ペットボトルで能力開放!?【ソロキャンパーの異世界バックパッキング】

吉田C作

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第2章 ソロキャンパー、世界をめぐる

27、防具を手にするソロキャンパー。

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****



嘘でしょう。

そんな筈無い。

何故混浴。

ユズル、心の句。字余り。


現在僕は温泉に入っている。

しかし、そこがまさかの混浴のみという謎のお風呂だったのである。

この一文で状況は分かるだろう?

『この世界の人達は羞恥心が薄い』

いやね?タオル1枚だけで男とお風呂を御一緒するのはどうかと思うんだ。
特にアイーシャとタラちゃん。君達わざと押しつけてるでしょ!何度も言うけど、僕だって男です。据え膳はしっかりと頂きたいです。でもね、今はそういう状況じゃないでしょ?空気呼んで?いや、うん、まあ控えめに言って最高なんですけどね……。

ともかく、とても刺激的で蟲惑的な入浴を何とか乗り切った後は一路オ・グーニへ。
レッドアイとは領主館で合流する事になっているので、そのまま領主館に向かう。
そうそう、温泉までは勿論タラちゃんダッシュ、凄く良い汗を流したと思う。
これをレッドアイに体験させるのが楽しみで仕方無い。

リゼルさんが、なんだっけ、先触れっていうんだっけ?とにかく僕達が戻る事を先に伝えに行ってくれたおかげもあってか、領主館に着くと門の前でリカルド様が待っていてくれた。

隣にはリカルド様に御似合いの美しい女性が立っている。黒髪で、薄い緑の目、どことなくアイーシャに顔立ちが似ているからきっとアイーシャのお母さん、領主婦人なのだろうと思っていたら案の定だった。

「初めましてユズルさん。、エミリア・エル・ピオーネと申します」

そう挨拶されて、思わず背筋を伸ばして45度のお辞儀をしてしまったよ。
だって凄かったからね、目力。容姿が整っている女性の目力ってなんであんなに怖いんだろう?

とにかく領主館へ再度お邪魔した僕達はそのまま夕食へ。
シブカンへの旅の話や公都での事等、和気藹々と夕食を進めていた時に突然リカルド様が泣きだしたのにはビックリした。やっぱりアイーシャが長い旅に出るのが心配だった様で、我慢できずに泣きだしてしまったのだそう。

うん。僕には子どもがいる訳じゃないけどその気持ちは分からなくはない。

母親がいなくなった時の喪失感、あれは小さいながらにとてもとても心に来た。
といっても高校生になってからこっち何度か会ってるんだけども、それでもやっぱり愛する家族がいなくなるかも知れないってのは…、ね。

結局アイーシャとエミリア様が2人して慰めて落ち着いたんだけど、その後夜中に僕の部屋に来て何度も「アーシェを頼む!」って頭を下げてこられるもんだから、こっちも恐縮してしまって「何としても護ります!」と何度も頭を下げて、まるで2匹の米つきバッタみたいだった。

次の日の朝アイーシャが謝って来たんだけど、リカルド様の気持ちはよく分かるからあんまり強く言わないでね。と返しておいた。



****



さて、僕達はレッドアイが持ってきたミスリルの防具や武器なんかを試している最中である。公都にある大店の馬車で来た彼女がとるものもとりあえず、試着やら何やらを急かしてきたのだ。

ちなみに僕は今まで装備していた様な革の軽鎧をそのままミスリルに置き換えた感じ。
意匠は派手では無くごくごくシンプルで、上半身は胸当てと背中の真ん中にミスリルの鋼板が貼ってあり、肘から下と太股の外側部分、後は脛を同じ様にミスリルで覆ってある、防御よりも動きやすさを重視している様な鎧だね。

腕部には盾では無く、攻撃を受け流す為のスライダーが取り着けてある。
これは僕が後々2刀を使用する可能性も考慮に入れての事らしく、流石は1等スミス!と感じる気遣いだった。

