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第4章
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「やべぇとこにきちゃったなぁ」
まあ最初の感想はそんな感じだった。本当に渓谷の両サイドくりぬいただけみたいなとこに窓と扉があって階段がいっぱいある天然の公団みたいなところであった。
なんか赤茶色の土壁に似てるなと思いながら状況を整理する。
何で喫茶店からでたらこんなになっちゃってるの?と…
あ、なんかじいちゃんばあちゃんも異世界がどうとかいってたなぁ~
どこか遠い目をしていると、マックさんが目の前をぴょんぴょん跳ねながら様子をみてくる。
「康之様、康之様。どうかなさいましたか?とりあえずお休みになられては?さあ私の家にお越しくだされ。」
「あ、すみません。ありがとうございます。でわお邪魔させてもらいます。じゃなくて、これからよろしくお願いします。」
康之はそういうとマックさんの後に続いて家に入っていった。
マックさんの家はコンクリートの3階建て。基礎もしっかりしてる。鉄骨かな?と考えながら、進められてソファーに腰掛けた。
「すごいお家ですね。お弟子さんは何人いらっしゃるんですか?」
「えーっと。ざっと370人ですかね?そのあと孫弟子は数えきれないほどいます。大工は人気の職業でほとんどが誰かの弟子になってますね。」
マックさんの言葉に絶句した。
そんなすごいところに弟子入りさせてくれたのかじいちゃん…
「そ、そうなんですか。じゃあ兄弟子は370人もいるのか~すごいな。」
「しかし、今はみな独立して各自会社をしていますので、現在抱えてる弟子は1人ですね。」
そうだよねーこんな大きい家でも370人は入らないよね~。
「1人兄弟子がいらっしゃるということなんですね。ご挨拶させていただきたいです。」
自分が1番下だからな。初めが肝心だ。
「いやいや。康之様はゆっくりこちらの世界のお勉強をされればいいのですよ。今出払っていまして、夜にでもご挨拶に伺います。」
「?はぁ。わかりました。あとマックさんに質問なのですが、何故いつも敬語なんですかね?これからお世話になるのはこっちなんでなんか申し訳ないというかなんというか…」
その次の瞬間。
「何を仰いますか!!!!?師匠のお孫さんをお預かりするのですぞ!!!!これが当たり前です!」
凄い剣幕だな。きっとお弟子さんはこれに耐えてきたんだな。
「そ、そういわれても。ちなみにじいちゃんってどんな感じの人でしたか?あまり昔のこと話さないんですよ。」
ちょっと強引だけど話を変えて落ち着かせてからまたこの話をするかな。
すると、マックさんが目をキラキラさせながら語ってくれた。
「康次郎様、師匠は昔ふらっとやってきてこの世界の基礎を造ってくれてお方です。康之様のお爺さまは王様、いや神と言っても過言ではありません。」
………あれ?
どっかの宗教か?
じいちゃんが神?嘘だろ?
「……あの、なんで神とまでいわれるんですかね?基礎って一体なんですか?」
「それはでございますね。生き物というか人型のものはみな衣・食・住が大事でございます。その住の全てを康次郎様がこの世界に浸透させすべてを教えてくださいました。今の暮らしがあるのは康次郎様、ゆき様のおかげでございます。」
「ん?どうしてばあちゃんの名前まで?」
「ゆき様は食について精通されておられ、食材や料理などの作り方はすべてゆき様から伝授されたものでございます。」
あ~確かにばあちゃんは農家で畑も田んぼもやっていたっけ…
ここの世界には画期的なことだったんだなぁ~
「そうだったんですか…まあじいちゃんたちはじいちゃんたちなんで、自分にはそこまでかしこまらないでくださいよ。」
そう言ってそこはどうにかなった。
そして部屋に案内される。
そこは花柄のカーテン、ピンクのベット、化粧台などが置かれていた。
絶対女の子の部屋じゃない?
