神速艦隊

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対米戦に向けて

第1航空艦隊創設

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1941年4月1日。
新年度の辞令が出されこの度、第1航空艦隊が結成された。
これは山本や堀、塩沢が念願としていたものでこれまでの戦艦中心の艦隊編成を一新し、空母を中心とした艦隊だった。


第1航空艦隊
司令長官:南雲忠一中将
参謀長:草鹿龍之介少将
航空参謀:源田実少佐
旗艦:迅鷲
空母:迅鷲、魁鷲、扶桑、山城、鳳翔、瑞翔、慧翔、彗翔、蒼龍、飛龍、雲龍、祥龍、翔鶴、瑞鶴
直掩空母:大鷹、神鷹、冲鷹、海鷹
戦艦:金剛、比叡、天城、赤城
大型巡洋艦:青葉、衣笠、妙高、那智
重巡洋艦:最上、三隈、鈴谷、熊野
軽巡洋艦:川内、神通、那珂
駆逐艦以下23隻
航空兵力:艦戦488機、艦爆384機、艦攻404機 計1276機


航空兵力が1200機を超える第機動部隊だった。
一応名目上は司令長官は南雲であったが天城には連合艦隊司令長官の塩沢が大西を引き連れて堂々と乗り込んでおり、指揮権は塩沢にあった。
また敷島型空母や薩摩型空母は最高速度が26ノットしか発揮できず、第2艦隊や第3艦隊に編入されていた。


もはや対米戦は避けられない。
山本は米内から海軍大臣を譲りうけていたがこの時はさすがにへきへきとしていた。
アメリカからの圧力は日ごとに増し、先日は遂に艦隊戦力の削減にも言及してきていた。
本来ならこの行動は主権国家対等の原則を無視する野蛮な行為であり、国際社会からの非難は必至だっただろう。
だが今の時局は戦争である。
どの国も自国の事でいっぱいでアメリカを非難する国は無かった。
「やはり…戦う他道はないのか」
山本は密かに腹を決め、塩沢の元へ向かった。


「今日はまた何の用だ。海軍大臣が直々に天城に乗り込んで来たのだからかなり重要なのだろう?」
塩沢は天城の食堂で山本を向かえてた。
「では単刀直入に言う。一航艦を使って真珠湾を攻撃してもらいたい」
塩沢は俄かに驚いた。
「アメリカの牙城に突き進めと?」
「そうだ」
山本はここで自分の構想を話し始めた。
まず北太平洋からハワイ海域に侵入し航空攻撃を加える。
重要なのは宣戦布告と同時に攻撃するということだ。
こうすれば奇襲同然ながらも卑怯なだまし討ちとされることは無く、また国際法的にも何ら問題ない。
だが秒単位で外務省と海軍省が連携を取る必要があるがそれはまた別の話だ。
航空攻撃で十分な打撃を与えられたと判断された時、戦艦部隊による真珠湾への艦砲射撃が行われ真珠湾基地に息の根を止める。
そこに陸軍部隊が上陸し真珠湾を占領する。
「何と言っていいやら…」
塩沢はあからさまに困った顔をした。
この作戦はまさに投機的だったがその分、得られる利益も多い。
真珠湾を占領すれば真珠湾より東に展開しているアメリカ艦隊には逃げ場がない。
そうすればいくら強大な艦隊と言えどジリ貧になり、いつしか壊滅する。
「まぁ、大西にこのことを言っておく」
塩沢はとりあえずそれだけ言った。
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