ペットボトルで能力開放!?【ソロキャンパーの異世界バックパッキング】

吉田C作

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第1章 ソロキャンパー、大地に立つ(異世界の)

7、ソロキャンパー、旅の仲間を作る。

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【ペンネアラビアータの美味しい作り方】


1、まずはアラビアータソースを作ります。
フライパンに皮をむいて包丁の腹でつぶしたニンニクを入れ、オリーブオイルを注いで火にかけます。
(この時、ニンニク全体にオリーブオイルがかぶる様にフライパンを傾けましょう)
オイルがふつふつしてきたら弱火にし、ニンニクが色づくまで弱火でじっくりと火を通します。

2、ニンニクが柔らかくなったら、フライパンを火から下ろし濡れ布巾などの上に置いて温度を下げます。
ニンニクの周りがふつふつとしなくなったら、鷹の爪を加え、20秒程フライパンをゆすってオイルに辛味を移します。

3、2を再び火にかけ、手でつぶしたトマトホール缶を加えて強火にします。
煮立ったら弱火にし、時々かき混ぜながら水分を蒸発させるように15~20分煮詰めます。
この時に塩・コンソメで調味します。

4、ペンネを湯がきます。この時湯1ℓに対し、10gの塩を振り入れ、多少硬めにゆで上げましょう。

5、3のソースに4のペンネを加えペンネがソースの水分を吸いすぎたらゆで汁を足し、丁度いい硬さになるまで煮込みます。
味をみて調味し、仕上げます。

*今回はキャンプ地での調理ですので調理時間を優先し、ニンニクは薄切りにして味と香りが早くオイルに移るよう調整ずみです。

*マッシュルームやベーコンをプラスしてもいいでしょう。



・・・これで美味しい『ペンネアラビアータ”風”」の出来上がりだ。


・・・なぜ僕はこんな状況で料理をしているのかって・・・? それは・・・



****



『『さて、落ち着いたようじゃ。儂はタラスクと申す。知っておった様じゃがな・・・そこのおのこよ。少し話をさせて貰おうかの? いや、男というより『』といったほうが良いのかの?』』

『『と、その前にの。さっきから良い香りを漂わせておるそこの鍋、あれは何という料理かの?』』


・・・こういうことです・・・。
何だろうか・・・、この世界の人?たちは話をする前にお腹が減る体質なのだろうか?

『『のうはぐれ人殿よ・・・』』

「・・・なんですか?」

『『・・・美味いの!この料理!!』』

「・・・ハァ、ありがとうございます・・・」

いや、料理が美味しいと言ってくれるのは嬉しいが、話を進めて欲しいのだけど・・・



****



『タラスク』は争いを一言で止めた後に『エルダー』以外のネルルク達を離れさせると、焚火で煮込みっぱなしだった料理を目ざとく見つけ、言外に「食べさせろ」と迫ってきたのだ。
勿論食べさせる事に不服など無かったのだが、煮込まれ過ぎている料理を出すのはソロキャンパーとしてのプライドが許さなかった。だから作り直すことにしたのだ。
『タラスク』に作り直すから待っていて下さいと頼むと、彼女は『『ふむ、分かったわ』』と存外に大人しく待っていてくれた。

・・・なぜだと分かったのかって?

変身したのだ。とても妖艶で美しい女性の姿に。
艶やかな赤い髪は所々金色に輝いている。
目はアメジストの様に紫色に輝いて、切れ長だ。
プロポーションは抜群、不二峰子か。
とにかくとんでもなく美しいのだ。

「・・・女性だったんですね・・・」

『『当り前じゃろ!それとも何かの?胸毛の濃い熊のような男とでも思っておったか?』』

そういってタラスクは笑う。

「いや、単純に竜のままでしたから・・・変身できるとは思ってもみませんでした」

『『クフフッ、それはそうじゃの!竜の姿を見たら竜だと思うのが道理じゃ。悪かったのww』』

そういうと彼女はソファーの代わりの様に『エルダー』にもたれ掛かる。
そこへトマトとニンニクのいい香りが漂ってくる。

「あ、出来ましたね」

『『おおっ!これは美味そうじゃ!頂いても?』』

「ユズル様!私も頂きたいです!!」

・・・アイーシャさん?さっきステーキ二人分食べたよね?

「・・・まあ、大したものではありませんが、どうぞ」


と、まあこんな訳で料理を作らなくてはならなくなってしまったのだ。



****



「『『ご馳走さまでした』』」

二人は、二度ほどおかわりすると満足そうに手を合わせた。

『『では、はぐれ人殿。いやユズルと申したかの、少々話をさせてもらうぞ。まずは、なぜお主がこちらに来なければならなかったかという事じゃが』』

おお!いきなり核心に触れてくれるのか!