「ここでゆっくりしてくだされ。また夕飯の時にお呼びします。」
そう言ってマックさんはいってしまった。
まあ、仕方ない。とりあえず休ませてもらおう。
しかし、その後すぐに叩き起こされることとなる。
「お前ぇぇぇ~~うちの部屋で何をしているんさぁぁぁぁぁあ!!!」
夕方、腹に衝撃と甲高い声が響き起きた。
あまりの衝撃に目の前が真っ白になりそうだったが堪えて、声のする方を確認する。
腹の上に女の子が立っていた。色白で金髪の長い髪をポニーテールにして目はぱっちり。大工のニッカポッカに上はブラウスのようなものを着ていてニッカポッカをスカートかなにかにしたらどこかの貴族のお嬢様みたいな感じだった。
何だか訳がわからなかったが素直に可愛いなと思った。
「変態!どこからはいってきた。とりあえずサンドバッグ決定な!縛り上げてさらし者にしてやる。」
そう思ったのもつかの間いきなり胸ぐらを捕まれ、物騒な言葉を聞いた。
なんかヤバそうです、はい。
しかし、すぐに救世主というかこの状況をつくった張本人マックさんが登場した。顔はもう真っ青だか赤だからにコロコロ変わっている。
「おい!ノドカ?!お前なんてことしとるんじゃ?!」
あ、マックさんやっぱりおじいちゃん言葉じゃないけど普通はそうやって話すんだな。
「だって~じいちゃん!不法進入だよ?変態だよ。もうコロスしかないよね?」
金髪美少女マジ怖いわ~。
あれ?じいちゃん?!そこもビックリだわ?!
「あ、康之様。さっき言っていた弟子っていうのがこの孫娘のノドカでございます。よろしくお願いしますね。」
「はぁ~。よろしくお願いします。」
孫娘?妹とかの間違いじゃないの?異世界って恐ろしいと感じた。
「何を勝手に話進めてるんさねじいちゃん?!今日から弟子入りするのってこいつなの?」
ノドカって名前とは逆でキビキビしてるなぁ。
「そうだよ。ノドカには言ってあっただろ?大事な人のお孫さんなんだ。失礼のないようにね。」
マックさん…もう馬乗りされて胸ぐら捕まれてるんですけど。
「もう!しかたないねぇ~よろしく。でもなんで私の部屋にあんたがいるのよ?」
やっぱり下宿させてもらうところではなかったのね。
「一旦ここにいてもらってたんだよ。これから説明するのに準備があったからね。」マックさん頭かきながら答えてる。どこの世界でも孫にはじいちゃんは弱いのかな?
それにしても準備ってなんだろう?
「それでわ康之様。これから修行の説明を致します。よろしいですか?」
マックさんの顔つきが変わり大工の棟梁って感じだ。
「はい。よろしくお願いします。」
「私たちの世界には康次郎様から直々に大工というか技を教えていただいた弟子が私を含め7人います。その者たちから課題が出されるのでそれをクリアして私のところへ戻ってきてください。それが修行です。」
………そうなんだ。なんか住み込みで技とか教えてくれるだけかと思ったけど旅するのか。なんか変わった修行だな。
「わかりました。頑張ってきます!」
「といっても今日はもう遅いから出発は明日にしたらいかがですかな?」
「ありがとうございます。でわ、そうさせてもらいます。」
そして夕飯をご馳走になる。川魚の塩焼きにごはん、味噌汁があったのはビックリした。
これもばあちゃんが教えたらしい、さすがばあちゃん!
