無頼・証券マン、哲二

２２話：これからは減らさない投資へ

　小田哲二は３億2千円の投資残高と証券情報屋で８千万円を稼ぎ２０００年には４億円の財産を作った。そこで今度は増やすのはなく減らさないための投資を考え始めた。そして、以前の証券会社や銀行の倒壊時代からの仲間に相談して高金利通貨での５％以上の預金金利に目をつけて運用することを考え始めた。

　そして外貨投資が徐々にはじまった年でもあった。そしてシティバンクに口座を開いて、毎回、勉強会に参加して以前のリベート客も誘って、いろんなメリット、大口顧客紹介のバックマージンを手に入れた。毎月の様に勉強会に通った。

　そこでヘッジファンドのマネージャー、NK証券が仲介した中国ファンド、欧州系証券会社のアンブレラファンド「多数のファンドを、切替無料で変えられるファンド」、ブライベートバンキングや１０億円以上の顧客だけが入会できるプラベートバンク・個人専業銀行などの情報を知ることとなった。

　しかし小田から見ると、どれも、うさんくさいファンドが多く、自分で買おうと思う商品は１つもなかった。米国のファンドの大手からもバックマージンを出すから顧客を紹介して欲しいという、要求が多かったが、信用第一と考えて１人も紹介しなかった。

　そして最終的にはオーストラリア・ニュージランド銀行で豪ドルの定期預金を選択して利用し始めた。２０００年１月からの女房と子供２人の名義で豪ドル口座を開いて２０００年４月に６３円で３１５万豪ドルを２億円で買い、２０００年５月から４人で１.３万豪ドルずつ毎月５年定期で６％、５年後に１.３倍で預け入れた。５年で４１０万豪ドルを運用することにした。残金が２億円となった。

　東京駅近くのオーストラリア・ニュージランド銀行の近くのレストランで昼食を取っているとき板前さんの前にいた太めの白髪交じりの男を見て驚いた。信二じゃないかと、小学校時代の懐かしい友人の顔を思い出し、声をかけると、哲二じゃないかと言った。そして急ぎじゃなかったら昼飯おごるから、こっちへ来いよと言うと配達も、ここで終わりだと言い、向かいの席に座った。

　そして、信二が、お前、おばあちゃんが亡くなった時の葬式以来だねと懐かしがってくれた。信二は小学校、中学校と遊び仲間で哲二のたった１人の友人だった。寂しがり屋で。照れ屋で、無口な物静かな男で、グループに組することが嫌いで、いつも１人ぼっち。独りぼっちどおしでいつしか、いつも一緒にいるようになったよな。

　懐かしいと話し今何やってると聞くと、しがない八百屋を細々とやって言ると教えてくれた。自宅の電話番号を交換して、また会おうと約束して別れた。２０００年７月に光ファイバーインターネットというのをテレビで宣伝していたので興味があるので利用することにしてＮＴＴに回線の敷設をお願いし７月１４日に半日もかからずに家の近くの電線からケーブルを引いて接続してくれ繋がってる確認をしてくれた。

　試しに使ってみると、とんでもなく便利だった。その後、暇があればネットサーフィンと言っては多くの面白そうなサイトを開いては利用した。インターネットとは仮想空間にある図書館のようなもので情報宝庫と言うことがわかり、毎日利用し始めた。