釣り聖女！　。゜○　ミニゲームで異世界救います　○ ゜。

Taka多可　(お米)

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１．召喚からの廃棄

魚９：釣ってみよう！

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《古い釣り竿：先代釣りの聖女がくれたお古の釣り竿。基本的な知識がしっかり詰まっているため初心者でも安心して釣り生活をスタートできる。》
ですか。
そして先代いたんですね、ありがたく頂戴します。どっから受け取ったのかよくわからないけど。

「はい、ここでいいですね。それじゃあ魚を二尾、釣ってください。」
「はい！」

そわそわと住民が集まってきた。
どうやら新人冒険者にギルド職員が付き添って試験をするところを見物するのは一種の娯楽になっているらしい。聞いてもないのにおじさんがぺらぺらと教えてくれる。
討伐試験ではさすがにいないけど、薬草などの採取試験ではよく来るらしい。
んで、それをギルド職員が咎めないのは集中力をかき乱す、妨害役としての意味もあるからだそうな。
特に今回は外に出ないで街中だから、子供らも見学できるので人数はやや多めだそうな。
ほほおーん。

さてさてどうすればいいのかな。
まず、橋の真ん中辺に立ってみる。
お、予想通り魚のマークが見える！ここで釣り竿を使えばいいんだな！
なんとなくわかってきたぞ、【釣りの聖女】モードってやつになってる間は、こうやってどこで釣りができるかサポートしてくれるわけか！
なんか最後にやってたあのゲームみたいじゃん。
ミニゲームの釣りのほうが好きで毎日ひたすらやってたんだ、あの、忌々しい事件が起きるまでは…ね。
そっか、だから【釣りの聖女】なのかねぇ。
つーかこの剣と魔法の世界にそぐわないなー、タックルセットって言えばわかる？
現代日本でいざ釣りを！ってときの釣り竿とラインで、いかついリールと小っちゃい小魚みたいなルアーもついてますのよこの子。
いやもう、考えるの後々！

「いっきまーす！」

水面にΘみたいなマークが見える。あそこ目掛けて投げたらいいのかな。
どう考えても、×印のところは投げられないところでしょ。
あと遠すぎるところにはそもそもマークが移動しない。ここら辺までだな…じゃあ、あの木で陰になってる部分あたりを狙って…
本物の釣りしたことないんだけど大丈夫かな？　いけ！
　　シュンッ　　ぽちゃん。　　　オオー！
しばし待つと、ゆらりと魚影が見える。
いや、どう考えてもあれが見えるのはおかしい。あの向きでは魚は泳がん。カレイかヒラメかよ。
小さいころにお魚の絵を描こうとしたらああなるっていう、🐡こういうのが見える。黒塗りの平面図形。
魚の魚影ですよってはっきりわかるものが見えてるんだもん。これもサポートだな。

　つんっ　つつんっ　　　ビシ！「きた！」

うわまじか、わかりやすいなあサポート！めちゃくちゃ助かります！
後はひたすら巻けばいいんですねうおおおおおおおおおお！！
は、イカン！なんか赤いゲージが見える！
なるほど、今は巻いちゃダメなんだな！ラインがジジジジと出ていくが、ここは我慢。
かーらーのー　はいゲージが緑になったうおおおおおおおーーーー！！

わーわー　すげー　おねえちゃんがんばれー！

　　ザパーー！

「やったぁ！魚釣り成功！」
「「やったー！」」

ひじから先くらいの大きさはある銀色のお魚！やったぁ！

しかし、どうしようかなー
アイテムバック認定されたとはいえエコバックさんですよ。このまま突っ込むのは抵抗があるんですが…
あ、ビニール袋入ってた。
とりあえずこれに入れよっと。
しかしお魚なんて切り身しか買わないから触れるのか？とおもったけど割と平気だったわ。よかったー。
おっかなびっくり生きた魚を見つめる少年にちょっと預かってもらって、再度挑戦です。

そして大した見どころもなく二尾ゲット！

「いやー、全く問題ありませんでしたね。はい、試験終了です。おめでとうございます。」
「ありがとうございました。」
「ではギルドへ戻りましょう、カードもそろそろ出来上がったと思いますよ。」
「あれ、試験結果出る前にもうカード作ってもらってたんですか？」
「試験に合格すると★一つ、失敗したら★無しです。★無しの場合は通年設置依頼しか選択できないんです。★ありで個別依頼を受けられるようになります。」
「なるほどーじゃあ、これで無事、初心者冒険者になれたんですね。」
「はい、そうなります。」

ギャラリーの皆さんにも応援へのお礼を言ってお別れ、あ。アイテムバックは、そのまま物を入れても汚れたりしないそうなので大丈夫だそうです。なーんだ。
外側は拭いたり洗っておけばいいって。
　　ピッコーン！《アイテムバック：巾着袋型エコバック、耐汚効果あり。気にせずなんでもお入れください。海中に落としても泥汚れでも、ふき取るだけでまっさらに。》
あ、そうですかありがとうございます。
もうこれ何なのとかどうやって文章読んでるんだ私とか、かんがえませんはい。受け止めよう。

はーい、戻ってきました冒険者ギルド。
新規登録受付には今度はお兄さんがいる。

「アユ・カワシモさんですね。釣果はいかがでしたか？」
「はい！しっかり二尾釣ってきました！」　ビニール袋ｶﾞｻｶﾞｻﾋﾞﾁﾋﾞﾁ
「問題なく釣りが成功しました、たぶんそういうスキルがあるものと思われます。適合職で問題ないかと。」
「はい、かしこまりました。ではこちらが冒険者ギルド会員証になります。」

スタンプの様なものをぺトンっと押されて★一つ冒険者証完成です！

「もうご存じとは思いますが、身分証になりますのでなくされませんようしっかりお持ちください。まあ、アイテムバックをお持ちのようですからそれに入れるのが一番安全ですね。中級物以上なら所有者登録もできますし。」
「あ、はい。所有者登録ってやつも無事できました。じゃこの中入れときます。」
「こちらの冊子が冒険者ギルドの説明書になりますのでしっかりお読みください。では以上で登録は終わりです。何か質問等ございましたら中央側の受付からご相談くださいませ。お疲れ様でございました。」
「ありがとうございました！」

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