人は、母から教えてもらったとのこと。
敦子は言った。
「 びっくりね。こんなところで同郷の人と会うなんて。もしかして幼稚園て小学校の横にある? 」
「 そうです。そこです。 」
「 その小学校に私の同級生の林君て人が働いているの。また会ったらよろしく言っておいてね。 」
「 はい、わかりました。そういえば、この前ネイルをいくつか調べていたお客様がいたって報告があったんですけど、もしかして滝村様でしたか。 」
店員の南は、顧客シートを見ていった。
「 何か、気になることでもありましたか。 」
「 別に、ないんだけど・・・・ 」
「 もしかして異物とかありましたか? 」
「 異物? 南さんも見たの? 」
「 滝村さんも見たんですか? あのキラッと光るもの。 」
「 そうそうそれ。だけど他のには、なかったのよね~。 」
「 そうなんです。私も一度だけ、ボトルの中に何か光ったのもを見た気がしたんですけど、何度確認しても見つからなくて。もしよかったら返品します? 」
「 もう使っちゃったからいいわ。それに私も一度見えた気がしただけだから。 」
とりあえず敦子はそう言った。
どうやらほかのネイルに、光るものはないらしいということがわかった。
「 じゃあ実家に帰ったら、また会えるのね。次のお仕事楽しみね。 」
「 はい! 頑張ります。今までありがとうございました。 」
帰る道々、なぜかあのネイルには、すべてあの神社に関係のある人たちがかかわっていることに思い至った。
幼馴染の大木美代子の姉であり、あのネイルを作っていた化粧品工場で働いていた館山洋子や、あのネイルを売っていた化粧品売り場で働いていた南直子など、二人ともなぜかあの神社周辺に住んでいた人たちだ。
かくいう自分もあの神社周辺に住んでいた一人だ。
もしかしてあのネイルの中の光る何かも、神社に何か関係あるのだろうか。
あとよく見る夢や水に好かれることも、何か関係があるのかもしれない。
とめどなくいろいろ疑問が出てきた。
( 明日は、玉山さんに聞いてもらおう。もしかしたら、何かヒントが見つかるかもしれない。 )
そう考えるとずいぶん気持ちが軽くなるのを感じた。
( 帰ったら、お肌のお手入れしなくちゃあ。まず今日買ったクリームを塗ろう。 )
敦子は、飛ぶように家に帰っていった。
アパートについて、急いで夕飯を食べ、お風呂に入り、お肌の手入れを終えた。
すぐ寝ようとお布団に入る。
しかしなかなか眠れない。
「 せっかくクリーム塗ったのに、早く寝なくちゃあ目の下にクマができちゃう。 」
そんな葛藤のせいで、眠たのは、結局明け方だった。
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