 2刀といえば、僕の持つ2振りの刀『祓』と『殲』については、レッドアイでも手入れが難しいらしい。一応「シンベー・ミチハラ」から研ぎ方は受け継いでいるらしいのだけど、出来る限り折ったりしない様に念を押されている。その2振りはそれぞれ左右の腰にに佩いている形だ。


話がちょっとずれたけど、ミスリルの美しさ、そして着け心地には驚いた。
ともすれば確かに銀と間違えそうなのだけど、その輝きはプラチナに近くそして深い。
だからといって決して嫌味な輝きはしておらず、むしろ普段はそれほど目立たないだろう。

更には、その軽さと強度!はっきり言って以前の革鎧よりも軽いかもしれない。その上普通の剣で切り付けても傷1つ付かない。実際に装備してみて分かったのは、このミスリル、とんでもない金属だって事。
地球上にこのミスリルがあったら、色んなものが全く違う発展を遂げていたかもしれない。そんなレベルだ。

そうそう、他の皆の装備だけど、アイーシャはブレストアーマーってやつ。そうだよね、そこ守るのはとっても大事なことだよね!じゃなくて胸部と肩を重点的に防御する形になっていて、下半身は袴に合わせる様に腰回りを覆っている。そして左の腕部分には小さめのバックラー?とにかく盾を左手に装備。

武器はメイスってやつだね、ちょっと小ぶりでアイーシャでも充分に振り回せるだろう。
武器に関してはバランスを考えてなのか、複数の金属を使っているみたいで、先端、鎚の部分と持ち手や柄の部分が異なっている。

更には、――これは皆の防具共通なのだけれど、鎧の金属部分がなんというか上手く重ね合わせてあって、所謂『積層装甲』になっている。この積層装甲の重なり具合が機能美と呼ぶに相応しい美しさを醸し出していた。
特に女性用の鎧には花とそれぞれの武器の意匠がバランス良く施してあり、そのせいもあってか余計に美しさを感じさせている。だからといって決して華美にならないのはやはりレッドアイの腕のおかげかな。

 リゼルさんはアイーシャのものより少しだけ重厚な鎧で、丁度僕とアイーシャの鎧を足して割った感じだろうか。ちょっと変わっているのは、腰の後ろ、お尻の部分に剣を装備する為のスカートみたいな物が追加されている事か。

 武器である双剣については元々使用していた鋼の直剣がやはり使い慣れているらしく、それをそのまま使うみたいだ。リゼルさんとレッドアイの話だといずれはミスリルと鋼を合わせ直して新たに作り直すつもりみたい。

レッドアイに関しては……、いや、何も言うまい。
でも、でもなあ。やっぱり一言だけ、一言だけ言わせてほしい。

「小柄で褐色肌にビキニアーマー、バトルアックスって何の御褒美ですかぁ!?」

羞恥心、仕事してくれ。頼むから。

まあ、ビキニアーマーといっても、鎧の中はビキニでは無くタンクトップとホットパンツなのだけど、それでも眼福です。思わず敬語になる位には。
 ……タンクトップっておへそ出るものなのか?

タラちゃんについては、元々面の皮が厚――、ゲフンゲフン。元々が竜の表皮なのでミスリルより遥かに高い強度を持っている。その為鎧を着る必要は無かったのだが、彼女のわがまま、いやお願いもあって所謂『手甲』、ガントレットを装備している。

ある意味このガントレットが1番手が込んでいるかもしれない。これ普段は手の甲までを覆っているのだが、魔力を通す事で爪の先まで覆い隠す形になる。その指の部分が鋭く、まるで竜の爪の様に尖るのだ。なんというか、凶器というか、魔王の装備みたいな見た目になっている。

ともあれこれであらかたの準備は整ったので、明日からはいよいよブンゴールに向けて旅立つ事になる。どんな旅路になるのだろうか?楽しみだ!

…。

……。

……え?パーティー名?……決めなきゃだめなの?

……国外にパーティー単位で出る時はどうしても必要?……各国で取り決めてある?

うん……、え!?僕が決めるの!?……あれだけセンスないって言ってたのに?

……え?僕が暫定リーダーだから?……タラちゃんじゃないの?……僕?

……しょうがない、分かったよ。でも……絶対文句言わないでね?



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