19 / 118
19.本命の彼女がブチ切れた件
しおりを挟む
煽るようにそう言ったルークを、
「あほっ、そんな単純な問題じゃねぇよ」
ウォルフが一蹴する。
「単純……ねぇ。でも複雑に考えても答えがでない問題っていうのは、
案外単純に考えるのがいいんじゃないの?
あれこれ考えすぎると、身動きできなくなっちゃうよ?」
ルークの鳶色の瞳が、ニヤリと笑う。
「つうか、動くつもりもないし」
ウォルフが鼻で嗤う。
「動かざること山の如しって?
そんな余裕かましてる場合でもないでしょうに」
ルークが呆れたようにそういって、窓辺に歩いていく。
ブラインドの隙間から外を窺うと、
アカデミーの車止めに、せわしなく人が出入りしている。
「どうやら何らかの有事が発生したらしいね」
ルークが目を細めると、ノックの後で部屋に入ってきた
士官候補生が敬礼し、
ウォルフとルークの王宮への召集を告げた。
◇◇◇
「ウォルフ様は、
今夜は遅くなられるそうですよ?」
アルフォード家の別館にて、
ユウラはメイド頭から報告を受けた。
軍務に就く者への非常時の召集、
それは有事の勃発だ。
ユウラはきつく唇を噛み締めた。
底なしの不安が、嫌が応にもせり上がってくる。
「ユウラ様?」
メイド頭がユウラを心配そうに見つめた。
「いえ、なんでもないの。ごめんなさい」
ユウラは平静を取り繕う。
「それよりも、
今夜はきっとウォルフはとても疲れて帰ってくるわ。
帰ってきたときに、軽くつまめるものを作ります。
それと、入浴の用意をお願い。
寝室も適温に」
ユウラは使用人たちに指示を飛ばし、
自らキッチンに立つ。
米を研ぎ、味噌汁の出汁を丁寧にとる。
根菜を煮て、塩鮭を焼き、
出汁巻きを手際よく作っていく。
キッチンにいい匂いが満ちる頃、ウォルフが帰宅した。
「お帰りなさい。ウォルフ」
エプロンを着けたまま、急ぎ足で自分を迎えに出てきたユウラに、
ウォルフはどぎまぎとする。
「おっ……おおう」
少しぎこちなく応じるウォルフに、
ユウラが小首を傾げる。
「お……お前、その恰好……」
ウォルフが赤面する。
「ああ、これ? 今日きっとウォルフ、
疲れて帰ってくると思って、ごはん作ってたの」
ユウラが、自分の身体をキョロキョロと見回し、
エプロンをつけっぱなしだったことに気づく。
「お前が……作ってくれたの?」
ウォルフが驚いたように、ユウラを見つめた。
「上手くできたかどうかは、わからないけど……」
ユウラが目を瞬かせる。
ユウラが用意した食事を目の前に、
ウォルフが暫し無言になる。
「うんまっ! ご馳走様でした」
出された食事をペロリと平らげ、ウォルフが両手を合わせた。
「良かった~」
食後のお茶を淹れるユウラが、
ホッとしたように微笑んだ。
「ユウラ、お前、なんか欲しいもんある?」
どうやらウォルフは機嫌がいいらしい。
そんなウォルフの様子に、ユウラは少し安堵を覚えた。
「なによ? いきなり」
笑いを含ませて、やんわりと尋ねる。
「婚約指輪買いに行くか? 婚約指輪。
服でもドレスでも、宝石でも、なんでも買ってやるぞ?
