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3.仲間ができました。
魚25:トーヤコの町へやってきました。
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ーーー大きな湖のほとりにある観光地、トーヤコの町。
珍しい植物の採取やトーヤコ湖の水そのものにも魔法薬を作るのに適した価値があり、また湖水と薬古木の樹液で作られる化粧水は庶民貴族問わず大人気である。
だからといって貴族ばかりが買い占めるわけでもなく、欲しい人にきちんといきわたるのは、トーヤコ湖が意志を持っているからだという伝承もある。
湖に嫌われたものは、その湖水または湖水を使った商品にふれてしまうと、どんな名医にかかってもなかなか治らない皮膚病に丸一年は悩まされるという恐ろしい呪いを受けるのだ。
[トーヤコ湖の呪い]は実際にステータスにも表示されてしまうため、実在する呪いであるーーー
(初心者冒険者用周辺ガイドマップ・ボッツボット版より抜粋)
レンガ造りの門の前には入場待ちのほどほどな行列。
もうすっかり夕方なので、わたしたちと同じように転移してやってくる人たちもいる。
「……はいどうぞー 次の方ー!」
「お願いしまーす。」
「ああ、お帰りなさい、”赤い宝石”さん。カードをお願いします。」
「ほいほーい。あと、彼女もいっしょに。」
「こ、こんにちは。」
「おや、はじめましてかな?こんにちは。身分証明になるものはありますか?ない場合は銀貨三枚必要ですが。」
「ギルドカードでお願いします。」
「ハイお預かりします。 ……おや?」
ぎっくーん!
「アビー!あんた頭巾とっちまったのか。度胸ついたみたいだな!」
「あ、ああ。思うところがありまして。」
ほ……
「あれ? えーっとアユさん?あんた人族って書いてあるけどなんで角生えてるんだ?」
ぎくぎくぅ!!!
「あ、これ髪飾りなんです。」 スポッ
「へー、キレイなもんだ。でもなんでまた?知らないわけじゃないだろう、鬼人族は…」
「お話は聞きました。そのうえで選びました。 アビーさん!」
「ひゃ!あ、ははい!」
(お手手こいびとつなぎ ギュ!)
「こういうことです。」 ニコニコ
「・・・・・・っっ!!」 マッカッカ
「…あ、ああー!はいはい、そういうことね!よかったなぁアビー!可愛い彼女ができて!」 背中バシバシ
「えあ、え、ええ、はい。」 オットット
「そーかそーか、お揃いがよかったんだな!この髪飾りの角も赤いもんな!あっはっはっは! よーしちょっと待っててな。カードに[角はアクセサリー]っと。で、魔結晶に通して…これでよし。」
「ギルドじゃなくても変更って出来るんですね。」
「うーん…職業の変更や結婚して相手の種族になることにした、みたいは大きな変更なんかはギルドでやってもらう必要あるけど、片腕無くしたとか眼帯付けてる、みたいな追記くらいなら、ここでやっちまうほうが早いからね。さ、通っていいよ。」
「ありがとうございます。」
人気の少ない町の隅まで、てくてくてく…
「「「「………ぶっはぁぁぁぁぁぁ。」」」」
「びびった…むちゃくちゃびびった…ちびりそうだった…」
「心臓に悪いわぁ…ああ、辛かった…」
「ふー、何事もなくてよかったです。」
「なんであんたは平気なんだ…」
「とんでもない、まったく平気じゃないです。心臓やばいですよ。」
「本当に、ばれませんでしたね天女様。その『せいなんとか?』だっていうこと…」
「アビー、だめよ。」
「っとすみません!」
「大丈夫ですよー、もうなんなら天女でいいよ。違うって言ったけどそれ、あだ名って事にしとこう。」
「で、ですが、あれだけ否定されてしまったわけですし、お嫌だったのでしょう?本当に申し訳ありません…」
「ああー、そうじゃないよ。人間だってわかってほしかっただけですから。 …むしろ隠れるためにも有効かもしれない。天女って呼ばれてるから人違いだって追っ手側が勘違いしてくれるんじゃないかなっていう打算はある。」
「よろしいのですか?」