その夜ノドカの案内で星が綺麗に見れるスポットに連れていってもらった。
さっきボコボコにしたお詫びらしい。
満天の星空。都会というか千葉でもなかなか見れない絶景だった。
「すげぇー星が綺麗だ!連れてきてくれてありがとう!」
「さっきは悪かったな。じいちゃんから聞いた。すべてあのじいじが悪い。だから、ごめん。」
「いや、こっちも勝手に入って悪かった。申し訳ない。」
なんとか和解できたかな。良かった。
「ちょっと散歩してくるから、まあゆっくりしてな。」とノドカはスタスタいってしまった。
まだ会ったばかりの男と2人きりになったらそりゃ嫌だろうな。
そして、満天の星の下で誰もいない。自然と歌を歌い出していた。小さな時から歌というか音楽の世界にいたので気分で口ずさんだり歌いだしたりしちゃうのだ。これはやっぱり陽気なじいちゃんに似たのかな。
今の気分は失恋ソングだね~。元嫁に捨てられた悲しさやモヤモヤもあったからかもしれない。我ながらネガティブ思考な男だと思う。
熱唱し終わったら側にノドカがいて聞いていた。
ビックリした。もう1人の世界入っちゃったよ。
「お前、歌上手いな。いい大工はみんな歌が上手いんだ。でもお前の曲は寂しいな。そんな感じがする。」
そんなふうに言われてドキッとした。
ノドカには会ったばかりなのにどうしてか安心感、家族といるような暖かな気持ちになる。
なかなか懐に入られちゃったみたいだ。
サバサバした性格が似てるからなのかもしれない。
「俺、前の世界で色々あってさ。虚しくて何もなかった。…空っぽだったんだ。でもそんな俺にじいちゃんやばあちゃんは愛想を尽かすどころか、逆に生きる力をくれた。感謝してもしきれない。だからじいちゃんやばあちゃんの夢でもある小林工務店を復活させたい。ここまで育ててくれたみんなに恩返しがしたいんだ。」
気がついたらここまでくる経緯を彼女に話していた自分がいた。
彼女からみたら俺はどんな風にみえたのだろう。惨めに見えたかな。かわいそうなやつだと思ったか。でもなんか全てを吐き出せて気持ちは軽くなった気がした。
そうやってどんだけ時が流れただろう。
長かった沈黙がノドカの声で終わりを告げた。
「あんた、結構芯がしっかりした男だったんだね。うちはビックリしているさ。
……よし、わかった!姉弟子であるうちが一肌脱いであげよう!まあ、任せなさい!」
ない胸に拳をトンと当て自身ありげにノドカは言った。
「ははっ。兄弟子は聞いたことあるけど姉弟子ははじめてだ。こちらこそよろしくお願いしますよ姐さん。」
といっても旅に出るのでまた会えるのはいつになるやら…
そう考えてる康之の後ろでノドカは決意した表情で満天の星空を見上げているのであった。
まあ最初の感想はそんな感じだった。本当に渓谷の両サイドくりぬいただけみたいなとこに窓と扉があって階段がいっぱいある天然の公団みたいなところであった。
なんか赤茶色の土壁に似てるなと思いながら状況を整理する。
何で喫茶店からでたらこんなになっちゃってるの?と…
あ、なんかじいちゃんばあちゃんも異世界がどうとかいってたなぁ~
どこか遠い目をしていると、マックさんが目の前をぴょんぴょん跳ねながら様子をみてくる。
「康之様、康之様。どうかなさいましたか?とりあえずお休みになられては?さあ私の家にお越しくだされ。」
「あ、すみません。ありがとうございます。でわお邪魔させてもらいます。じゃなくて、これからよろしくお願いします。」
康之はそういうとマックさんの後に続いて家に入っていった。
マックさんの家はコンクリートの3階建て。基礎もしっかりしてる。鉄骨かな?と考えながら、進められてソファーに腰掛けた。
「すごいお家ですね。お弟子さんは何人いらっしゃるんですか?」
「えーっと。ざっと370人ですかね?そのあと孫弟子は数えきれないほどいます。大工は人気の職業でほとんどが誰かの弟子になってますね。」
マックさんの言葉に絶句した。
そんなすごいところに弟子入りさせてくれたのかじいちゃん…
「そ、そうなんですか。じゃあ兄弟子は370人もいるのか~すごいな。」
「しかし、今はみな独立して各自会社をしていますので、現在抱えてる弟子は1人ですね。」
そうだよねーこんな大きい家でも370人は入らないよね~。
「1人兄弟子がいらっしゃるということなんですね。ご挨拶させていただきたいです。」
自分が1番下だからな。初めが肝心だ。
「いやいや。康之様はゆっくりこちらの世界のお勉強をされればいいのですよ。今出払っていまして、夜にでもご挨拶に伺います。」
「?はぁ。わかりました。あとマックさんに質問なのですが、何故いつも敬語なんですかね?これからお世話になるのはこっちなんでなんか申し訳ないというかなんというか…」
その次の瞬間。
「何を仰いますか!!!!?師匠のお孫さんをお預かりするのですぞ!!!!これが当たり前です!」
凄い剣幕だな。きっとお弟子さんはこれに耐えてきたんだな。
「そ、そういわれても。ちなみにじいちゃんってどんな感じの人でしたか?あまり昔のこと話さないんですよ。」
ちょっと強引だけど話を変えて落ち着かせてからまたこの話をするかな。
すると、マックさんが目をキラキラさせながら語ってくれた。
「康次郎様、師匠は昔ふらっとやってきてこの世界の基礎を造ってくれてお方です。康之様のお爺さまは王様、いや神と言っても過言ではありません。」
………あれ?
