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1.召喚からの廃棄
魚7:一方そのころ城内では。
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〈時間は少し巻き戻り、アユが城外へ脱出する直前。〉
「さっさとわしの目の前から捨てに行かんか貴様ら!!!!!」
「てんめぇえええ!いい加減にしやがれごるあぁあ!!」
「お姉さまの手前我慢しておりましたが流石にもう限界でございます。」
「コンナジジイがエンペラーだなんて、永くないネ、この国。」
「あなたたち、駄目よ!下がって、それ以上刺激したら危険よ!やめなさい!」
「今すぐ謝って!駄目よ!お願いだから――――!」
冗談じゃねぇ!姐さんの頼みでもこればっかりは譲れん。
「おらぁ!」
ボガァーーン!
攻撃を繰り出せば、炎がまとわるって事だろ!簡単じゃねぇか!
「Celaーーー!」
ドガガガボガガガズドドーーンッ!
メアリーがめちゃくちゃに魔法をぶっ放す。やっぱかっこいいなあいつの魔法!
「伏せてぇえ!」
目線があってにやりと笑いあった瞬間、レンの悲鳴がつんざく。
「うぉっ!?」
まるで蛇のような水流が襲い掛かってくる。
「はぁ!」
ぶっしゅぅううううううーーー!
蹴り技を決め、全身に炎をまとう。うまく蒸発させられたみたいだ。
だが、水蒸気がまるで煙幕のようにまとわりついてくる。
「trou noir!」
小さなブラックホールが水蒸気も周辺のがれきも飲み込んでいく。
光さえも飲まれて視界が陰りだすと同時にすぐに消し去るあたり、ほんとセンスすごいな!
「実に惜しい、惜しいな。」
「あぁん!?」
「大人しくしていてくれれば楽に使えたものを…やむをえまい。貴様らを始末してまた新たに呼び出すしかあるまいよ。実に実に惜しい得難き駒であった。」
「やらせるかぁーーー!」
「回復!防御!カウンター!いっけぇー!」
「タタミカケロー!」
周りにいたローブの連中や鎧どもはメアリーの魔法で蹴散らし、レンの魔法で光を目いっぱいに浴びたあたしの体で目くらましになりつつクソ王の眼前に躍り出る。
「うぬぅ!」
「おらぁーーー!」
だが、本命はあたしじゃねえ!ヒットの直前に躱す!
「!?」
クソ王の魔法は当然大外し。水の死神の鎌が襲い掛かるその先にいるのはーーーレンだ。
「い き ま す! 倍増反射!!!」
ズバシャドドドッドドドバババババーーーー!
「ご、はぁ!」
「「「いよっしゃーーー!」」」
「ぐ…ごふっ な、なぜ…そんなにも魔法を使いこなして…!」
「あー、姐さんは勘違いしてたみたいだがよ。どうやら姐さんとあたしらは、出身地がそもそも違うみたいなんだわ。メアリー、拘束しといてー」
「ハーイ!」
「な、に…を」
「姐さんは魔法があるから異世界だって思ったみたいだけど、ちょっとあたしらは事情が違う。練術っていう、いわゆる魔法に近しい技術があるんだ。魔法をどうしても使いたかったご先祖様たちが編み出した、科学技術だよ。だから、普段から戦闘技術磨いてるし、そこへ本物の魔法が手に入ったことでさらに練術が進化したな。」
「たぶん、お姉さまとは別々の地球なんでしょうね。一瞬あの話術がお姉さまの練術なのかと思いましたけど、練術特有のエネルギーを感じませんでしたから。」
「アア、それ思ったネ。」
「な、あ…なんだ、と…」
スーーーーーーーキラキラキラ…
「「え?」」
「ナンデショウ?」
さあてこのクソ王どう料理してやろうかと思ってたところに、スポットライトのようにあたしら三人をまばゆい光が包み込む。
《対象三名ノ無事ヲ確認。 保護シマス。》
