零式艦上マルチロール機

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大増産!

開戦前夜

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零式多攻二二型が順次生産されている中、日本は新たな戦争を始めようとしていた。
相手はアメリカ、イギリス、オランダである。
つまり第二次欧州大戦に参戦することを意味していた。
日本政府はこの破滅的な戦争を回避するべく粘り強い交渉を行ったが、どうもその努力は報われそうもなかった。
ちなみに、現時点での日本政府の首班、つまりは総理大臣であるが、多用途攻撃機という機種の生みの親である東条がその席に座っていた。
(交渉はなかなか難しいところがあるが、ひとまず航空戦力に関しては心配が無い…)
それだけでも東条はかなり肩の荷が軽かった。
11月の御前会議にてついに開戦が決定し日本陸海軍は戦争準備にとりかった。
だが、部隊配備などはすでに完了しており、ここからは最後の大詰めの作業である。
特に第一航空艦隊、俗に言う南雲機動部隊はすでに行動を開始しており単冠湾へ入港していた。
もちろん零式多攻二二型を艦載してである。
九九式艦偵1機と零式多攻9機で中隊を編成しており、大隊は中隊が3つで編成される。
南雲機動部隊は22個の大隊がその指揮下にあり、またこれらとは別に偵察中隊が2個あった。
偵察中隊は九九式艦偵9機によって編成されている中隊で、主に偵察任務を担う。
これらを合計すると南雲機動部隊の航空兵力は678機に達していたのである。
これは一重に艦載機を零式多攻1機に絞っているためのものであり、従来通り艦戦や艦爆、艦攻を搭載していれば60機は艦載機数が少なかったはずであり、また零式多攻は本格的な折り畳み翼を採用しているため600機を超える零式多攻を艦載できていたのである。


陸軍も海軍に負けずに開戦準備を整えていた。
緒戦でフィリピンやマレー半島に上陸する陸軍にとって、やはり上空支援は必要なものであるため九九式双発多攻をサイゴン、高雄にそれぞれ200機程度程展開していた。
また、単発多攻も九八式、零式問わず南洋諸島やビルマに展開しており陸上部隊の進撃を上空から徹底的に支援するつもりでいた。
前線に配備されている航空機の総数は陸海合わせて何と8700機に及び、補用なども含めると11200機に達していた。
これを動かす石油は産油地である蘭印を確保できなければ1年程度で尽きることになっている。
だが、緒戦における航空優勢は間違いなかった。
何故ならイギリスやアメリカは大陸での戦いで多少は日本軍航空隊の実力を知っていたが、まだまだ認識があまり極東に配備されている航空機数は複葉機などを含めても2000機に届いていなかったのである。
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