帝国航空決戦

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絶対国防圏の戦い

海軍戦術の改定

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航空機の開発や調達にはある程度の目処が立った。
だが、航空隊の編成については特に海軍に関しては少し考えなければならなかった。
日本海軍はソロモン海にてアメリカ海軍の防空能力の高さを痛感したわけだが、同時に自軍の攻撃機の脆さについても認識せざるを得なかった。
彗星や天山などは優秀な攻撃機に違いいなかったが、その生存性の低さは海軍首脳部の頭を悩ませる要因である。
空母の数もアメリカに追い抜かれていく中で、もはやこれらの攻撃機を運用することはその機体に乗る搭乗員を見殺しにするのに等しいのだ。
そこで、海軍は空母の搭載機を戦闘機のみに絞るという判断を下した。
この後、アメリカ太平洋艦隊の主力機動部隊との戦いが予想されるが、もし戦闘機のみに艦載機を絞れば戦闘機の数だけならば上回れるに違いなかった。
だが、これだと敵艦に攻撃できない。
そこで、日本海軍は一度初心に立ち帰り戦艦による砲撃戦や水雷戦隊による雷撃戦をを主な攻撃力とすることを決定した。
空母航空戦で敵艦隊を撃滅するのは現状の航空機では難しく、苦肉の策だった、
但し、現在開発中の戦闘爆撃機が実戦配備されれば話は変わってくる。
件の戦闘爆撃機は急降下爆撃や雷撃も行える万能機として開発が進んでいた。
この機体は従来の艦載機に比べるとはるかに打たれ強く、この機体と建造中の新型空母を組み合わせれば再びアメリカ軍機動部隊と互角の戦いを演じることが出来るに違いなかった。
余談だが、現在建造中の空母に関してまとめておく。


1943年中に竣工可能な空母
軽空母:千歳、千代田
護衛空母:海鷹


1944年中に竣工可能な空母
装甲空母:大鳳
空母:雲龍、葛城、天城、阿蘇、笠置、神鷹
軽空母:伊吹


横須賀にて建造されていた第110号艦、いわゆる大和型戦艦三番艦に関しては解体する手間を惜しんで装甲空母に改装することが検討されたが、そうなると建造ドッグや工員を長い間縛り付けることになり、また仮に竣工したとしても元々が戦艦であったためとても空母としては満足の行く性能ではないことが判明し、1943年に入ると完全に建造が中止。
船体は未完成のまま、建造ドッグから引き出され輸送艦へ改装がなされることになる。
代わりに量産性に優れる雲龍型空母が建造されることになり、おかげで1944年には5隻の雲龍型が竣工することになっている。
この雲龍型空母は二番艦以降では完全に設計が固定化され、あらゆる所に角材を使用。
主機ももっとも量産性に優れる陽炎型駆逐艦の主機に置き換えられ、速力は32ノットに低下した。
だが、このおかげで工期は1年6カ月までに短縮させることに成功しておりミッドウェー海戦で壊滅した機動部隊を立て直す大黒柱であった。
また、神鷹に関しては本来なら護衛空母として改造される予定だったが第110号艦に搭載予定だった主機を流用することで雲龍型に準ずる空母に改装できるようになり、類別が護衛空母から空母へ変更された。
となると1944年までに日本海軍は装甲空母1隻、中型空母6隻、軽空母3隻、護衛空母1隻をその指揮下に加えることになる。
数の面だと到底アメリカ海軍に敵わないかもしれないが、それでも戦術で上回れば十分に勝機はあるのだった。
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