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フェルシア王国・陰謀編
出立
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「そろそろ起きて。早く支度しないと朝食に間に合わないわよ」
馬車の中で食べるなら起きなくても構わないけど、と言えば、あとちょっと、あとちょっととぼやき続けていたアリアが飛び起きた。
「おはよう」
「おはよ。酷い脅し文句言うねぇ……」
「もう何回も起こしてたのに起きないからよ」
「えー、起こされたっけ……?」
「さっきので8回目」
「嘘ぉ」
私がすっかり着替えているのを見てか、アリアもそこで会話を切り上げてもぞもぞとベッドから這い出て、着替え始めた。
「服、豪華めなのにしたほうがいい?」
「そうね、今日の午前中には王城に着くでしょうし……ある程度しっかりしたのある?」
「うん、一応。学園時代のが」
「また新調しないとね、取り敢えず今日はそれで」
「了解ー」
数分、自分とアリアのベッドを整え終えたところでちょうど着替え終わったらしい。
「忘れ物ない? 食べたらすぐ出るらしいから」
「ん、無いと思うよ」
「じゃ、行こうか」
鍵を回して、ドアを開けて2人で外に出る。待ってくれていたらしいトールが、壁に背を預けつつ右手を上げてひらりと手を振った。
「おはよう2人とも。よく寝れた?」
「それなりにはね。アリアが起きなくて大変だったのよ」
「あ、ちょっと! 言わなくてもいいじゃーん」
「あはは、らしいね。想像がつくよ」
「ひどくなーい!?」
くつくつと笑みを漏らすトールが、思い悩む様子はない。昨日のことが彼を苦しませていないわけはないのだけれど、昨日ほどあからさまでもなく、顔色も良くなっているようで、密かにほっと息をついた。
「朝食、食べに行こうか。荷物はロイが馬車に積んでおいてくれるらしいからそこらへんに置いておいて」
外の扉の方を彼が一瞥したので目を向けると、きちりとまっすぐに立っているロイの姿が。
「ん、了解ー」
「何から何までありがとうね」
「いーえ。これくらいお安い御用、ってね」
パチン、と副音声が聞こえてきそうなウインクをトールが決めた。
「うわぁ、さすが王子様」
「キザねぇ」
「……え、ウインクしただけでそこまで言う!?」
「だいぶ様になってたわよ、王子様?」
「はは…… 嬉しいような嬉しくないような……」
まぁ、そこまで言うなら王子様らしくしますかね、と彼は悪戯な笑みを浮かべた。私をしっかりと捉えたままに。
「お手をどうぞ、お姫様?」
わぁお、と目を見開いているだろうアリアの声が耳に響いた。トールは私に右手を差し出し、その甘いマスクを存分に使ってそれはそれは綺麗な笑みを浮かべて私を見つめている。あんまりからかうから意趣返しといったところなんだろうけど、うん。恥ずかしい。でもここで照れてるのを顔に出したら負けな気がする。何がって聞かれたら答えられないけれど、何か負ける気がする。するけど……っ!
「……あーもうっ! ごめんだからやめにしましょ!」
「あーらら、さすがのティアも根っからの王子様には勝てないかぁ」
「ふふ、顔赤いよフィティア」
「もー……」
からかう二人についジト目を向けるも、依然として楽しげに笑っているだけ。
「…………あの、みなさん。そろそろ食べに行かれないと間に合わなくなる恐れがありますので……」
と、そこで恐る恐ると近づいて声をかけたのはロイだった。
「あ」
「すみませんっ!」
「ありがとう、迷惑かけてすまないね」
三者三様の反応をして慌ただしく部屋を出る。
「……次は気をつけようか」
「あはは、見られてたの忘れてたや……」
「そうね……」
ちらりとロイの方を見ると微笑ましいものを見るように目を細められていて、私たちはみんな苦い顔をした。反省。
馬車の中で食べるなら起きなくても構わないけど、と言えば、あとちょっと、あとちょっととぼやき続けていたアリアが飛び起きた。
「おはよう」
「おはよ。酷い脅し文句言うねぇ……」
「もう何回も起こしてたのに起きないからよ」
「えー、起こされたっけ……?」
「さっきので8回目」
「嘘ぉ」
私がすっかり着替えているのを見てか、アリアもそこで会話を切り上げてもぞもぞとベッドから這い出て、着替え始めた。
「服、豪華めなのにしたほうがいい?」
「そうね、今日の午前中には王城に着くでしょうし……ある程度しっかりしたのある?」
「うん、一応。学園時代のが」
「また新調しないとね、取り敢えず今日はそれで」
「了解ー」
数分、自分とアリアのベッドを整え終えたところでちょうど着替え終わったらしい。
「忘れ物ない? 食べたらすぐ出るらしいから」
「ん、無いと思うよ」
「じゃ、行こうか」
鍵を回して、ドアを開けて2人で外に出る。待ってくれていたらしいトールが、壁に背を預けつつ右手を上げてひらりと手を振った。
「おはよう2人とも。よく寝れた?」
「それなりにはね。アリアが起きなくて大変だったのよ」
「あ、ちょっと! 言わなくてもいいじゃーん」
「あはは、らしいね。想像がつくよ」
「ひどくなーい!?」
くつくつと笑みを漏らすトールが、思い悩む様子はない。昨日のことが彼を苦しませていないわけはないのだけれど、昨日ほどあからさまでもなく、顔色も良くなっているようで、密かにほっと息をついた。
「朝食、食べに行こうか。荷物はロイが馬車に積んでおいてくれるらしいからそこらへんに置いておいて」
外の扉の方を彼が一瞥したので目を向けると、きちりとまっすぐに立っているロイの姿が。
「ん、了解ー」
「何から何までありがとうね」
「いーえ。これくらいお安い御用、ってね」
パチン、と副音声が聞こえてきそうなウインクをトールが決めた。
「うわぁ、さすが王子様」
「キザねぇ」
「……え、ウインクしただけでそこまで言う!?」
「だいぶ様になってたわよ、王子様?」
「はは…… 嬉しいような嬉しくないような……」
まぁ、そこまで言うなら王子様らしくしますかね、と彼は悪戯な笑みを浮かべた。私をしっかりと捉えたままに。
「お手をどうぞ、お姫様?」
わぁお、と目を見開いているだろうアリアの声が耳に響いた。トールは私に右手を差し出し、その甘いマスクを存分に使ってそれはそれは綺麗な笑みを浮かべて私を見つめている。あんまりからかうから意趣返しといったところなんだろうけど、うん。恥ずかしい。でもここで照れてるのを顔に出したら負けな気がする。何がって聞かれたら答えられないけれど、何か負ける気がする。するけど……っ!
「……あーもうっ! ごめんだからやめにしましょ!」
「あーらら、さすがのティアも根っからの王子様には勝てないかぁ」
「ふふ、顔赤いよフィティア」
「もー……」
からかう二人についジト目を向けるも、依然として楽しげに笑っているだけ。
「…………あの、みなさん。そろそろ食べに行かれないと間に合わなくなる恐れがありますので……」
と、そこで恐る恐ると近づいて声をかけたのはロイだった。
「あ」
「すみませんっ!」
「ありがとう、迷惑かけてすまないね」
三者三様の反応をして慌ただしく部屋を出る。
「……次は気をつけようか」
「あはは、見られてたの忘れてたや……」
「そうね……」
ちらりとロイの方を見ると微笑ましいものを見るように目を細められていて、私たちはみんな苦い顔をした。反省。
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