神速艦隊

西太平洋戦争

天一号作戦発動

第58機動部隊は満を持して1944年8月31日に出撃した。
司令長官は言うまでもなくハルゼー大将だったが、航空隊の指揮についてはスプールアンス大将に任せていた。
話は前後するが出撃前に、太平洋艦隊司令長官であるニミッツからハルゼーは一つ釘を刺されていた。
「必ず生きて帰ってこい」
ニミッツはハルゼーより後輩だがそれでも器としてはニミッツの方が大きかった。
「そのつもりだ」
ハルゼーはそう短く言った。


第58機動部隊は世界最大の機動部隊となっていた。


第58機動部隊
司令長官：ウィリアム・ハルゼー大将
参謀長：マイルズ・ブローニング少将
旗艦：ニュージャージー
戦艦：ニュージャージー、イリノイ、オレゴン、フロリダ
空母：エンタープライズ、エセックス、ヨークタウン、イントレピット、ホーネット、フランクリン、タイコンデロガ、ランドルフ、レキシントン、バンカーヒル、レキシントン、ワスプ、ハンコック、ベニントン、ボクサー、ボノム・リシャール、パールハーバー、キアサージ、オスカニー、レプライザル、アンティータム、プリンストン、ミッドウェイ、ヴァリー・フォージ、ダグパン、パナマ、ネバダ、オクラホマ、ペンシルベニア、アリゾナ、ニューメキシコ
軽空母：インデペンデンス、ベロー・ウッド、カウペンス、モンテレー、ラングレー、カボット、バターン、サン・ジャント、ダーネ、ジャクソン、モンゴメリー、ライト、マニラ、ハワイ、ウェーク、ジョンストン、グアム、ロングアイランド
以下補助艦122隻


またこれに第7艦隊の護衛空母58隻が参戦するためハワイ奪還に向かう航空戦力は驚愕の4000機を超えた。
だが日本海軍も負けていない。
油圧式カタパルトの装備により、1隻辺り平均して艦載機数が5機増加した。
艦隊用空母は44隻に達しており、日本海軍は空母を新造せずに220機も兵力増強を達成していた。
それでも日本海軍の母艦航空隊の戦力は3000機そこらだったが、ハワイの基地に1300機を超える航空機が進出しておりこれらを合わせてやっと第58機動部隊と”対等に”戦えることが出来た。


第58機動部隊の出撃はすぐに連合艦隊司令部、塩沢の知る所となった。
「来るべきものが来ましたな…」
大西も覚悟を決めた顔をしていた。
「おそらく軍令部から作戦発動の命令が飛んでくるだろう。それまで待機せよ」
その頃の軍令部でも”ついにか！”という雰囲気となっており、堀はすぐに天一号作戦の発動を命令した。