『『・・・正直、儂にも分からん!!』』

「ガクッ!」である。気を持たせておいて・・・分からんって・・・

『『いやの?数百年毎にはぐれ人は呼ばれる。そこには明確な理由があったんじゃが、今回は特にその兆候が見えんでの』』

「えっ!?300年前だけではなかったのですか?」

『『そうじゃ。はぐれ人については【神々の収穫Harvest of the gods】に対して、この世界唯一の対抗手段であるからの』』

「【神々の収穫Harvest of the gods】?それは何なのですか!?」

『『【神々の収穫】とはの、数百年に一度、星空から神が降りてきてこの世界を半壊せしめ、蹂躙したうえであらゆる種族の者たちを大量に攫い取ってまた空に戻る。・・・まさに収穫じゃの・・・その事象の事をいうのじゃ。
というても我ら『神代かみよ』から生きておる者たちがそう言っておるだけじゃがの。勿論人の子等や、魔族の子等はこの事を知ってはおらぬ。簡単なおとぎ話としてはぐれ人の事を伝えさせておるだけじゃからの』』

「アイーシャさん、言い伝えでは特に何もなく冒険にって・・・」

「は・・・はい、私もそう言い聞かされておりましたもの。というよりユズル様がはぐれ人であった事に今更ながら吃驚しております・・・ハッ!という事は私はこれから幸せになれるのですね!!やりましたぁ!!」

いや、今聞いたよね?神々の収穫って!この世界が壊されるって!

『『オホンッ!続けてもいいかの?』』

「あ!すいません、お願いします」

『『それでの、我等は神などにこの世界を好き勝手されるのは好まん。
その為、兆候があった時のみ他の世界より強力な資質やスキルを持った者を神代の者いずれかが呼び・・・所謂召喚じゃの・・・我等神代の者と協力して神達を退しりぞけるのじゃが、先も言ったように今回はその兆候が出ておらぬ。しかし、お主は呼ばれた。まあその為我が見に来たという訳じゃ』』

「要するに僕は何かの間違いで呼ばれた可能性がある・・・と」

『『有体に言えばそうじゃの』』

「タラスク様」

『『なんじゃ?』』

「僕は元の世界に戻れるんですか?」

『『戻れる。戻れるが、そのためには呼んだ者のところに行かねばならん』』

「そう・・・なんですね。僕を呼んだ人って誰か分かりますか?」

『『・・・今は分からぬ。正直神代から生きているものはそこそこおるでの。まぁ、2,3検討はついとるがの』』

なるほど。要するに、戻る為には『神代から生きるもの』を訪ねる必要があるって事か・・・。

「タラスク様、アイーシャさん!」

『『なんじゃ?』』

「なんでしょう?」

僕は覚悟を決める。

「この世界について教えてくれますか?僕は神代の皆さんに会いに行こうと思います」



*****



二人が言うにはここは「クジュ山」の麓で、クジュ山は「オ・グーニ」という町と「ココノ」という町に跨がってそびえている所謂「神の山」とされている山だそうだ。
「オ・グーニ」は「フィーゴ公国」に所属し、「ココノ」は「ブンゴール連邦」に属しているらしい。

何だろう、国の名前まで元の世界に似ているなぁ。

で、アイーシャさんは「オ・グーニ」領主の次女になるそうで、『巫女』として、クジュ山とタラスク様に祈りを捧げるのが生業だそうだ。
タラスク様はクジュ山に神代から居を構え「フィーゴ公国」「ブンゴール連邦」の二国から神代の竜として崇められている存在とのこと。
『『儂は偉いのじゃぞ!』』とタラスク様は仰るが、腹ペコ竜にしか思えない。
そのタラスク様が言うにはここから少し離れた「マクサーン」という町に神代の者がいるらしく、まずはそこを訪れることにした。
これには理由があって、はぐれ人を呼んだ場合召喚を行った神代の者の近くに呼び出される確率が高いからだそうだ。
まあ、今の状況で旅するには心許ないので「オ・グーニ」に行き装備を整えもっと情報を仕入れて、それから「マクサーン」に向かうという算段になるだろう。「オ・グーニ」で二人とはお別れかな。

「じゃあ「オ・グーニ」で二人とはお別れですかね?」

「『『え?』』」

「え?」

『『何を言っとるんじゃ。儂はお主についていくぞ?』』

「私もそのつもりですぅ」

「いや、でも、お二人にはそれぞれ役目があるのでは?」

『『そんなものないぞ?儂は基本的に暇なのじゃ。【神々の収穫】の時でもなければの』』

「大丈夫です。祈りはどこでもできますからぁ。というより祈りの対象であるタラスク様が一緒ですもの。あ、それと今後はアイーシャと呼んで下さいね!」

「え?」

「『『え?』』」

『『久しぶりのはぐれ人、しかも普通とは違う呼ばれ方をした者だしの。ついていくと面白そうじゃ!それに美味い物も食べれそうじゃしの!ん?エルダーもいくとな?』』

『オンッ!!』

マジか・・・、食べ物に釣られたか・・・。やっぱりダメ竜なんじゃないだろうか?この竜。

「私もです!タラスク様の言う通りです。・・・それに『幸せ』が付いてくるのですよねぇ?ウフ、ウフフフフ」

アイーシん・・・それはおとぎ話って言ってませんでしたか?というか笑い顔が怖いんですが。


こうして僕は、3人と1匹で旅することになったのである。
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