ペットボトルで能力開放!?【ソロキャンパーの異世界バックパッキング】

吉田C作

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第1章 ソロキャンパー、大地に立つ(異世界の)

5、ソロキャンパー、魔法を使う。

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「・・・ふう!御馳走様でした!!」


アイーシャさんは2枚目のサーロインを無事食べ終えると、一息ついた様で軽く伸びなどしている。


「どうやら御満足されたみたいですね」


「はいー。ありがとうございました!まさかプウメがこんなに美味しかったとは!知りませんでしたぁ!」


「こちらでは食卓には上がらないのですか?牛、い、いやプウメ?は」


「そりゃそうですよ!だって只の農耕用の家畜ですもの。普通は食べません。ユズル様だって良く御存じなのでは?」


「え、ええ・・・、そ、そうですよねー」


知らないよ!大体『プウメ』ってなに?牛じゃないの?てか、僕のビンゴ牛無くなっちゃったんですけど・・・。


「そ、それで、さっきの話ですけど・・・」


「・・・? なんでしたっけ?」


・・・ハ?


「だから、なんで魔力の有無が分かるのかって!」


「あぁ~、そうでしたそうでした!」


アイーシャは思いだした様に手を叩くと、僕に向かって説明を始める。


「高名な魔導師であろうユズル様に説明するのは少々気が引けますが・・・」


「いや、さっきから言ってるけど、僕魔導師じゃないから!」


「またまたぁ、魔導師じゃ無かったらその魔力は説明がつかな」


「いいから!続き!」


「分かりましたよぅ。じゃあ続けますね!」


ちょっと拗ねたように顔を膨らますアイーシャさん。  
か、可愛いじゃないか。


「この世界に生きるものは、基本的にある程度の魔力を持って生まれて来ます。動物であれ、魔物であれ須すべからくです。動物や魔物と、人族・魔族の違いは、物心がついた時に『サーチ』を教えられるかそうでないかとされています」


え?魔族いるの?魔族がいるのに魔王はいないの?変わった世界だな。ここ。


「さて、この『サーチ』ですが、唱える事により周りの人や動物の魔力量を計ったり、魔法を使うための・・・、なんと言いますか、透き通った紙の様なものが自分の目の前に浮かびあがります。勿論最初に自分の魔力量も表示されてますよぅ」


「質問」


「はい、なんでしょう?」


「その『サーチ』?は言葉にしなくちゃだめなの?」


「いえ、念じるだけで大丈夫ですよぅ。もしかしてからかってらっしゃいます?」


「いいから続けて」


「はぁーい。せっかちですねぇ」


あれ?何だろう?ちょっとイラッとするぞ?


「その紙の様な物を対象に向けると対象の魔力の量が数字で表示されるのですが、あまりに自身の魔力量と懸け離れている場合は『計測不可』と表示されます。勿論、相手の方が上だった場合ですけどねぇ」


「・・・要するに『サーチ』で計ったら僕の魔力量がその『計測不可』だった・・・と?」


「その通りです。それで暗くなってしまいましたし、あのままだと魔物に襲われる可能性がありましたし、ユズル様を頼ろうとここまで来ちゃいました!」


「来ちゃいましたって、僕が悪人だったらどうするのさ?」


「そこは大丈夫ですぅ。私は人の善人度を計るスキルを持ってますから!」


そ、そんなスキルがあるんだ・・・。


「そ、そうなんだ。そのスキルで問題無かったからここまで来たと」


「はい!」


はい!キラキラ笑顔。頂きました!って、違う、そうじゃない。


「でも不思議だったのは、こちらに向かって魔法を使う様子が無かったことですかねぇ。ユズル様程の魔力であれば、魔法で威嚇しそうなものですが・・・」


そりゃあそうだ。僕は魔力どころか魔法なんて使えないと思い込んでいたし『サーチ』なんて今初めて聞いたし・・・。


「ま、まあそれは良いとして、魔法を使うにはどうすればいいのかな?」


「む!やっぱりからかってらっしゃいます?」


「いやいや、からかってないから!いいから続き!」


「なんですか?そうやって実は後からダメ出しする気じゃないんですか?
まあいいですけど・・・、えっと、その『サーチ』の画面に魔力量の表示等と合わせて、現在自分が使用可能な魔法の一覧が表示されるんですよ。
例えば、火の魔法であれば『ファイア、フレイム』といったような感じですね。で、後は『サーチ』の画面を相手に向けて、使いたい魔法の文字に触るだけです」




 衝撃だった。要するにこの世界の魔法は詠唱が必要ないということだ。これは単純に考えてメリットとデメリットが同じレベルで存在するという事になる。

 例えばメリット。もし戦闘になった場合、こちらが何の魔法を使うかを相手に悟られることなく使用可能だ。デメリットはまさにその逆、相手の使う魔法が分からないって事。


「ねえ、アイーシャさん。それって、例えば戦闘になった時に相手が使う魔法が分からないって事なのかな?」


「はい。といっても相手の方が詠唱を行わなかった場合ですが」


「ん?どういう事?」


「魔法というのは詠唱を行わなかった場合、非常に効果が薄くなります。詠唱時を『10』とすると、無詠唱時は『1』といった感じでですかねぇ。まあ、使用される方の魔力の大きさにもよりますが。
そのためほとんどの人が詠唱を行います。」