次の休みに行かねぇ? 予定どう?」
(えらく景気のいい話ね。
そして急だな。
これは何かある)
ユウラのセンサーに何かが引っかかっている。
ユウラは、素知らぬ振りをして食器を下げて、
洗い物に取り掛かる。
「え~、だったら私、
ウォルフからロザリオが欲しいですけど」
ユウラの言葉に、ウォルフが口を噤んだ。
暫くの沈黙の後で、
「ごめん」
ウォルフがユウラに謝った。
ユウラの手から、
茶碗が滑り落ちて耳障りな音を立てた。
水道の水音だけが、二人の耳にやけに大きく響く。
「それは……できないんだ」
ウォルフが辛そうに、言葉を紡いだ。
「そっか……」
ユウラが下を向く。
平静を装ってはみても、手が震えて
割れた茶碗の破片を上手く片すことができない。
「痛っ」
陶器の破片が指に刺さって、血が盛り上がる。
「ユウラ! お前っ! 大丈夫か?」
ウォルフが顔色を変えて、ユウラに駆け寄るが、
ユウラはぎこちなく笑って、ウォルフに背を向ける。
「大丈夫、平気だから」
疲れたからと自分を置いて、
先に部屋に戻ったユウラを見届けたウォルフが頭を抱える。
「っていうか、大丈夫なわけ、ねぇじゃん!
嗚呼! 俺のバカッ! バカッ! バカッ!」
ウォルフの眦にリアルに涙が滲む。
◇◇◇
丘を駆け抜けていく風に、
エマ・ユリアスは思わず片目を閉じた。
青々と茂る、よく手入れの施された芝の上には墓石が並ぶ。
『セナ・ユリアス』
そう刻まれた墓石には、
すでに深紅の薔薇の花束が供えられてあった。
「きっとあの方ね」
エマはそう呟いて、微笑んだ。
アカデミーの創立記念パーティーに、
自分のプロムの相手になって欲しいと、
在りし日の姉に申し込んだ人がいた。
美少女のような外見の少年だった。
そのとき、少年が姉に差し出したのも、
深紅の薔薇だった。
「お姉さま、ルーク教官が来てくれたのね」
そういってエマが墓石の前に屈んで、
自身が持参した花束を供える。
「よう!」
刹那、背後で声がして、
エマが驚いたように振り向いた。
「ウォルフ……様……」
ウォルフもまた、花束の包みをセナの墓石に供えた。
「ウォルフ様は……ライラックですのね」
エマが興味深げに、ウォルフの供えた花を見つめた。
白いライラックの小花が風に揺れている。
「ルークを差し置いて、
まさかこの俺がセナに情熱の真っ赤な薔薇を
捧げるわけにもいかねえだろ?」
ウォルフがそう言って、肩をそびやかした。
「あほっ、そんな単純な問題じゃねぇよ」
ウォルフが一蹴する。
「単純……ねぇ。でも複雑に考えても答えがでない問題っていうのは、
案外単純に考えるのがいいんじゃないの?
あれこれ考えすぎると、身動きできなくなっちゃうよ?」
ルークの鳶色の瞳が、ニヤリと笑う。
「つうか、動くつもりもないし」
ウォルフが鼻で嗤う。
「動かざること山の如しって?
そんな余裕かましてる場合でもないでしょうに」
ルークが呆れたようにそういって、窓辺に歩いていく。
ブラインドの隙間から外を窺うと、
アカデミーの車止めに、せわしなく人が出入りしている。
「どうやら何らかの有事が発生したらしいね」
ルークが目を細めると、ノックの後で部屋に入ってきた
士官候補生が敬礼し、
ウォルフとルークの王宮への召集を告げた。
◇◇◇
「ウォルフ様は、
今夜は遅くなられるそうですよ?」
アルフォード家の別館にて、
ユウラはメイド頭から報告を受けた。
軍務に就く者への非常時の召集、
それは有事の勃発だ。
ユウラはきつく唇を噛み締めた。
底なしの不安が、嫌が応にもせり上がってくる。
「ユウラ様?」
メイド頭がユウラを心配そうに見つめた。
「いえ、なんでもないの。ごめんなさい」
ユウラは平静を取り繕う。
「それよりも、
今夜はきっとウォルフはとても疲れて帰ってくるわ。
帰ってきたときに、軽くつまめるものを作ります。
それと、入浴の用意をお願い。
寝室も適温に」
ユウラは使用人たちに指示を飛ばし、
自らキッチンに立つ。
米を研ぎ、味噌汁の出汁を丁寧にとる。