《転送先ヲ確認中…星域XXXXX、局部超銀河団 オトメ座銀河団 局部銀河群 銀河系(天ノ川銀河) オリオン腕 太陽系 第3惑星 平行世界ナンバー26号型地球。》
「「「!!??」」」
窓の外に、真っ白な何かが空から落ちてくるのが見える。
だんだんとそれは人の足のような形をしていることが分かる。
けれど、あまりにも巨大だ。ゆっくりと地面へ降りてくる。
いったい何枚翼があるのかわからない、ものすごいふっさふさにつつまれたものすごい巨大なヒト型だとわかった。
頭部は遠すぎて雲に見え隠れしてはっきりしない。
胸の前に組まれた腕にはゆっくりと点滅するリング型の謎の装置がいくつも連なる。
《異邦者、コード【釣リノ聖女】ヨリ渇望。【該当聖女3名】ノ帰還ヲ開始。》
「え、まさか帰れるのか!?やったぜ!姐さんが何かやってくれたんだ!」
「でもまって!お姉さまは?お姉さまはどうなるの!3名って、お姉さまが入ってない!」
「マッテ、まだなにかイッテル!」
《帰還ノ成功ガ確認デキ次第、ゲートノ完全破壊ヲ開始。スタンバイ…》
「な、なんだとぉぉ!?」
「うわ、体が消 えて… い…」
「ジュンちゃん!まっ ! 」
「レン!ジュ ン! 」
《帰還成功。ゲートの破壊成功。コレニヨリ、アラユル召喚ハ今後不成立ガ確定。術式崩壊成功。》
「ま、まて、まてぇぇええ!どういうことだ!聖女を返さんか!しかも召喚が不成立?呼べなくなるということか!どうしろというのだぁーーーー!またんかーーーーー!」
《【釣リノ聖女】ノ渇望、スベテノ完了ヲ確認。当機体ハ破棄サレマス。》
ばらばらと積み木を崩すように、しかしその崩れたなにかは沢山の羽へと姿を変え、天へと吸い込まれて消えていった。
「さっさとわしの目の前から捨てに行かんか貴様ら!!!!!」
「てんめぇえええ!いい加減にしやがれごるあぁあ!!」
「お姉さまの手前我慢しておりましたが流石にもう限界でございます。」
「コンナジジイがエンペラーだなんて、永くないネ、この国。」
「あなたたち、駄目よ!下がって、それ以上刺激したら危険よ!やめなさい!」
「今すぐ謝って!駄目よ!お願いだから――――!」
冗談じゃねぇ!姐さんの頼みでもこればっかりは譲れん。
「おらぁ!」
ボガァーーン!
攻撃を繰り出せば、炎がまとわるって事だろ!簡単じゃねぇか!
「Celaーーー!」
ドガガガボガガガズドドーーンッ!
メアリーがめちゃくちゃに魔法をぶっ放す。やっぱかっこいいなあいつの魔法!
「伏せてぇえ!」
目線があってにやりと笑いあった瞬間、レンの悲鳴がつんざく。
「うぉっ!?」
まるで蛇のような水流が襲い掛かってくる。
「はぁ!」
ぶっしゅぅううううううーーー!
蹴り技を決め、全身に炎をまとう。うまく蒸発させられたみたいだ。
だが、水蒸気がまるで煙幕のようにまとわりついてくる。
「trou noir!」
小さなブラックホールが水蒸気も周辺のがれきも飲み込んでいく。
光さえも飲まれて視界が陰りだすと同時にすぐに消し去るあたり、ほんとセンスすごいな!
「実に惜しい、惜しいな。」
「あぁん!?」
「大人しくしていてくれれば楽に使えたものを…やむをえまい。貴様らを始末してまた新たに呼び出すしかあるまいよ。実に実に惜しい得難き駒であった。」
「やらせるかぁーーー!」
「回復!防御!カウンター!いっけぇー!」
「タタミカケロー!」
周りにいたローブの連中や鎧どもはメアリーの魔法で蹴散らし、レンの魔法で光を目いっぱいに浴びたあたしの体で目くらましになりつつクソ王の眼前に躍り出る。
「うぬぅ!」
「おらぁーーー!」
だが、本命はあたしじゃねえ!ヒットの直前に躱す!