どっかの宗教か?
じいちゃんが神?嘘だろ?
「……あの、なんで神とまでいわれるんですかね?基礎って一体なんですか?」
「それはでございますね。生き物というか人型のものはみな衣・食・住が大事でございます。その住の全てを康次郎様がこの世界に浸透させすべてを教えてくださいました。今の暮らしがあるのは康次郎様、ゆき様のおかげでございます。」
「ん?どうしてばあちゃんの名前まで?」
「ゆき様は食について精通されておられ、食材や料理などの作り方はすべてゆき様から伝授されたものでございます。」
あ~確かにばあちゃんは農家で畑も田んぼもやっていたっけ…
ここの世界には画期的なことだったんだなぁ~
「そうだったんですか…まあじいちゃんたちはじいちゃんたちなんで、自分にはそこまでかしこまらないでくださいよ。」
そう言ってそこはどうにかなった。
そして部屋に案内される。
そこは花柄のカーテン、ピンクのベット、化粧台などが置かれていた。
絶対女の子の部屋じゃない?
「ここでゆっくりしてくだされ。また夕飯の時にお呼びします。」
そう言ってマックさんはいってしまった。
まあ、仕方ない。とりあえず休ませてもらおう。
しかし、その後すぐに叩き起こされることとなる。
「お前ぇぇぇ~~うちの部屋で何をしているんさぁぁぁぁぁあ!!!」
夕方、腹に衝撃と甲高い声が響き起きた。
あまりの衝撃に目の前が真っ白になりそうだったが堪えて、声のする方を確認する。
腹の上に女の子が立っていた。色白で金髪の長い髪をポニーテールにして目はぱっちり。大工のニッカポッカに上はブラウスのようなものを着ていてニッカポッカをスカートかなにかにしたらどこかの貴族のお嬢様みたいな感じだった。
何だか訳がわからなかったが素直に可愛いなと思った。
「変態!どこからはいってきた。とりあえずサンドバッグ決定な!縛り上げてさらし者にしてやる。」
そう思ったのもつかの間いきなり胸ぐらを捕まれ、物騒な言葉を聞いた。
なんかヤバそうです、はい。
しかし、すぐに救世主というかこの状況をつくった張本人マックさんが登場した。顔はもう真っ青だか赤だからにコロコロ変わっている。
「おい!ノドカ?!お前なんてことしとるんじゃ?!」
あ、マックさんやっぱりおじいちゃん言葉じゃないけど普通はそうやって話すんだな。
「だって~じいちゃん!不法進入だよ?変態だよ。もうコロスしかないよね?」
金髪美少女マジ怖いわ~。
あれ?じいちゃん?!そこもビックリだわ?!
「あ、康之様。さっき言っていた弟子っていうのがこの孫娘のノドカでございます。よろしくお願いしますね。」
「はぁ~。よろしくお願いします。」
孫娘?妹とかの間違いじゃないの?異世界って恐ろしいと感じた。
「何を勝手に話進めてるんさねじいちゃん?!今日から弟子入りするのってこいつなの?」
ノドカって名前とは逆でキビキビしてるなぁ。
「そうだよ。ノドカには言ってあっただろ?大事な人のお孫さんなんだ。失礼のないようにね。」
マックさん…もう馬乗りされて胸ぐら捕まれてるんですけど。
「もう!しかたないねぇ~よろしく。でもなんで私の部屋にあんたがいるのよ?」
やっぱり下宿させてもらうところではなかったのね。
「一旦ここにいてもらってたんだよ。これから説明するのに準備があったからね。」マックさん頭かきながら答えてる。どこの世界でも孫にはじいちゃんは弱いのかな?