根菜を煮て、塩鮭を焼き、
出汁巻きを手際よく作っていく。
キッチンにいい匂いが満ちる頃、ウォルフが帰宅した。
「お帰りなさい。ウォルフ」
エプロンを着けたまま、急ぎ足で自分を迎えに出てきたユウラに、
ウォルフはどぎまぎとする。
「おっ……おおう」
少しぎこちなく応じるウォルフに、
ユウラが小首を傾げる。
「お……お前、その恰好……」
ウォルフが赤面する。
「ああ、これ? 今日きっとウォルフ、
疲れて帰ってくると思って、ごはん作ってたの」
ユウラが、自分の身体をキョロキョロと見回し、
エプロンをつけっぱなしだったことに気づく。
「お前が……作ってくれたの?」
ウォルフが驚いたように、ユウラを見つめた。
「上手くできたかどうかは、わからないけど……」
ユウラが目を瞬かせる。
ユウラが用意した食事を目の前に、
ウォルフが暫し無言になる。
「うんまっ! ご馳走様でした」
出された食事をペロリと平らげ、ウォルフが両手を合わせた。
「良かった~」
食後のお茶を淹れるユウラが、
ホッとしたように微笑んだ。
「ユウラ、お前、なんか欲しいもんある?」
どうやらウォルフは機嫌がいいらしい。
そんなウォルフの様子に、ユウラは少し安堵を覚えた。
「なによ? いきなり」
笑いを含ませて、やんわりと尋ねる。
「婚約指輪買いに行くか? 婚約指輪。
服でもドレスでも、宝石でも、なんでも買ってやるぞ?
次の休みに行かねぇ? 予定どう?」
(えらく景気のいい話ね。
そして急だな。
これは何かある)
ユウラのセンサーに何かが引っかかっている。
ユウラは、素知らぬ振りをして食器を下げて、
洗い物に取り掛かる。
「え~、だったら私、
ウォルフからロザリオが欲しいですけど」
ユウラの言葉に、ウォルフが口を噤んだ。
暫くの沈黙の後で、
「ごめん」
ウォルフがユウラに謝った。
ユウラの手から、
茶碗が滑り落ちて耳障りな音を立てた。
水道の水音だけが、二人の耳にやけに大きく響く。
「それは……できないんだ」
ウォルフが辛そうに、言葉を紡いだ。
「そっか……」
ユウラが下を向く。
平静を装ってはみても、手が震えて
割れた茶碗の破片を上手く片すことができない。
「痛っ」
陶器の破片が指に刺さって、血が盛り上がる。
「ユウラ! お前っ! 大丈夫か?」
ウォルフが顔色を変えて、ユウラに駆け寄るが、
ユウラはぎこちなく笑って、ウォルフに背を向ける。
「大丈夫、平気だから」
疲れたからと自分を置いて、
先に部屋に戻ったユウラを見届けたウォルフが頭を抱える。
「っていうか、大丈夫なわけ、ねぇじゃん!
嗚呼! 俺のバカッ! バカッ! バカッ!」
ウォルフの眦にリアルに涙が滲む。
◇◇◇
丘を駆け抜けていく風に、
エマ・ユリアスは思わず片目を閉じた。
青々と茂る、よく手入れの施された芝の上には墓石が並ぶ。
『セナ・ユリアス』
そう刻まれた墓石には、
すでに深紅の薔薇の花束が供えられてあった。
「きっとあの方ね」
エマはそう呟いて、微笑んだ。
アカデミーの創立記念パーティーに、
自分のプロムの相手になって欲しいと、
在りし日の姉に申し込んだ人がいた。
美少女のような外見の少年だった。
そのとき、少年が姉に差し出したのも、
深紅の薔薇だった。
「お姉さま、ルーク教官が来てくれたのね」
そういってエマが墓石の前に屈んで、
自身が持参した花束を供える。
「よう!」
刹那、背後で声がして、
エマが驚いたように振り向いた。
「ウォルフ……様……」
ウォルフもまた、花束の包みをセナの墓石に供えた。
「ウォルフ様は……ライラックですのね」
エマが興味深げに、ウォルフの供えた花を見つめた。
白いライラックの小花が風に揺れている。
「ルークを差し置いて、
まさかこの俺がセナに情熱の真っ赤な薔薇を
捧げるわけにもいかねえだろ?」
ウォルフがそう言って、肩をそびやかした。
11
あなたにおすすめの小説
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる