神速艦隊

新八八艦隊計画

空母迅鷲

1922年7月4日。
薩摩型戦艦はすっかり空母に改装されていた。


薩摩型空母
排水量：20100トン
全長：189m
全幅：25.2m
兵装：8㎝高角砲4基
格納庫：2段
艦載機数：56機
最高速力：24ノット
航続距離：16ノットで4000海里
エレベーター：3基
艦橋：飛行甲板直下
煙突：右舷、海水シャワー方式


敷島型の拡大改良版であるが艦橋は飛行甲板直下に置き平甲板型となった。
これは敷島型の運用経験から得られた知見の結果であり、航空機を運用するにあたり着艦を容易にするためであった。
操艦には影響が出ると懸念されたが同様の平甲板空母である初瀬ではさしたる弊害は発生していなかった。


「3段空母はやはり圧巻だな」
伏見宮は呉でその艦影を見ながら感嘆の声を漏らす。
彼の視線の先には元は戦艦ナッサウである空母迅鷲じんしゅうがどっしりとした艦影で佇んでいた。
「新造空母は迅鷲を見てから建造されるのがよろしいでしょう」
この3段式空母を設計した平賀譲造船所少将は言った。
「確かにそうだ。この3段式もどう転ぶか分からんからな」
平賀はこれに頷いた。


戦艦オルデンブルクも空母魁鷲かいしゅうに改装されていた。
ちなみに、この両艦の名前にどちらも鷲が入っているのは建造国であるドイツ帝国の国章である黒鷲からとったからである。


空母迅鷲
排水量：21000トン
全長：199m
全幅：26.2m
兵装：20.3㎝連装砲2基、8㎝高角砲4基
格納庫：1段
艦載機数：45機
最高速力：24ノット
航続距離：16ノットで4000海里
エレベーター：3基
艦橋：飛行甲板直下
煙突：右舷、海水シャワー方式


空母魁鷲
排水量：20100トン
全長：209m
全幅：28.2m
兵装：20.3㎝連装砲2基、8㎝高角砲4基
格納庫：1段
艦載機数：51機
最高速力：24ノット
航続距離：16ノットで4000海里
エレベーター：3基
艦橋：飛行甲板直下
煙突：右舷、海水シャワー方式


いずれも船体規模を拡張しかなりの大きさとなっていた。
また2段目の甲板には2基の20.3㎝砲を備え敵哨戒艦隊との砲撃戦も行える空母となった。
ただ搭載機数に関しては薩摩型空母の後塵を拝しており空母としては微妙であった。
それでもこれで日本海軍が保有する空母は敷島型空母4隻、薩摩型空母2隻、迅鷲型空母1隻、魁鷲型空母1隻の計8隻となり世界最大の空母保有国となった。
だが流石に予算が底を尽きており、新型艦の建造は1926年からの再開となった。