神速艦隊

中支事変

国民党の瓦解

戦線が膠着していた1932年2月23日。
上海にて膠着を打破するために日英軍による再びの攻勢が行われた。
この時点で上海には日本軍が4個師団と1個戦車旅団、イギリス軍が2個師団を派遣しておりまた航空隊も総じて100機を超えていた。
これらの大兵力をもって目指すのは国民党軍の中枢である南京だった。


南京への攻撃を何としてでも阻止するために国民党軍は南北両戦線から相当数の兵力を引き抜いた。
この機を雲南と奉天は逃さなかった。
だが攻撃するにもやはり支援があればあるほど良い。
そこで彼らは日本とイギリスに艦隊による支援を要請した。


「艦砲射撃の後、航空隊による攻撃を開始する」
第2航空戦隊司令官の山本五十六少将は定石に従って命令する。
第1航空戦隊は現在、雲南の支援に向かっていた。
イギリス中国艦隊の兵力がそこまで強力ではなかったからだ。
だが日本の奉天の支援を行う必要があるため新たに第2航空戦隊を動員したのだ。


第2航空戦隊
司令官：山本五十六少将
参謀長：三和義勇大佐
旗艦：榛名
戦艦：榛名、霧島
空母：初瀬、朝日
以下補助艦13隻


また第4艦隊の古鷹と加古は山東半島を支援する。
第2航空戦隊と第4艦隊の任務は北京の奉天軍を支援し山東半島の日本軍と接続させることだった。
「始まります」
三和の言葉の数秒後に榛名と霧島が砲撃を開始した。


36㎝砲の威力はやはり野砲などとは比べ物にならず国民党軍の防衛陣地は基礎から掘り返されていった。
無論、このような惨状は榛名と霧島の艦砲の射程が届くところまでではあったが防衛陣地の突破を許すことになるという事実は国民党軍に重くのしかかった。
それに加え上空から空母から発艦した八七式艦攻が近接航空支援を実施しついに奉天軍と山東半島の日本軍が接続に成功した。


また南部も第1航空戦隊の助力もあり雲南が重慶を陥落させた。
そして、上海の日英軍も上海付近に展開する国民党軍を撃破し南京に進軍。
蒋介石は南京を早々に脱出し南京はついに陥落した。
ここから国民党軍の瓦解が始まった。
南北と西から攻撃され各地の部隊は次々に敗走していった。
蒋介石は臨時首都を武漢において徹底抗戦を呼びかけ続けていたが戦況に何ら変化はなかった。
そしてついに奉天方面に展開していた軍がそのまま奉天に降伏してしまった。
また国民党内でも汪兆銘を筆頭とする停戦派が増大しており蒋介石は半ばノイローゼのような状態になってしまった。
そしてなるべくして汪兆銘が反蒋クーデターを起こし国民党は瓦解した。