「うん、アビーさんはもうそのほうが呼びやすそうだし自然に呼んでもらったほうがいいですね。お二人も呼びやすいように呼んでくれていいですから。」
「ああ、じゃ、さっき森で決めた「アユコ」で統一させてもらうか。」
「下手に全然違う名前にするより似た名前のほうが安全だと思うもの。うっかり反応しちゃっても聞き間違いってことにできるわ。」
「ありがとうございます。」
「さあ、いろいろ聞きたいことは山積みだけど!(手パン!)まずは宿屋へ行くわよ!」
えー、はい。
ざっくりと説明すると…
・うっかり聖女だって暴露しちゃった。
・慌てるわたし、固まるジュドーさんと頭を抱えるシシィさん。
・聖女がどういうものか分からないアビーさん。
・気合で問題を放棄するシシィさん。
・とりあえず、知り合いを装うためおたがいの名前だけ確認しあう。
・転移石をエコバックさんから渡して全員手をつないで、石に記録された地点へ転移。
・石が割れて、転移完了。トーヤコの町に到着。 ←イマココ
こんな感じ。
旅の途中で偶然再会したていで、お互いの近況を話しながら状況確認しつつ、とりあえずあのやばい電撃の魔法については言わないでくれと再度お願いしたり、ジュドーさんとシシィさんが二年前に結婚したばかりだと聞いてびっくりしたりしながら宿屋につきました。
暖かいオレンジ色の平屋が食堂で、くっついてる二階建ての建物が宿屋。
すっごくいい匂いが外まで漂っています。
「あの、わたしお金全然なくて…」
「ご馳走させてもらうわよ!部屋ももう一人分なんとかなるでしょ。」
「あ、お部屋は大丈夫です。寝床はあるので。」
「なになにー?どゆこと?」
「うーんと、妖精さんのお部屋?のようなものがあります。なので、人目につかない場所を借りられればそれで大丈夫なんです。しっかり稼げるようになるまではそれで節約したいな、と。」
「あはは!もう本当にきみの妖精は規格外だ! 妖精が人間にそんなに尽くすなんて聞いたことないや!」
「はぁ、もう予想外だらけで驚くものもう無いだろうって思ったけどさらに出てくるわね…」
「さすが天女様です!」
「あ、あははははー…(やっべぇ、妖精設定にしたの駄目だったかなぁ…でもお金は節約しなきゃだしねぇ。)」
「うん、よし。女将さんに相談しましょ。 さあいくわよー お腹ペコペコー!」
「はーい!」
珍しい植物の採取やトーヤコ湖の水そのものにも魔法薬を作るのに適した価値があり、また湖水と薬古木の樹液で作られる化粧水は庶民貴族問わず大人気である。
だからといって貴族ばかりが買い占めるわけでもなく、欲しい人にきちんといきわたるのは、トーヤコ湖が意志を持っているからだという伝承もある。
湖に嫌われたものは、その湖水または湖水を使った商品にふれてしまうと、どんな名医にかかってもなかなか治らない皮膚病に丸一年は悩まされるという恐ろしい呪いを受けるのだ。
[トーヤコ湖の呪い]は実際にステータスにも表示されてしまうため、実在する呪いであるーーー
(初心者冒険者用周辺ガイドマップ・ボッツボット版より抜粋)
レンガ造りの門の前には入場待ちのほどほどな行列。
もうすっかり夕方なので、わたしたちと同じように転移してやってくる人たちもいる。
「……はいどうぞー 次の方ー!」
「お願いしまーす。」
「ああ、お帰りなさい、”赤い宝石”さん。カードをお願いします。」
「ほいほーい。あと、彼女もいっしょに。」
「こ、こんにちは。」
「おや、はじめましてかな?こんにちは。身分証明になるものはありますか?ない場合は銀貨三枚必要ですが。」
「ギルドカードでお願いします。」
「ハイお預かりします。 ……おや?」
ぎっくーん!
「アビー!あんた頭巾とっちまったのか。度胸ついたみたいだな!」
「あ、ああ。思うところがありまして。」
ほ……
「あれ? えーっとアユさん?あんた人族って書いてあるけどなんで角生えてるんだ?」
ぎくぎくぅ!!!
「あ、これ髪飾りなんです。」 スポッ
「へー、キレイなもんだ。でもなんでまた?知らないわけじゃないだろう、鬼人族は…」
「お話は聞きました。そのうえで選びました。 アビーさん!」
「ひゃ!あ、ははい!」
(お手手こいびとつなぎ ギュ!)
