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呉にて
祖父の手記
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家に着くと副島さんのお父さんが居間から顔をひょっこり出してきた、
俺を見た瞬間、含みのある笑みを浮かべながら居間にゆっくり退いてった。
「ごめんなさいね。父はどうしても孫の顔を見たいらしくて」
顔が熱くなるのを感じる。
「とりあえず、祖父の手記を渡しましょうか」
副島さんの家は2階建てで2階は物置になっていた。
元々ここはおじいさんの部屋だったらしいがおじいさんは10年前に亡くなっていたようだ。
副島さんは手記を手渡すと口を開いた。
「祖父は予科練の出で、戦ったのは一度だけでした」
「というと?」
「大東亜戦争での最終決戦、ロサンゼルス沖海戦です」
ロサンゼルス沖海戦。
それはそれまでの最大の海戦だったユトランド沖海戦を優に超える規模の海戦だった。
最終的には帝国海軍が勝利を収めたが日米双方の死傷者は1万人を超えた。
この海戦の苛烈さは3隻あった大和型戦艦が海戦終結後にはただ大和を残すのみになったことからもうかがえる。
ロサンゼルス沖海戦はすでに山崎貴監督により映像化されていたがまさに圧巻だった。
「では読ませていただきます」
1945年3月4日(日曜日)友引
ついに前線に出ることになった。
私の配属先は彗鷲と言う空母だ。
新型艦戦にも乗れることになり腕がなる。
既に戦局は最終局面を迎えている。
高萩と共に必ずこの戦争を生き抜く。
1945年3月5日(月曜日)先負
彗鷲に着任してここから2週間の訓練に入る。
少し日記もつけられないかもしれない。
なにせ彗鷲が所属している第五航空艦隊は人殺し多門の艦隊だ。
おそらく訓練が終わるころには、疲れ果てているだろう
1945年3月19日(月曜日)先勝
訓練が終わり、連合艦隊は真珠湾を出撃した。
目指すはロサンゼルス。
この戦争を終わらすための戦いに赴く。
十中八苦アメリカは艦隊を出してくるだろう。
最終決戦だ。
1945年3月20日(火曜日)友引
順調に航海している。
この調子で行けばだいたい2日後にはロサンゼルス沖に着く。
死にたくない。
この気持ちが徐々に強くなっていく。
1945年3月21日(水曜日)先負
アメリカ軍の潜水艦から攻撃を受けた。
幸い大事には至らなかったがここが戦場であるということを再認識した。
1945年3月22日(木曜日)仏滅
これが最期の日記になるかもしれない。
やっぱりアメリカ軍は主力艦隊を出してきた。
大小空母40隻、戦艦12隻以下80隻以上。
連合艦隊も決して負けていないが、勝敗は紙一重だ。
では、行ってくる。
後世の人々に幸福があらんことを。
1945年3月27日(火曜日)先負
戦いは我々の勝利に終わった。
敵空母は文字通り全滅。
たの艦隊も半壊した。
だけども我々の空母を7隻、戦艦も武蔵、信濃を含む4隻が沈没してしまった。
そして、予科練からの友であった高萩も散華してしまった。
彗鷲の飛行隊も6割がいなくなっていた。
この戦争は終わる。
だが、それまでに何百万もの魂が天に昇ったことを覚えておきたい。
ここからは戦後処理や副島さんのおばあさん、つまりお嫁さんとの出会いなどが書かれていた。
だが最後のページに1枚の写真が挟まっていた。
「これって…」
「これは祖父の親友の高萩さんと山田さんです」
写真に写る3人はにっこり笑って肩を組んでいた。
ただ左端の人には見覚えがありました。
「こっちが高萩さんですか?」
「はい。よくわかりまし…あ」
副島さんは頭の回転が速いようだ。
この写真に写っている人は、俺の爺さんだ
俺を見た瞬間、含みのある笑みを浮かべながら居間にゆっくり退いてった。
「ごめんなさいね。父はどうしても孫の顔を見たいらしくて」
顔が熱くなるのを感じる。
「とりあえず、祖父の手記を渡しましょうか」
副島さんの家は2階建てで2階は物置になっていた。
元々ここはおじいさんの部屋だったらしいがおじいさんは10年前に亡くなっていたようだ。
副島さんは手記を手渡すと口を開いた。
「祖父は予科練の出で、戦ったのは一度だけでした」
「というと?」
「大東亜戦争での最終決戦、ロサンゼルス沖海戦です」
ロサンゼルス沖海戦。
それはそれまでの最大の海戦だったユトランド沖海戦を優に超える規模の海戦だった。
最終的には帝国海軍が勝利を収めたが日米双方の死傷者は1万人を超えた。
この海戦の苛烈さは3隻あった大和型戦艦が海戦終結後にはただ大和を残すのみになったことからもうかがえる。
ロサンゼルス沖海戦はすでに山崎貴監督により映像化されていたがまさに圧巻だった。
「では読ませていただきます」
1945年3月4日(日曜日)友引
ついに前線に出ることになった。
私の配属先は彗鷲と言う空母だ。
新型艦戦にも乗れることになり腕がなる。
既に戦局は最終局面を迎えている。
高萩と共に必ずこの戦争を生き抜く。
1945年3月5日(月曜日)先負
彗鷲に着任してここから2週間の訓練に入る。
少し日記もつけられないかもしれない。
なにせ彗鷲が所属している第五航空艦隊は人殺し多門の艦隊だ。
おそらく訓練が終わるころには、疲れ果てているだろう
1945年3月19日(月曜日)先勝
訓練が終わり、連合艦隊は真珠湾を出撃した。
目指すはロサンゼルス。
この戦争を終わらすための戦いに赴く。
十中八苦アメリカは艦隊を出してくるだろう。
最終決戦だ。
1945年3月20日(火曜日)友引
順調に航海している。
この調子で行けばだいたい2日後にはロサンゼルス沖に着く。
死にたくない。
この気持ちが徐々に強くなっていく。
1945年3月21日(水曜日)先負
アメリカ軍の潜水艦から攻撃を受けた。
幸い大事には至らなかったがここが戦場であるということを再認識した。
1945年3月22日(木曜日)仏滅
これが最期の日記になるかもしれない。
やっぱりアメリカ軍は主力艦隊を出してきた。
大小空母40隻、戦艦12隻以下80隻以上。
連合艦隊も決して負けていないが、勝敗は紙一重だ。
では、行ってくる。
後世の人々に幸福があらんことを。
1945年3月27日(火曜日)先負
戦いは我々の勝利に終わった。
敵空母は文字通り全滅。
たの艦隊も半壊した。
だけども我々の空母を7隻、戦艦も武蔵、信濃を含む4隻が沈没してしまった。
そして、予科練からの友であった高萩も散華してしまった。
彗鷲の飛行隊も6割がいなくなっていた。
この戦争は終わる。
だが、それまでに何百万もの魂が天に昇ったことを覚えておきたい。
ここからは戦後処理や副島さんのおばあさん、つまりお嫁さんとの出会いなどが書かれていた。
だが最後のページに1枚の写真が挟まっていた。
「これって…」
「これは祖父の親友の高萩さんと山田さんです」
写真に写る3人はにっこり笑って肩を組んでいた。
ただ左端の人には見覚えがありました。
「こっちが高萩さんですか?」
「はい。よくわかりまし…あ」
副島さんは頭の回転が速いようだ。
この写真に写っている人は、俺の爺さんだ
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