「成程・・・、そ、その『1』ってどれくらいの効果があるのかな?例えばアイーシャさんであれば」


「そうですねぇ、私の場合は『1』でこれ位の火球が作れる程度ですね」


アイーシャさんはそう言いながら、ソフトボール程の火球を手の上に作りだした。


「おお・・・、その火球は飛ばしたりは出来ないの?」


「ええ、、そのまま投げることは出来ますが、この場から直線で飛ばすとなると詠唱が必要になりますね」


「ちょ、ちょっと飛ばしてみてくれる?」


「いいですよ。ではいきます! 『ファイア!』 」


手の平の上の火球は一直線に5mほど先の岩に飛んで行き、小さな爆発を起こした。


「おお!凄い!」


「そ、そうですか?このファイアは最初に覚える基本的な魔法で、誰でもこの位の効果の筈ですが・・・ユズル様・・・何か・・・」


「そ、それで、その『ファイア』でどれ位の魔物を倒せるの、かな?」


「そうですねぇ、ラクーなら二発程で・・・、んん~?何かおかしいですねぇ・・・、こんなの誰でも知ってる事じゃないですか・・・、ハッ!そうでした今のユズル様は世を欺くための・・・」


「いや、もうそれいいから。そうだ!僕のファイアも見てくれる?」


そう言いながら心の中で『サーチ』と念じてみる。
すると目の前に紙というよりも、パソコンの画面のような物が出てきた!画面の右上に『65536』と表示されている。左上には『1016』という文字が。


「ねぇアイーシャさん」


「はい?なんでしょう?」


「アイーシャさんの魔力って『1016』?」


「そうですね。今ファイアを使用したので正確には『1020』ですが」


成程。右上の表示が自分の魔力量で、左上が相手の魔力量って訳か、確かにアイーシャさんに比べると僕の魔力量は遥かに大きいな・・・あれ?


「使用可能な魔法はどこに表示されるのかな?」


「え?魔力量の下にスキルと合わせて表示してあるはずですが・・・」


「いや、それが無いんだよね・・・って、そうか」


ペットボトルだ!注意書きには飲む事によって使用可能と書いてあった。
という事は、魔法を使いたい時は事前に飲まないとだめって事か!

僕はとりあえず『コーラーフィジカル』を手に取ると一口飲む。
すると『サーチ』の画面に『火魔法』と『爆発魔法』というまるでパソコンのフォルダの様なものが画面の中心部に表示されたのだ!
更には『ブースト1:使用中』という表示が右下に表示されている。
差し当たり『火魔法』のフォルダをタッチする。すると数種類の魔法が表示されるではないか。


「成程、魔法の種類でフォルダがあって、展開するとその属性の魔法が表示される形か」


こんな感じだ。



*****************

『火魔法』

【ファイア】 消費魔力4:火球を一直線に飛ばす。もしくは自分で投擲。
【フレイム】 消費魔力8:自身の周囲180°、半径5mの範囲に炎を吹き出すことができる。
【ファイアランス】 消費魔力16:槍状の炎を一度の詠唱で10本程度対象に向けて飛ばす。炎の長さは1m程度。
【フレイムダンス】 消費魔力32:ファイアランスとフレイムを同時に発動させる。
【カテドラルフレイム】 消費魔力128:一般的な火魔法の最上位。自身の周囲に格子状の炎を展開。『二重詠唱』により、格子状の炎を対象に向かって発射し炎の檻として閉じ込めることが可能。敵に対しての使用時には「ロックアップ」の詠唱が必要。
閉じ込めた対象に炎の大ダメージ。単詠唱時は自信への火属性ダメージを無効化する障壁となる。
【***フレイムDMG】 消費魔力*** ある魔法との複合魔法、対象に*******

【【このファイルは破損しています】】

********************




最後。『破損しています』って何だよ!本当にパソコンみたいだな・・・。


「っと。とりあえず・・・ 『ファイア!』 」


手の平にバスケットボール大の火球が現れ、岩に向かって飛んで行った。
そして岩に当たると同時に爆発。
先程のアイーシャさんの爆発よりも10倍ほど大きい爆発だった。


「す、凄いです!やはり名のある魔導師様様だったのですね!」


「い、いやあ・・・」


今度は詠唱をせずに火球をだす。
岩に向かって投げてみると、先ほどの3割ほどの爆発が起きた。成程、詠唱時と無詠唱時では効果に大分差がある様だ。これなら先程考えたメリット・デメリットはあまり気にしなくても良いかもしれない。
只、そこをうまく利用してくる輩やからもいないとは限らないしなあ、要検討だね・・・。


「さて、ユズル様」


「ん?なんでしょう?」


「私からも質問なのですが・・・、先ほども聞いたとは思いますけどユズル様はここで一体何をなされ」


『オオオオオオオオォォン!!』


その時だった。
明らかに大型であろう獣の咆哮が聞こえたのは。










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