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絶対国防圏の戦い
大方針
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1943年5月12日。
戦線の再整理がやっと完了し、一息ついたころに。
統合参謀本部は陸海の軍人を招集し、”如何にこの戦争を終わらせるのか”について話し合った。
中には”一億総玉砕”を掲げる者も居たが、主流では無い。
最もおおかった意見は、”連合軍に壊滅的な一撃を加えて講和に持ち込む”と言う意見だった。
この”壊滅的な一撃”とは敵海軍に対してであり、はたまた敵陸軍に対してだった。
両者に打撃を与えてこそ、やっと講和の席に着けるのである。
ただ、そうなると少し問題が浮上してくる。
海軍はともかく、陸軍はやはり広大の土地での決戦でないと敵軍に大打撃を与えることは出来ない。
そう考えると絶対国防圏の外側にあるサイパン島は不適だった。
陸軍が決戦を行うならフィリピンと言うことになる。
だが、そうなるとサイパン島は陥落していなければならない。
サイパン島が陥落すれば敵重爆が本土へ飛来するのは確定的であり、これは看過できないことだった。
それでもサイパン島防衛に固執すれば連合軍に打撃を与えることは難しい。
すると、陸軍の梅津美治郎中将が解決策を出した。
「現在、航空本部は高高度戦闘機を開発中であり、電探に連動した高射砲も実用段階に入っている。これらの兵器が揃ってから、わざとサイパン島を明け渡して敵重爆を”本土航空決戦”で打ち破れば良いのではないか」
なるほど、これには陸海の軍人たちは驚かされた。
確かに、敵重爆単体なら戦闘機があれば叩き落とせる。
「零戦ですら往復1000海里が限界だ。アメリカ軍はそれよりも少し短いからサイパンが取られても本土には戦闘機は飛来しない」
これは逆に硫黄島や南鳥島等本土に近い島々が占領されれば本土に敵戦闘機が飛来することを示していた。
結局、統合参謀本部の大方針はこのように決定された。
一、陸軍は海軍の協力を受けつつも比島にて敵連合軍を対峙し、これを撃滅する。
一、海軍はマリアナにて敵海軍との戦闘を挑むものの、戦力は温存し比島または小笠原諸島にて決戦を挑む。
一、マリアナに展開する陸海軍は本土防空の用意が整うまでその地を死守する。
一、敵重爆は本土の高射砲部隊や高高度戦闘機隊によってこれを撃滅する。
一、敵戦闘機の飛来を許さないためにも小笠原諸島を死守する
この5つが主だった方針である。
これに沿って陸海軍は行動を開始していく。
まずは陸軍部隊の再配置である。
決戦であるため満州に温存していた精鋭部隊やウ号作戦や大陸打通作戦で使用される予定だった部隊を比島、もしくは小笠原諸島へ配置転換。
また、小笠原諸島には要塞群を建設することになった。
戦線の再整理がやっと完了し、一息ついたころに。
統合参謀本部は陸海の軍人を招集し、”如何にこの戦争を終わらせるのか”について話し合った。
中には”一億総玉砕”を掲げる者も居たが、主流では無い。
最もおおかった意見は、”連合軍に壊滅的な一撃を加えて講和に持ち込む”と言う意見だった。
この”壊滅的な一撃”とは敵海軍に対してであり、はたまた敵陸軍に対してだった。
両者に打撃を与えてこそ、やっと講和の席に着けるのである。
ただ、そうなると少し問題が浮上してくる。
海軍はともかく、陸軍はやはり広大の土地での決戦でないと敵軍に大打撃を与えることは出来ない。
そう考えると絶対国防圏の外側にあるサイパン島は不適だった。
陸軍が決戦を行うならフィリピンと言うことになる。
だが、そうなるとサイパン島は陥落していなければならない。
サイパン島が陥落すれば敵重爆が本土へ飛来するのは確定的であり、これは看過できないことだった。
それでもサイパン島防衛に固執すれば連合軍に打撃を与えることは難しい。
すると、陸軍の梅津美治郎中将が解決策を出した。
「現在、航空本部は高高度戦闘機を開発中であり、電探に連動した高射砲も実用段階に入っている。これらの兵器が揃ってから、わざとサイパン島を明け渡して敵重爆を”本土航空決戦”で打ち破れば良いのではないか」
なるほど、これには陸海の軍人たちは驚かされた。
確かに、敵重爆単体なら戦闘機があれば叩き落とせる。
「零戦ですら往復1000海里が限界だ。アメリカ軍はそれよりも少し短いからサイパンが取られても本土には戦闘機は飛来しない」
これは逆に硫黄島や南鳥島等本土に近い島々が占領されれば本土に敵戦闘機が飛来することを示していた。
結局、統合参謀本部の大方針はこのように決定された。
一、陸軍は海軍の協力を受けつつも比島にて敵連合軍を対峙し、これを撃滅する。
一、海軍はマリアナにて敵海軍との戦闘を挑むものの、戦力は温存し比島または小笠原諸島にて決戦を挑む。
一、マリアナに展開する陸海軍は本土防空の用意が整うまでその地を死守する。
一、敵重爆は本土の高射砲部隊や高高度戦闘機隊によってこれを撃滅する。
一、敵戦闘機の飛来を許さないためにも小笠原諸島を死守する
この5つが主だった方針である。
これに沿って陸海軍は行動を開始していく。
まずは陸軍部隊の再配置である。
決戦であるため満州に温存していた精鋭部隊やウ号作戦や大陸打通作戦で使用される予定だった部隊を比島、もしくは小笠原諸島へ配置転換。
また、小笠原諸島には要塞群を建設することになった。
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