「こういうことです。」 ニコニコ
「・・・・・・っっ!!」 マッカッカ
「…あ、ああー!はいはい、そういうことね!よかったなぁアビー!可愛い彼女ができて!」 背中バシバシ
「えあ、え、ええ、はい。」 オットット
「そーかそーか、お揃いがよかったんだな!この髪飾りの角も赤いもんな!あっはっはっは! よーしちょっと待っててな。カードに[角はアクセサリー]っと。で、魔結晶に通して…これでよし。」
「ギルドじゃなくても変更って出来るんですね。」
「うーん…職業の変更や結婚して相手の種族になることにした、みたいは大きな変更なんかはギルドでやってもらう必要あるけど、片腕無くしたとか眼帯付けてる、みたいな追記くらいなら、ここでやっちまうほうが早いからね。さ、通っていいよ。」
「ありがとうございます。」
人気の少ない町の隅まで、てくてくてく…
「「「「………ぶっはぁぁぁぁぁぁ。」」」」
「びびった…むちゃくちゃびびった…ちびりそうだった…」
「心臓に悪いわぁ…ああ、辛かった…」
「ふー、何事もなくてよかったです。」
「なんであんたは平気なんだ…」
「とんでもない、まったく平気じゃないです。心臓やばいですよ。」
「本当に、ばれませんでしたね天女様。その『せいなんとか?』だっていうこと…」
「アビー、だめよ。」
「っとすみません!」
「大丈夫ですよー、もうなんなら天女でいいよ。違うって言ったけどそれ、あだ名って事にしとこう。」
「で、ですが、あれだけ否定されてしまったわけですし、お嫌だったのでしょう?本当に申し訳ありません…」
「ああー、そうじゃないよ。人間だってわかってほしかっただけですから。 …むしろ隠れるためにも有効かもしれない。天女って呼ばれてるから人違いだって追っ手側が勘違いしてくれるんじゃないかなっていう打算はある。」
「よろしいのですか?」
「うん、アビーさんはもうそのほうが呼びやすそうだし自然に呼んでもらったほうがいいですね。お二人も呼びやすいように呼んでくれていいですから。」
「ああ、じゃ、さっき森で決めた「アユコ」で統一させてもらうか。」
「下手に全然違う名前にするより似た名前のほうが安全だと思うもの。うっかり反応しちゃっても聞き間違いってことにできるわ。」
「ありがとうございます。」
「さあ、いろいろ聞きたいことは山積みだけど!(手パン!)まずは宿屋へ行くわよ!」
えー、はい。
ざっくりと説明すると…
・うっかり聖女だって暴露しちゃった。
・慌てるわたし、固まるジュドーさんと頭を抱えるシシィさん。
・聖女がどういうものか分からないアビーさん。
・気合で問題を放棄するシシィさん。
・とりあえず、知り合いを装うためおたがいの名前だけ確認しあう。
・転移石をエコバックさんから渡して全員手をつないで、石に記録された地点へ転移。
・石が割れて、転移完了。トーヤコの町に到着。 ←イマココ
こんな感じ。
旅の途中で偶然再会したていで、お互いの近況を話しながら状況確認しつつ、とりあえずあのやばい電撃の魔法については言わないでくれと再度お願いしたり、ジュドーさんとシシィさんが二年前に結婚したばかりだと聞いてびっくりしたりしながら宿屋につきました。
暖かいオレンジ色の平屋が食堂で、くっついてる二階建ての建物が宿屋。
すっごくいい匂いが外まで漂っています。
「あの、わたしお金全然なくて…」
「ご馳走させてもらうわよ!部屋ももう一人分なんとかなるでしょ。」
「あ、お部屋は大丈夫です。寝床はあるので。」
「なになにー?どゆこと?」
「うーんと、妖精さんのお部屋?のようなものがあります。なので、人目につかない場所を借りられればそれで大丈夫なんです。しっかり稼げるようになるまではそれで節約したいな、と。」
「あはは!もう本当にきみの妖精は規格外だ! 妖精が人間にそんなに尽くすなんて聞いたことないや!」
「はぁ、もう予想外だらけで驚くものもう無いだろうって思ったけどさらに出てくるわね…」
「さすが天女様です!」
「あ、あははははー…(やっべぇ、妖精設定にしたの駄目だったかなぁ…でもお金は節約しなきゃだしねぇ。)」
「うん、よし。女将さんに相談しましょ。 さあいくわよー お腹ペコペコー!」
「はーい!」
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