「!?」
クソ王の魔法は当然大外し。水の死神の鎌が襲い掛かるその先にいるのはーーーレンだ。
「い き ま す! 倍増反射!!!」
ズバシャドドドッドドドバババババーーーー!
「ご、はぁ!」
「「「いよっしゃーーー!」」」
「ぐ…ごふっ な、なぜ…そんなにも魔法を使いこなして…!」
「あー、姐さんは勘違いしてたみたいだがよ。どうやら姐さんとあたしらは、出身地がそもそも違うみたいなんだわ。メアリー、拘束しといてー」
「ハーイ!」
「な、に…を」
「姐さんは魔法があるから異世界だって思ったみたいだけど、ちょっとあたしらは事情が違う。練術っていう、いわゆる魔法に近しい技術があるんだ。魔法をどうしても使いたかったご先祖様たちが編み出した、科学技術だよ。だから、普段から戦闘技術磨いてるし、そこへ本物の魔法が手に入ったことでさらに練術が進化したな。」
「たぶん、お姉さまとは別々の地球なんでしょうね。一瞬あの話術がお姉さまの練術なのかと思いましたけど、練術特有のエネルギーを感じませんでしたから。」
「アア、それ思ったネ。」
「な、あ…なんだ、と…」
スーーーーーーーキラキラキラ…
「「え?」」
「ナンデショウ?」
さあてこのクソ王どう料理してやろうかと思ってたところに、スポットライトのようにあたしら三人をまばゆい光が包み込む。
《対象三名ノ無事ヲ確認。 保護シマス。》
《転送先ヲ確認中…星域XXXXX、局部超銀河団 オトメ座銀河団 局部銀河群 銀河系(天ノ川銀河) オリオン腕 太陽系 第3惑星 平行世界ナンバー26号型地球。》
「「「!!??」」」
窓の外に、真っ白な何かが空から落ちてくるのが見える。
だんだんとそれは人の足のような形をしていることが分かる。
けれど、あまりにも巨大だ。ゆっくりと地面へ降りてくる。
いったい何枚翼があるのかわからない、ものすごいふっさふさにつつまれたものすごい巨大なヒト型だとわかった。
頭部は遠すぎて雲に見え隠れしてはっきりしない。
胸の前に組まれた腕にはゆっくりと点滅するリング型の謎の装置がいくつも連なる。
《異邦者、コード【釣リノ聖女】ヨリ渇望。【該当聖女3名】ノ帰還ヲ開始。》
「え、まさか帰れるのか!?やったぜ!姐さんが何かやってくれたんだ!」
「でもまって!お姉さまは?お姉さまはどうなるの!3名って、お姉さまが入ってない!」
「マッテ、まだなにかイッテル!」
《帰還ノ成功ガ確認デキ次第、ゲートノ完全破壊ヲ開始。スタンバイ…》
「な、なんだとぉぉ!?」
「うわ、体が消 えて… い…」
「ジュンちゃん!まっ ! 」
「レン!ジュ ン! 」
《帰還成功。ゲートの破壊成功。コレニヨリ、アラユル召喚ハ今後不成立ガ確定。術式崩壊成功。》
「ま、まて、まてぇぇええ!どういうことだ!聖女を返さんか!しかも召喚が不成立?呼べなくなるということか!どうしろというのだぁーーーー!またんかーーーーー!」
《【釣リノ聖女】ノ渇望、スベテノ完了ヲ確認。当機体ハ破棄サレマス。》
ばらばらと積み木を崩すように、しかしその崩れたなにかは沢山の羽へと姿を変え、天へと吸い込まれて消えていった。
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