それにしても準備ってなんだろう?
「それでわ康之様。これから修行の説明を致します。よろしいですか?」
マックさんの顔つきが変わり大工の棟梁って感じだ。
「はい。よろしくお願いします。」
「私たちの世界には康次郎様から直々に大工というか技を教えていただいた弟子が私を含め7人います。その者たちから課題が出されるのでそれをクリアして私のところへ戻ってきてください。それが修行です。」
………そうなんだ。なんか住み込みで技とか教えてくれるだけかと思ったけど旅するのか。なんか変わった修行だな。
「わかりました。頑張ってきます!」
「といっても今日はもう遅いから出発は明日にしたらいかがですかな?」
「ありがとうございます。でわ、そうさせてもらいます。」
そして夕飯をご馳走になる。川魚の塩焼きにごはん、味噌汁があったのはビックリした。
これもばあちゃんが教えたらしい、さすがばあちゃん!
その夜ノドカの案内で星が綺麗に見れるスポットに連れていってもらった。
さっきボコボコにしたお詫びらしい。
満天の星空。都会というか千葉でもなかなか見れない絶景だった。
「すげぇー星が綺麗だ!連れてきてくれてありがとう!」
「さっきは悪かったな。じいちゃんから聞いた。すべてあのじいじが悪い。だから、ごめん。」
「いや、こっちも勝手に入って悪かった。申し訳ない。」
なんとか和解できたかな。良かった。
「ちょっと散歩してくるから、まあゆっくりしてな。」とノドカはスタスタいってしまった。
まだ会ったばかりの男と2人きりになったらそりゃ嫌だろうな。
そして、満天の星の下で誰もいない。自然と歌を歌い出していた。小さな時から歌というか音楽の世界にいたので気分で口ずさんだり歌いだしたりしちゃうのだ。これはやっぱり陽気なじいちゃんに似たのかな。
今の気分は失恋ソングだね~。元嫁に捨てられた悲しさやモヤモヤもあったからかもしれない。我ながらネガティブ思考な男だと思う。
熱唱し終わったら側にノドカがいて聞いていた。
ビックリした。もう1人の世界入っちゃったよ。
「お前、歌上手いな。いい大工はみんな歌が上手いんだ。でもお前の曲は寂しいな。そんな感じがする。」
そんなふうに言われてドキッとした。
ノドカには会ったばかりなのにどうしてか安心感、家族といるような暖かな気持ちになる。
なかなか懐に入られちゃったみたいだ。
サバサバした性格が似てるからなのかもしれない。
「俺、前の世界で色々あってさ。虚しくて何もなかった。…空っぽだったんだ。でもそんな俺にじいちゃんやばあちゃんは愛想を尽かすどころか、逆に生きる力をくれた。感謝してもしきれない。だからじいちゃんやばあちゃんの夢でもある小林工務店を復活させたい。ここまで育ててくれたみんなに恩返しがしたいんだ。」
気がついたらここまでくる経緯を彼女に話していた自分がいた。
彼女からみたら俺はどんな風にみえたのだろう。惨めに見えたかな。かわいそうなやつだと思ったか。でもなんか全てを吐き出せて気持ちは軽くなった気がした。
そうやってどんだけ時が流れただろう。
長かった沈黙がノドカの声で終わりを告げた。
「あんた、結構芯がしっかりした男だったんだね。うちはビックリしているさ。
……よし、わかった!姉弟子であるうちが一肌脱いであげよう!まあ、任せなさい!」
ない胸に拳をトンと当て自身ありげにノドカは言った。
「ははっ。兄弟子は聞いたことあるけど姉弟子ははじめてだ。こちらこそよろしくお願いしますよ姐さん。」
といっても旅に出るのでまた会えるのはいつになるやら…
そう考えてる康之の後ろでノドカは決意した表情で満天の星空を見上げているのであった。
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