変装王寺の嫁さがし

久喜 まいたけ

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職業体験先

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「職業体験って他の学園に比べるとなんか高校生らしい感じがするっすね。」

そう言って薫が2杯目の緑茶に口をつけた。

「でもこれは自主的な職業体験らしいよ。」

「自主的?ああーそうっすね。アポイントからスケジュールまで自分で決めないとだめなんすよね。」

「そう。だから早い話自分の会社でやってもいいし他所の会社に見学というか参加させてもらってやってもいいし。そこはやっぱり自由なんじゃない?でも……」

「でも?なんすか?」

「やっぱり楽すれば点数はあがらないし。チャンスも生まれない。まあみんなは無難に自分の会社で落ち着くと思うけどね。」

「みんなは?ってまさか若!?」

「もちろん僕は違う所へいくよ?薫は?」

「行きたいのは山々なんですが。どうしてもはずせない案件がありまして。夏休みはそこへ行かなければならないんすよ。」

「うん。わかった。じゃあ僕1人で行ってみるよ。」

「若。くれぐれも無茶をなさらぬようにっすよ!!」

訝しげそうに薫は僕の顔を覗き混んできた。

「大丈夫。」自分が無茶とかではなけれは無茶ではないからとは言わないでおく。

またなんか言われそうだから。

「でわちょっと準備があるんで失礼するっすね。」

そう言って帰っていった。




さてと。どうしようかな。

あてがあるわけでもないし外部にパイプがあるとしたら取引先などでみんな交渉材料にされるだろう。

友達というか仲間に頼るのもな。

まだ知り合って2ヶ月弱。まだコミュニケーション不足な感じだ。

うーん。誰もいない部屋で自分のため息だけが聞こえる。

そこに一本の電話が鳴った。

ケータイじゃない。家に備え付けている。社長直通の電話。

受話器を取るといつもと変わらない陽気な声が聞こえてきた。

「ハロハロー!元気か譲。」

じいちゃんだ。

「じいちゃん。元気だよ。会社はどう?」

「どう?って大変じゃよ!譲に任せて隠居モード前回だったのに!」

元気そうでよかった。

「それだけいえれば大丈夫そうだね。よかった。」

じいちゃんに聞いてみようかな?

「じいちゃん。夏休みの宿題で職業体験しろっていわれたんだけど。なんかある?」

「ん?職業体験?うちに来んのか?」

「いやせっかくだから違うとこいこうかなと思ってさ。」

「だったらワシが言うことはない。自分でさがしな。お前にはワシの全てを教えた。それを使うか使わないかは譲次第じゃよ。」

やっぱり。じいちゃんならそういうと思った。 

「わかったよ。だと思ってたよ。で?じいちゃんの用事は?」

「ああ。そうじゃそうじゃ。譲お前が元気か気になったのと、あと嫁探しはどんな調子かと思っての。学園はどうじゃ?」

嬉しいね。こういう風に連絡をくれるのはじいちゃんしかいない。親父のような存在だ。

「元気元気。でもまだ2ヶ月で嫁というか候補すらあがらない感じかな。でも学園楽しいよ。」

「そうか。まあ焦らんでまだ時間はある。」

電話越しでも豪快に笑うじいちゃんの顔が浮かぶ。

「ありがとう。ちょっとはそっちに顔出すよ。」

「おう。待ってるぞい。あと譲。」

「何?」

「小野コーポレーションにはあまり関わらんほうが……いやなんでもない。忘れてくれ。頑張れ。」

「?そこまで言って忘れろとか無理なことでしょ?どうして?」

「いや、クロちゃんが暴走しそうで。昔からの友人なんじゃがちょっと天才肌でのう。まあ譲なら対処できるじゃろうとおもっての!こっちがあれはだめこれはいいと1つ1つ教えるような年でもないし、これは譲に任せる。」

「ああ、わかったよじいちゃん。それじゃね。」

そして受話器を置いた。それと同時に玄関のチャイムがなる。

なんだろう?玄関には宅配の人であろう人物。

インターホン越しに答える。

「はい?」

「こんにちは。宅配です。」

玄関にでてサインをする。そこでも警戒は怠らなかったがどうやら普通の業者らしい。

小包が渡された。

身に覚えがない小包。宛先のみで送り主が書いてなかった。

昔からこういうのあったな。

ここでもこういうのあるんだ。

奥の部屋へ。スキャン装置にかける。なんでこんなものがあるかって?それは自分で作ったからです。

異常はないみたいだ。

開けてみる。小さな小包の中にはメモ書きと南京錠で鍵をかけてある箱がでてきた。

「なんだこれ?」

メモには

真実の愛。
3感で確かめて。
それは目には見えないもの。
味はしないもの。


とあった。どういうことだ?5感で味覚と視覚以外ってことかな?

取り敢えず触ってみる。ただの箱ではないようだ手彫りのざらざらした手触り。

ふって確認してみる。金属が擦れる音が聞こえる。

そして微かにお香の匂いがした。鼻にまとわりつくような甘い匂い。

それは箱の側面から強く感じた。そこだけはきれいに研磨されていてくぼみがあった。

触ってみる。するとがちゃりと音がなり側面がずれた。

「開いたってことなのかな?」

蓋をとり中身を確認したがそこには手紙とピンクの鎖がはいっていた。

「どういうこと?」

手紙は分厚く読むのに時間がかかった。

要約すると。

1あなたのことが好き。好きすぎて殺しちゃいそう。
2あなたの正体は知ってます。どうして名前を偽ってきてるのかも。私を嫁にすればいい。
3学園をやめなさい。さもないと殺して私も死ぬ。

まあ脅迫だね。いつも会社とかにもきてたからな。万人に愛されることはできないと割りきってるからきにしてなかった。
でもどっちにしろ殺されるのは変わらないんだな。

でもなぜ情報が漏れたのだろう。

そこだけきをつけないと。

そう思いながら気味の悪い箱をかたす。

そしてまたチャイムが鳴った。

今度は変質者。じゃなかった筋肉ダルマこと益田だった。

「間に合ってます。」

がちゃりとインターホンをとり切る。

するとまた筋肉ダルマがインターホンを押した。

「何がでございますか!?まだ何もいってないのに。ひどすぎません?」

ボディービルダーのポージングをとりながらうったえてくる。
気持ち悪い。
そして周囲の人が騒ぎはじめていた。

「めんどくさいな。そこじゃ公害で話にならないから早くはいってください。変に目立ちたくないから。」

「口外。確かにそうですな。では失礼致します。」

益田を招き入れる。

「失礼致します。」

「はい。でどうしました。早く済ましてくださいね?」

「勿論でございます。譲様のお時間をいただき光栄です。」

「御託はいいので本題へ。」

「は。では本題を。譲様マネージャーをやりませんか?」

益田は何をいってるのだろう?

マネージャー?社長のいや、元社長の僕に?

「まあいいや。詳しくきこうか?」

「はい。譲様は今お仕事を探していると情報がありまして。もしよろしければわが子会社のアイドル事業のマネージャーをやっていただければと会長からご提案が。もちろん素性などは実様で対応させていただきますので。いかがでしょうか?勿論急ぎでは……」

さっきのじいちゃんの話が引っかかる。でも僕に決定権を託してくれた。ここからは自分の意志で行動する。

「いいよ。」

「やはりだめです……か?ん?いいのですか?」

「ああ。でも条件がある。」

「はい。伺います。」

「広島さんがボディーガードしている子のマネージャーがしたい。」





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いつもありがとうございます。

まいたけです。

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